軽い気持ちでプレイしたら意味不明な作品になると思う。 BADエンドに細かい設定等が隠されているので、適度にBADエンドへ寄り道しながら進むべきでしょう。タイガー道場は面白いし。 月姫とか空の境界とかを読んでたら設定にする溶け込めるが、謎とされている事が簡単に予想出来てしまうかも
Fateから奈須世界に入った人の場合、情報が少な過ぎるので第1章であるFateルートのうちはマメにBADエンドを体験しておくべきかと思います。どうせタイガー道場のスタンプを集める為に必要な作業ですし。
世界観はかなり作り込まれていて、だからこそ例外が際立つし、例外にはそれが予測出来る前フリが有ります。 設定が破綻しているという意見がアンチの人の常套句の一つですが、実際に破綻しているのは第2章の終盤の盾の件くらいではないでしょうか。 プロット段階では盾のサーヴァントは第2章で登場していたんだろうというのが伺えます(^^;
世界観は基本的に安定しているのですが、説明しているのが登場人物である為に主観混じりです。 特に聖杯戦争そのものについては、全てを完全に理解している人物がゲーム開始の時点では1人もいません。 殆ど全てを知っている人物は5人いますが、忘れていたり敵だったりと、全て信頼出来る事を言うのは最初は1人だけ。信用出来ない正直者がいるというのもポイント。
主人公についてですが、感情移入は難しいと思います。 プレイヤーが主人公となるエロゲの常識は捨てて、あくまで士郎は士郎という登場人物として見るべきです。本編で語られる事になりますが、彼の心理は人間として不自然ですから。 奈須氏も士郎の事ををロボットと評しています。
彼がなぜロボットなのかは空の境界の主人公の式が参考になると思います。 反魂の法は失敗するか元の人格ではないというのが王道ですからねぇ。
ロボット云々と関係無く、単独行動するような危機感の無さが目立つ序盤は減点対象ですが。
彼が女性しか助けないという意見が有りますが、実際には助けようとします。士郎は基本的に弱い者と大衆を守るスタンスなので、直前まで戦っていた男でもより強い相手に殺されそうになった時には助けようとします。より弱い者を助ける為に切り捨てる(少なくとも士郎は見殺しにしたつもり)場面も有りますが。
サーヴァントについては守るとか助けるとかの対象ではないので論外ですが(士郎より遥かに強いし、故人を利用したただの使い魔ですから。守る余地すら無い上に敵だったりしたらねぇ)士郎が実際に守った個人ってその章のヒロインともう一人の2人ずつだけしかいないんです。それで女しか守らないとか批判するにはサンプルが少な過ぎでしょうね。 学園の人間とか街の人間とか一般人の男はたくさん守ってるはずですし。 日常で手助けをしている相手は、コペンハーゲンで男女1人ずつと一成ですから男の方が多いという計算になりますし。
戦闘シーンについては、ちょっとした敷居が有ります。 流れで読む分には問題無いのですが、完全に理解するには多少なりとも格闘(素手ではなく剣道とか)や時代背景等の知識が必要です。格闘シーンは細々とした所も描いているので、知識が無いと勘違いしてしまう事も有ります。(アンチが勘違いしたツッコミをしてて痛々しいことも有りますし) 武器での戦闘についてなら司馬遼太郎の幕末小説でも読めば常識レベルの知識が身に付くかと思いますので参考にでも。
目玉となる宝具合戦は知識の要らない派手なものですが、宝具はただの武器ではなく概念武装であり、それぞれが持つ概念同士の激突となる事に華があります。ですから、頭を柔らかくして言葉遊びを楽しむような感覚も必要です。(信用出来ない正直者との会話も似たようなもの)
CGはエロゲとしては特異なんでしょうが、小説のイラストとかでは珍しくもない画風だと思います。しかもスクリプト担当が頑張ってるのでよく動きます。(このへんはホロウで更にレベルアップしてて、そこらのエロゲのエロシーンに使われるアニメーションレベルの動きをやってるシーンもあります)
ただ、一部でCGと文章が一致しないものも有ります。
色々と書きましたが、それらが瑣末な事であると感じるくらい魅力的なキャラ達と驚愕の展開が待ち受けている作品です。この時期にこれを読んでいる人はアニメで気になったかRealta Nuaが気になる人がメインでしょうが、未プレイならオリジナルかRealta Nuaを絶対に買う事をオススメします。
追伸
Fateのプレイ後はレビューより考察を読むのをオススメしますよ。