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tama1000さんのキミとボクとエデンの林檎の長文感想

ユーザー
tama1000
ゲーム
キミとボクとエデンの林檎
ブランド
ALMA
得点
60
参照数
1738

一言コメント

Farewell.

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

CLOVER、ROOT、ALMAは震災の影響で無期限開発中止とのことです。

ということで最初で最後になるかもしれない今回の作品ですが、
結局何がしたいのかわからないです。
従姉妹の替え玉として名門女子高に女装潜入し、
周囲に悟られないようにクリスマスの演劇公演まで乗り切るのだ!
と主人公が意気込んでるにもかかわらず、その過程がさらっと流されている有様。
そもそも女装したときのスリルが感じられません。
ばれないのが前提になっていると言っても過言ではありません。
女装したときの役得シーンがあるのがせめてもの救いです。
そして、クリスマス公演に至る過程もお粗末なもの。
主人公が何の苦もなく琉奈の代役をしっかりこなしている・・・。
生徒から憧れの的であるあの琉奈の代わりを、
突然の学園潜入とは思えないくらい完璧に。
いや、練習シーンとかほとんどないので断定することは出来ませんが。
それにしても劇の素人とは思えないくらいに、何も起こりません。
その公演当日シーンですが、まさかの数行。
当初の目的はもうちょっと丁寧に描いて欲しかったです。

そんなこんなのクリスマス公演なので、後はどうなるんか?
と思ったら、どのルートも程度の差こそあれひどいです。
後半も後半で急展開を迎えます。
一番ひどいのが琉奈で、まさかの女装ライバル!?が登場します。
なんでいまさら。流れを無視した展開にもぐうの音も出ません。
次にひどいのがかれんで、分岐条件つけた超展開崩れという感じです。
聖母、巫女、予言等々最後に矢継ぎ早に言われてもついて行けません。
その次は・・・。
ちなみにエロは3、4回と標準的です。
とにかく琉奈よりも主人公が可愛いので、「あーーーーーっ!!」
みたいな展開があれば100点だったな!
いや、そんな趣向なくても十分及第点です。

でも雰囲気は良いんですよ?
ヒロインたちとクリスマスを目前にした学園で、街で過ごす冬の日々。
会話も退屈、なようでそうでもなく、なんか不思議な感じ。
のんびり、まったりとしてストレスフリー。
もうちょい日常場面があれば幾分か良かったのかもしれません。
萌えゲーとしては今一つ。

最後にその他について。
まずはグラフィックについてですが、一言で可愛いですね。
なんかどこかで見たことのあるような、ないような・・・。
だけど可愛いというそんな感じです。
それにしてもCGの枚数が少なく、そして差分も少ないのは減点ですね。
また、まさかのSD絵なしというのもNG。
フルプライスならもう少し頑張って欲しかった。
サウンドは普通ですが、可愛らしいOP曲は一回聞いてみてもいいかもしれません。
CVは夏野こおりさんが好きな方は無理をおしてでもやるべき!
というのは言い過ぎかもしれませんが、その他榊原さんを始め十分な出来です。
ただ、雪乃の人は抑揚がないのでイラッとすることがしばしば。
システムや演出は問題ないでしょう。

まだこの程度で終わって欲しくはないですね。