先にすば日々をプレイ。私はこの作品に、若槻琴美という存在に救われた。長文感想はすば日々のネタバレを含みます。
私は素晴らしき日々の、特に序章と高島ざくろというキャラクターが大好きです。
が、終ノ空をベースにしているとはいえ、すば日々での高島ざくろの役割は、物語を進めるうえでの装置でしかないように感じており、若干受け入れがたい点があることも確かだった。
彼女が死ななければ、卓司や皆守、由岐は救われないし、あのエンドに辿り着くことはなかったから。
なので、私が好きな素晴らしき日々は序章から(強いて言うなら)3章までで、TRUEは好みではありませんでした。
そんな私にとって、終ノ空はある意味救いの物語だったように感じます。
高島ざくろの選択は、彼女個人の意思によって、彼女のために、あるいは若槻琴美を救うという意味合いを込めて実行されたものだったからです。
メタ的な意味で、卓司や皆守や由岐を救うためのものではなかったからです。
彼女の選択は、彼女のものとして、物語が終わっていることが本当にうれしい。
その後卓司視点で描かれていることはあるし、卓司がメインの立ち位置にいることはそれはそうなのだけど、
終ノ空は、すば日々と違って、「感動」する「フィクション」として描かれていないことが、本当に良かった。
あとは、私では(当たり前に)一生救うことのできない高島ざくろという存在に対して、
優しさや後悔を抱いてくれた若槻琴美に救われました。
本物の高島ざくろに挨拶をして、優しくして、気遣ってくれた琴美のことも大好きになった。
もちろんすば日々を否定しているわけではなくて。
私が美少女ゲームに手を出したきっかけはすば日々だし、すば日々は「物語」として本当に大好きです。
けれど、高島ざくろというキャラクターを特別好きになってしまった今、つらくて3章以降は読めていないし、私の中のすば日々は3章で止まってしまった。
ざくろちゃんのいない世界の話を読むことが出来なくなってしまった。
だからこそ、高島ざくろの死が、高島ざくろのための死であるまま、それ以上を語られることのない終ノ空が大好きなんだと思います。
今そこにいる人物が、自分のために、何かを犠牲にしても守りたいもののために、自分の意志を全うして闘う「終ノ空」が、好き。
この世界を見つめ続けることが正しさだというメッセージをくれたこの作品のことがとんでもなく好き。
当時より少し前に流行した戦士症候群を取り入れたりしていることも、こんな世界がどこかに存在していたのかもしれないと思わせるようで、本当に好きです。(こんな世界あってたまるか)
この原液ドロドロの感じの雰囲気が凄くよかったです。
でもこの評価は、私が最初にすば日々をプレイしていたからで、両方の存在があったからなのも間違いないです。