前作に比べると良くはなっているが、まだまだ粗い。
・シナリオ
シナリオは全体的に悪くない。
萌えゲームとしての基本は押さえている。
特に会長のシナリオは素晴らしい。
ツンツンからデレデレへと変遷する、ツンデレの教科書のようなルートだった。
声をあてている、かわしまりのさんの演技も相まって、非常に楽しめた。
彩ルートに関しては単なるハッピーエンドにはしたくない、というライターの強い意志が感じられた。
それはそれでとても結構な事なのだが、テキストがほぼ同じ状態のを2回も見なければいけないのは勘弁して欲しい。
しかも、微妙にテキストが変わってるから、Ctrlスキップで単純に飛ばせないのがたちが悪い。
2回目は彩視点で回想するとか、もっと他に見せ方があったのではないかと思う。
彩の真ルートにおいては時系列が非常にわかりづらかった。どこかで何月何日か、だけでも表示できるようにすれば良かったのに。
彩ルートに関しては一つにまとめて、他の全ヒロインをクリアした後で、彩ルートそのものが初めて解放される、というような形にすれば良かったのではないかと思う。
佳奈多・わんこルートはぶっちゃけ普通。
だが、大きな欠点も見あたらず、本作のコンセプトをスッキリと体現したシナリオである。
ただ、サブキャラが目立ちすぎて、あまり印象に残らないシナリオになってしまったのが残念。
わんことか非常に良いキャラ設定だと思うが、それを生かし切れていない。
サブキャラが非常に魅力的。
特に何故、凪紗が攻略できないのであろうか。
共通ルートでここまで出しておいて、個別無しは正直酷い。残念すぎる。
会長とのキャラ被りを意識して外したのかもしれないが、会長がツン8：デレ2のキャラなら、凪紗はデレ8：ツン2のキャラ。
キャラ被りはありそうで、実はそんなに無いと思う。
他にも、みんとや優佳、紗絵子など、メインシナリオほどではなくとも、サブシナリオという形で攻略が出来たら、と思う。
全体的に共通が長く、個別が短い。もっと攻略ヒロインとの日常を楽しみたかった。
・音楽
ボーカル曲は非常に良い。OPもEDも素晴らしい。
BGMに関しても全く問題ない。このブランドの音楽担当は優秀ですね。
・システム面
ダメダメすぎる。
スキップは遅い。
選択肢のバックが出来ない。
テキストに表示されない、音声だけのセリフもバックログでは表示して欲しかった。聞き逃すと二度と確認できない仕様。
カーソルが筆で固定されていて、変更できないのも頂けない。オプションで選択できるようにして欲しかった。
微妙にバグが残っていた。全くの新規でインストールした状態で佳那多ルートを一番最初に攻略した後に、おまけをみると不思議な事が起こっていた。
・グラフィック
何も問題ない。非常に良い。ただ、塗りは若干古くさく感じる。
若干、骨格がおかしいところもあるけど、キニシナイ。
萌えゲーとしては及第点。しかし、前作よりも確実にレベルアップしているので次回作も楽しみ。
このブランドは、サイン会や色紙プレゼント等、ユーザーフレンドリーなブランドなので期待しています。