美麗すぎるCG・音楽・テキスト、すべてが〝素晴らしいつくりもの〟で、それが良くも悪くも自分には合わないのかもと思いました。ただ物語自体はわかりやすく、丁寧で、キャラクターもみんな可愛くて、よい作品だと感じます。
なんだか皮肉のような表現の仕方になってしまったけれど、
この〝美しさ〟は本当に素晴らしいと思います。
本来であれば、イルサのようにかたい意志で死を選ぶような女性が大好きなのですが、
ルクル先生の描く女性には、私にとって重要な何かが圧倒的に足りないなと思ってしまって。
「あなたを愛したまま、生涯に幕を下ろしましょう」
そういってしまう女性が大好きであるはずなのに、何かが足りない。
そのようなキャラはルクル先生の作品に結構いると思っていて(ルペカリとかみまほのみプレイ済)、
それでも、その二作も、面白くはあったけど刺さりはしなかった。
なぜだろうと考えたときに、「あまりに美しすぎる」という点が自分には合わないのだろうという結論に至りました。
その丁寧な文章、美しいキャラデザ、モチーフ・・・、なにもかもが、私の好みではないんだろうなと。
今回のプトリカは、そもそも人間の話ではないので、つくりものっぽく見えてしまうのは仕方ないとしても、この世界を取り巻くすべての要素が〝つくりもの〟然としているところが、私に物足りなさを感じさせているのだろうなと。
これはフィクションなのだから、ここまでの素晴らしい作品であることがそもそも高評価に値するとはわかっていても、癖ではない、刺さりはしない、もう少し自分にとって共感出来る何かが欲しいなと思ってしまいました。
あとは、ここまでくどいほど〝美しい〟と言っているこの世界観自体は大好きでして、
それなのに突然、「らずたん」という名称が出てくるようなちぐはぐさも、私には合わない要素のひとつでした。
キャラ萌えしたい気持ちは凄くあるし、「か、かわい~~~!」とはなるものの、物語が進むにつれ「らずたん」だけが妙に浮いてしまっている印象を受けてしまいました。これが現代学園ものとかなら、そんなことは思わなかったのですが。
プラス、あまりにも短かったためにこの点数で。
決してつまらなかったわけでも、変な点があったわけでもなく、
ただただ、自分が求めているものの好みからはかけ離れているなという点で、この点数です。
それでも次回作はやりたいし、ルクル先生の過去作もやろうという気持ちはあります。
ここまで美しく、確立された世界観で魅力的なキャラクターが沢山の作品は、他に類を見ないほどに素晴らしいなとは、やはり心の底から思っていますので。