ChuSingura46+1という物語の完結。本編の持つ熱量は健在であり、FDとしては申し分ない出来だったと思います。
赤穂浪士VS新撰組って、これはもうすごいことですよ。例えるなら江田島○八VS範馬○次郎、全盛期の三沢光晴VS武藤敬二が実現したようなものじゃないですか!
……という個人的な興奮は置いといて、前作からの高いハードルや発売前の期待を物ともしない、素晴らしいFDでした。
正直序盤をプレイしていたときは、無理矢理感漂うシナリオ運びだったり島での生活が若干退屈だったりとかなり地雷くさいなと思っていたのですが、幕末編に突入してからはもうクリックが止まらず、不眠不休で最後まで駆け抜けてしまいました。単純なエンターテインメントとしての面白さだけなら今年一番の出来です。
ライターさんの歴史解釈についてとやかく言うつもりはありませんが、坂本竜馬の不在、新撰組の扱いなど、このゲームならではのアレンジを加えながらもここまで面白いシナリオを書けるとは本当に脱帽もの。このようなアレンジに好き嫌いはあるでしょうが私はこれがこの作品の「味」になっていたと思います。
特に新撰組の扱いには賛否が分かれますね。少女に対する残虐極まりない拷問シーンがあったり、瀕死の重傷を負った長州派の生き残りに止めを刺したりと、このゲームでは新撰組の負の側面ばかりが取り上げられており、これを「扱いが悪い」と捉えてしまう人も少なからずいるんじゃないかな。
しかしながらこのゲームの悪役として見ればかなり優秀であることは間違いなく、こういう描写があったからこそラストバトルが熱い、感動できるシーンになったんじゃないかと個人的には思いました。
また新撰組のメンツは声優さんの演技がかなり光っており、特に近藤勇役の一色ヒカルさんの熱演は鳥肌ものでした。一色姉さん本気出しすぎやでぇ……。
不満点を上げるとするならば、前述した序盤の展開と(サブキャラとのエロシーンに縺れ込むためであろうが)主人公がやたらヘタレであったこと、ハーレムルートがなかったことですかね。最後の選択肢では誰も選ばないとハーレムルートに行くか、今まで名前すら出てこなかった新八ルートに行くのかなと思っていたらまさかの一魅エンドでした。お、おう。
とはいえ新八ルートはクリア後のアナザーストーリーにて見ることが出来ました。これがもう非常に素晴らしい出来でしたね。本編ではなぜかデッドエンド扱いだった新八ルートですが、今回はそのような心配もなく新八を一ヒロインとして据えた物語になっていたので安心。あぁ^~新八がかわええんじゃ^~。
新撰組のエロがなかったことも残念でしたが、そこは次作で新撰組を題材にしたゲームにして補完とかどうっすかね(多分ないと思うけど。