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tama1000さんのWith Ribbonの長文感想

ユーザー
tama1000
ゲーム
With Ribbon
ブランド
Hulotte
得点
80
参照数
663

一言コメント

やっぱりはるか・・・というジレンマ。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

「無限に広がる世界の中からどのような未来を確定するのか。」

創作物ではおなじみのパラレルワールドですが、この作品は一味違う萌えゲーです。
それは母親探しのため、未来からやってきた娘の人格が変わるというもの。
未来が不確定なら人格も不確定である。人格が出現する頻度は確率次第。
たしかに。。でも目から鱗の気分でした。
天然だったり、しっかり者だったり、場面によって人格がせわしなく変わる様は
見ててあきません。
そして何より萌える・・・だけに攻略対象じゃないのが悔やまれます。
娘なので当然と言い切るにはもったいないレベル。
ただ、都合が悪くなったりピンチに陥ったりするとすぐに過去へと遡るのはちょっと。
ややご都合なのが玉に瑕。でも萌えゲーだからこれでいいのかもしれませんね。

さて、シナリオはどうかというと、純愛で手堅くまとめています。
その過程で描かれる親子の絆。その世代を問わない繋がりには心温まります。
中でも陽菜ルートはいいですね。
過去へさかのぼり、記憶の食い違いを一致させる過程はこのゲームらしさが出ています。
思い出のバレンタインデーのシーンには思わずほろっとしてしまいました。
どこかで見たような、そんなデジャヴに襲われますのはたしかですが。
また、可愛らしいキャラ達による日常シーンもお約束が満載でにやけてしまうこともしばしば。
会話もいきいきしており、テンポよく進めることができます。
ちなみにエロは基本的に本番4回で健闘しているほうかと。
華澄さんが2回しかなかったのは残念無念です。

それでは最後にそのほかの点について。
まずグラフィックですが、とにかく可愛らしいですね。けしからん。
かつて問題があったようですが、それを忘れさせてくれるほどの出来栄えです。
次にサウンドについてですが、ボーカル曲、BGM共に作風とあっておりグッドです。
そしてCVについてですが、新規かそれとも別名義か、ともかく高水準です。
特にはるかの人はどの人格も上手いこと演じ分けているので、その幅の広さに驚きました。
ただ沙蘭の人は肩に力が入って硬い感じなのがなんともです。
またシステム必要最小限ですが、演出はいい感じです。動くオープニング画面とか○。

はるかは仕方ないとしてもせめて愛理は攻略したかった。
初っ端から好感度MAXなのに、はるか曰く「可能性はゼロ」とのこと。
サービスしてくれい!

ともかく、発想が面白かったので下駄履かせて80点です。