柘榴が至高かと思いきや、ローザという女に感情を動かされまくった。ただ百合乃と翠子に何の魅力も感じられなかったことが残念。ローザの物語だけでいえば95点。全体を通して見るとこの点数。
さんざん市蔵をいじめていたローザが市蔵にやり返されるシーンも大好きなんだけど、
ローザにおちてしまい、自分じゃローザをどうしようも出来ないのに、自分のものにしたいという欲だけで動いている市蔵が醜くて気持ち悪くて大嫌いだから、ローザに刺される√、大歓喜。
お前はローザにとってそれだけの玩具でしかなかったんだよ。ざまあみろ。
こんなにも魅力的な女の子たちに、市蔵、お前なんかが触れられると思うなよ。
まさに「天使の餌食」だった。
ふつふつと市蔵への生理的嫌悪感が増してきて、凄まじかった。
お前なんかに、あんなにも天使のような女たちを扱えるわけがない。夢を見るのもいい加減にしろ。
でも私にも扱えないし、私も市蔵と同じ。それが気持ち悪い。でも同じ。
「あいつも人間なんかに生まれなければ。猫にでも生まれていたら幸せだったのだろうか」
とか言えてしまう市蔵、どこまでも偽善的で自己中心的で本当に気持ち悪い。
ローザが幸せじゃなかったと決めつけ、人間であることを否定して、最悪。でも私もそう思ってしまうので最悪。市蔵と同じすぎる。
「信じる?信じない?」
勝手に信じたのは市蔵とプレーヤー。あたかもそれをローザの事実として受け止めてしまったのは私たち。本当に気持ち悪いね勝手な期待やそれにおける落胆と絶望って。
今までさんざん選択させられてきた「信じる」「信じない」のふたつがここに繋がるなんて、なんていやらしいお話だろうと溜息をついてしまった。だけど嫌いじゃないし、むしろ好き。
百合乃と翠子には何の魅力も感じられず、物語ももう記憶にないくらいだけど、
幼少期百合乃はとんでもなくかわいそうでかわいい。
このなかで唯一、小梅にだけは、幸せだと思える瞬間が誰よりも多くありますようにと願わずにはいられなかった。
一番好きな女は、小梅かもしれない。