ErogameScape -エロゲー批評空間-

t_ishikawaさんの13人の麗しきケダモノの長文感想

ユーザー
t_ishikawa
ゲーム
13人の麗しきケダモノ
ブランド
Mink
得点
20
参照数
1977

一言コメント

うーん…

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

よくあるクローズドサークル物。作品内で名前が出ている通り人狼に近いルール
露骨手抜きして作られた作品でない事は分かるのですが、申し訳ありませんが低得点を付けさせて頂きました。

まず第一にルートに関わらず参加者の多数決投票で犯人(以下悪魔)を決めるシステム上(?)、最終日以外の悪魔予想投票は主人公がどう推理しようが他の参加者によって勝手に決まってしまうので
主人公(プレイヤー)の最終日のファイナルジャッジ以外、犯人指名に全く意味は無く、人狼やこの手のミステリーアドベンチャーにおいて一番面白い悪魔を予想する楽しさがありません。

そして上記の理由により、途中の推理パートや聞き込み等が悪魔を当てる上で全く意味を為しません。
悪魔を当てようと聞き込みや会話等を制限まで行ってプレイしていた人間は肩透かしもいいところです。

クローズドサークルのミステリー物に不可欠とも言える色々な情報や証拠を見つけ、悪魔を当てると言う爽快感が無く、悪魔を当てる意味が無いのであれば、もっと違うジャンルにすれば良かったのではないでしょうか?

第二にシーン数の少なさ。
シーン数は17。1日2人死んで行く状況下ですので、エロシーンを沢山入れるのは難しいでしょうが、そもそもミステリー物のゲームとして成り立っているか疑問視してしまう内容ですので、それを理由にシーン数少なくされても言い訳として成り立ちません。
例えばプレイヤー視点となる人物を変更出来る等、マルチシナリオにすれば早期退場キャラも掘り下げる事は可能です。

CGの出来は良く、シナリオも薄い割に悪い出来ではないと思うので、これが低価格ソフトであれば十分満足な出来ですが、
フルプライスでこのシーン数とシナリオの薄さ、あってないようなゲームシステムではこの評価とさせて頂きます。