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taiki_VAさんのうたわれるもの 二人の白皇の長文感想

ユーザー
taiki_VA
ゲーム
うたわれるもの 二人の白皇
ブランド
AQUAPLUS
得点
95
参照数
1598

一言コメント

PC版無印が発売されてから14年越しの堂々完結

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

まさかのPC版無印が発売されてから14年越しの堂々完結。
無印クリア時には「続きないのかーー!」って思ってやきもきしたが、まさかうたわれ世界をまた堪能出来るとは思わなかった。しかも完全続編で。

無印大好き人間としては思い出補正もあるが、この世界観をまた楽しめるだけで内容がどんなに蛇足でも80点は付けると「偽りの仮面」発売前には思っていた。

「偽りの仮面」自体は良いところで終わったことで、再び無印のやきもき感を味わったが84点くらいは付ける内容だった。

そして本作は点数を見ても分かるように非常に満足度が高い内容だった。
無印が大好きな人は迷わずやれと言いたい。
本当に「うたわれるもの」は本作で完結した。


無印製作時にはそこまで続編構想が無かったと思うから、シナリオ書くのは大変だったと思う。
無印で面白いアイディアは大体やっていると思うし。
それでもここまで膨らませて着地させたのは見事。

また、ここまで描けるのは無印の深い土壌があったからこそで、改めて無印の完成度の高さに感服した。
再プレイしたくなる…。


自分は無印の立身出世物語が大好きで主人公も大好きだった。
なので偽りの仮面ではちょっと話の流れが微妙かなと思う場面が多々あった。
無印はそれぞれのキャラが仲間になる流れが全て逸品で、それ故にそれぞれのキャラ達の絆・繋がりが深く感じられた。
しかし、偽りの仮面では仲間になる過程が適当だったり、緊張感の無い日常・飲み食いシーンが多くてダレる場面もあった。

本作では、そういった帝都での日常が瓦解し地方から話が始まるので読み味は無印に非常に近く、緊張感もあって楽しめた。


そして終わってみると
無印はハクオロが仲間(臣下)を集める物語
続編ではその娘が仲間(友人)を得る物語
といった感じで対比が出来ていたなと思った。


友人を得る話なので、仲間になる過程に生死や義理などはあまり関わらず、一緒にいる間に自然と絆が深まったことを描写するのに「偽りの仮面」で日常シーンが必要だったのだろう。

しかし、「偽りの仮面」で結構尺を取った割にはオシュトルやマロロとの関係がそこまで深く描けていなかったと思う。
そこがしっかり出来ていればもっと感動できたのにと思い残念。


「偽りの仮面」の段階では敵キャラの魅力とか微妙だなと思ったりもしていたが、そこら辺も中々良かった。
特にライコウの思想にはかなり同意でき、それにより魅力的な敵キャラとなっていた。


自分が見たい内容が詰まった大作だった。
制作してくれて本当に嬉しい。



以下、超ネタバレ






























ハクオロの仮面が外れたーーーー!!!
まさか素顔が拝める日が来るとは…。
これが最後のCGで出て来た時に本作で「うたわれるもの」という物語が本当に終わったのだなと思った。

無印の最後のエルルゥが振り向くCGを見てクリア後は、
なぜ振り向いたのか?
ハクオロが戻ってきたのか?
とか色々想像していたけど、公式でその後が描かれるとか本当に感慨深い。

この世界観は大好きなので、難しそうではあるがまた外伝や同世界観での物語が楽しみたいなと思ってしまう。