シナリオはメチャクチャだが、日常パートの楽しさは一級品。キャラクターたちの会話がとにかく多いゲームなので、そこを楽しいと思えた人にとってはいい作品になるんじゃないかと思います。
悪い点を上げるならば
・主人公の声と、主人公の声をオフにしても他キャラクターと同時に声を出す演出の時にはボイスがオフにならない点
王子くん自体はあまり悪い主人公ではないと思うのだが、しゃべり方が女々しいことといつもヘラヘラ笑っているのが気持ち悪く、そこにナヨっとしたボイスがついたために気持ち悪さを助長させており結果ボイスを切るという事態になってしまいました。
それでもたまーに「あはははははは!」という笑い声がオフにならずに聞こえてしまうためそこが少し不快だったかな。ショタ顔の設定なんだし、これなら女性声優にやらせてもよかったと思うんだけどね。
・エロシーンのテキストがかなり適当というかおざなり
エロシーンに突入するとやたら擬音が多いというか素人が書いたんじゃねーのってほど幼稚な文章になってましたが、CGが非常に魅力あって可愛いので視覚情報とシチュだけで抜けます。
全体的にエロシーンは少なめでしたが一つ一つが結構濃い目なので、この手のゲームにしてはあまり物足りなさは感じなかったのでそこは好印象でした。
・シナリオのメチャクチャさ
ルートに入ったとたんにテロ組織が出てきたり世界恐慌に陥ったりよくわからない神が出てきたりしますが、これはもうそういうものだと割り切ってしまっていたので個人的にはさほど苦にはなりませんでした。
とはいえりんごルート序盤など、これはさすがにどうかなぁと思ってしまうようなものもあったのでそこはマイナス。メチャクチャであっても常識は守ってほしい。
他にも粗はありますが割愛。ぷりんやヴァレを始めとしたキャラクターたちが非常に個性的でなおかつ騒がしい掛け合いが多く、ここは好き嫌い分かれる点かもしれませんが個人的にはかなり楽しめました。また、騒がしいながらもヒロインたちの可愛さは損なわれていないバランスがとても良くできていたのでキャラゲーとしてはレベルの高い作品だったなと思います。
このサイトでは中央値60点とかなり低いゲームですが、個性的すぎるほどのキャラクターたちのテンポいい会話が魅力のバカゲーという印象なので、そういったゲームを求める方がいたらぜひともおすすめしたいところです。
以下ルートごとの感想
・りんご
経済関係の話はまったくわからないので粗があるかどうかなどわかるはずもなく、その辺はぼーっと流し読みしてスルー。
とにかくりんごが可愛かった。ゲーム開始直後から他ヒロインルートでまで甘えてくる彼女ですが自らのルートではそれらを遥かに凌駕する甘えっぷりでした。
前述しましたが序盤が結構苦痛。ボランティアと称し老人の家に上がりこんで好き放題するのはさすがに……。
・ちの
王子もちのも仲間内では中心になって会話を回すようなキャラクターではないゆえ、主人公とのサシの会話だとあまり面白くないうえに、相変わらず一つ一つの日常シーンが長いため若干の中だるみが。
でもちのが可愛いのでモーマンタイ。そんな感じ。
おまけシナリオでヴァレや実が妹たちとくっついた場合の話とか読んでみたかったかも。
・こころ
ルート中盤の海水浴に行ったときのボーイズトークが最高に楽しかったです。学生時代の修学旅行に行ったときはこんな感じだったなぁと。
ヒロインについてはあまり好みではなかったので特に言うことなし。増えちゃうヒロインという新しさはちょっとよかった。
・ユーリ
一番エロいルート。男の娘が好きなので期待はしていましたが、まさか妹も男の娘で3Pまでこなすとは……たまげたなあ。
公式サイトでは普通に男の娘であることが明記されているので、てっきりキャラクターたちもそれをわかっていながら話が進むのかと思いきやそうではなく、公式でネタバレはしないほうがよかったのでは?と思ったけど、さすがに情報もなく「普通だと思っていたヒロインが実は男の娘でした」というのには嫌悪感を示す人は少なくないだろうしそこはしょうがないですかね。
・ぷりん
トゥルー扱いですがぶっ飛び具合は変わらず。
ぷりんってすげー名前してんなと思ってたけど最後までやって「だからこの名前なのか」と納得しました。いやでもすげー名前なのは間違いない。
ぷりんちゃんは作中でおかん扱いされてるだけあり母性があっておばさん臭くもある、一緒にいてとても愉快だと思えるようなヒロインでかなり好みでした。