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takashimazさんの√ after and anotherの長文感想

ユーザー
takashimaz
ゲーム
√ after and another
ブランド
得点
77
参照数
23

一言コメント

大まかなシナリオやキャラ、雰囲気は大好き。何よりも曲が好きだけど、シナリオで根本的に合わない部分があり、それのせいで作品すべてを大好きだとは言い難いのが悲しい。ただサクラノ詩要素もあったりで楽しめたことは確かです。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

物語の雰囲気、キャラクター、曲、CG、どれをとってもトップクラスに好きなのに、
数年前に本編をプレイした時から、高評価出来ない・大好きだと言えなくて、なぜだろうなと考えた。

私は基本的に、〝公式が一番〟、〝キャラクターの出した答えが真実〟だと思っており、いえこれは当たり前な考え方で、オタクとしてそうあるべきであろうこともわかってはいて。

だけど、H2Oのいじめ問題だけはどうにも受け入れられない。ここがずっと引っかかっている。
いじめ加害者は、例外なく被害者以上の苦しみを味わってほしいと思っているから、
はやみや琢磨がゆいたちのことを許しているのを見て、納得はいかないというか。

はやみや琢磨が出した決断ならいい!幸せならOK!と思う自分ももちろんいるし、
純粋に、ゆいかわいい~!お兄さん好き~!と思う自分がいるのも事実。


でも、いじめを苦に学校を辞め、自ら命を絶ってしまった男の子の描写があったのに、それを担任は目の当たりにしているのに、
いくら学園長になってこの学園を変えようという志を持っていたとしても、心をなくして目の前でいじめられているはやみや琢磨を無視する担任の神経はやっぱりわからない。
お前は自分を守ってくれた未来ある男の子を亡くしたんだぞ?未来の大きな革命のためなら、はやみや琢磨が命を落としても、心を亡くしているからなにも感じませーん!で通すのか?そしてなぜそれを張本人にわざわざ言う?
かつての彼を重ね、琢磨に慰めてほしいのか?いい人だねと言ってほしいのか?
もしそうで、脆くて弱くて時には心無い〝人間〟をわざわざ描いているのならまあわかるけど、琢磨の口から許しの言葉を与え、なんか感動シーンにしていたよね?

この描写だけは許せない。この担任だけは許せない。


こういう、根本的に自分とは合わない部分が、「あくまでもフィクションを楽しむ」ということの邪魔をして、
この作品を大好きだとは言えなくしている。

大好きなのに、根本的な価値観の違いがあまりにも大きすぎて。
改めて言語化してみて、やっぱりこの部分は許せないし、この先も一生受け入れられないのだろうなとは感じています。


ただ、サクラノ詩が好きな自分にとって、はまじ√はなかなか読み応えがあってよかったし、
はやみアフターは、はやみの健気さや可愛さで結構楽しめました。
なによりはまじ&真紀のお話がエロくてよかったです。

期待していたゆい√は、上記の理由で、まあやっぱり心の底からは楽しめないよなとはわかりつつ、本当に楽しめなかったので残念。
でもHシーンだけは最高でした。また本編と別と思えば本当に最高の出来。足コキありがとうございました。

ひなた√はキツくて断念。嫌いではないけども。