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takashimazさんのヘンタイ・プリズンの長文感想

ユーザー
takashimaz
ゲーム
ヘンタイ・プリズン
ブランド
Qruppo
得点
99
参照数
531

一言コメント

キャラを全員好きになった。ぬきたしをやっていたからこその感動も味わえてとても楽しめた。欠点という欠点が本当にない。映画とエロゲが趣味な私にとって、本当に完璧な作品であったし、完璧な救済だった。長文感想は某映画のネタバレを含んでいるので注意です。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

私はこのゲームのもととなっている某映画がトラウマだ。
二回目を観ようとして、トラウマのシーンが来ると思った瞬間やっぱり観ることが出来なかった。

でもノア√でソフりんが主人公とノアに「生きてくれ」と伝えたシーンを見て、
これは作者の、某映画に対するアンサーなのではないかと思った。
そのシーンで凄く救われた。

「生きてくれ」という言葉は、映画の中でアンディやレッドがブルックスに想ったことと同じであるし、
映画を観ている私たち視聴者の切なる願いでもあったから。
十亀を救えなかったソフりんのその言葉が、ブルックスに生きてくれと伝えることの出来ない視聴者の気持ちを代弁してくれているようで、本当にこのシーンに救われた。

アフターの釘谷の件もそうで。
ヒロインや看守たちも主人公に救われてはいるが、一番だれに影響を与えたかって、釘谷だろう。
釘谷は柊一郎がいなければ間違いなく映画でのブルックスと同じ運命を辿ることになっていたと思う。映画でのレッドもそうだったように。


と、某映画に影響を受けすぎているのは、というよりオマージュしたのは間違いない作品だけれど、
その映画を観ていなくてももちろん楽しめる作りである。
むしろ観ていないほうが余計なことを考えずにいられるので、それならそれでいい気もする。私は映画にトラウマを抱えすぎていて、ヘンプリのおかげで救われたけれど。


ゲーム自体はぬきたしで足りなかった部分が見事に改善されていて凄く良かった。
特にHシーン。
前戯からしっかり描かれており、シチュエーションも豊富。アフターストーリーというコンテンツをこれでもかというほど活用していた。
サブキャラとのシーンもしっかりあって満足。
そのおかげで全員好きになった。クソ森とエロデューサーはガチで嫌いだけど。

序盤からずっと妙花が好きだったけれど、
某映画を観ている前提で話すならノア√が刺さったし、
一番グッとくるのは千咲都√だったし、
グランドは言わずもがなの出来。

敵だったものがほかの√では味方になり、逆もしかり、グランドのアフターでは和気藹々とした姿も描かれていて本当に欠点のない作品でした。

最初から終盤まで妙花さんが性癖ぶっささりで大好きだったんだけど、アフターやって変わった。
妙花さんも好きだけど、それと同じくらい、それ以上にシスターが好きだ!

救われなかった場合の主人公を見ているようで、逆に理解のある人間がいればシスターはこうなることもなかったのかなと思うと・・・。
でも、彼女は自分と柊一郎の違いも、自分自身の特性も受け入れてありのまま生きていく選択をしたことは、強いなあと思った。強い女性が好きです。彼女には誰よりも幸せに、自由に生きてほしい。
子供から大人になった柊一郎と同じように、彼女もきっと前を向いて生きていくんだろうなと思いたい。
彼女が幸せに生きていく過程に、柊一郎やヒロインたちがたくさん関わっていてくれるとなお嬉しい。