ドラクエ系勇者SSなノリのコメディ
九割五分をエロと笑いで乗り切り、残りの五分にシリアスを持ってくる、古典的ながら安心して読めるADV。
それなりに練られた世界設定ながら、風呂敷は広げ過ぎず、伏線をキチンと回収しながらこじんまりとまとめており、
良質のご都合主義プログラムピクチャーを観たような清々しい気分に浸れる。
全編の幕引きもおバカなエロで、細かい所を真っ正直に考察すればガバガバだけど、
いちいち突っ込むのが野暮に思えてくるのは、徹底した意識低い系としての姿勢が為せる業か。
エロは、本編がギャグ王のエロコメマンガみたいなノリだから実用性は無いけど、まぁこんなもんじゃないかと。
パロネタはドラクエ３～４あたりを中心に、ドラえもんとかドリフとか聖闘士星矢とか大昔のものが多め。
読んでいて頭疲れないし、基本的に小エピソードの羅列なので、30分くらいの空いた時間にちょこちょこっと進められるのも好印象。
惜しむらくはゲームデザインが宜しくないこと。
分岐でバッドエンドを回収しながら進めていくタイプなのだが、これが折角のシナリオの足を引っ張っている。
いくつかは笑えるバッドもあるけれど、いかんせん数が多過ぎて、早々とネタ切れを起こしている感じ。
本当はゲームの肝になるはずのシステムが、テンポを悪くするだけに結果になってる。
一応、バッドエンドは全回収しなくても最後まで進められるのが救いなんだけど、それなら元から全撤廃しといてくれた方がよかった。
ここだと評価低めだけど、確かにフルプラ出してガッツリやる気だったら肩透かし食らったかも。
ワゴン常連を経て中古が捨て値となった今では、個人的にはお買い得だと思うんで、軽いエロコメファンタジー好きにお薦めしたいです。