最狂のネタゲー やりすぎ
92点とかなり高い得点をつけました
でも「感動した」とかそういう感想ではないです
「-closing chapter-」編と「-coda-」編は昼ドラです。ドロドロしています
それを演じるのが主人公の《北原春希》です
《春希》は浮気します、裏切ります、イジイジします。しかも1回の浮気ではなく何回も繰り返す
嘘で固められた《春希》の行動1つ1つがぶっ飛んでおり理解出来ません
もはや浮気がライフワークのごとく。コントかと思うくらいに裏切ります
デジタルノベル「歌を忘れた偶像」を見ると《雪菜》がかなり精神的に病んでいるのがわかります
《雪菜》の恋愛観はもはや狂気。付き合う・別れるとかそんな単純ではない異常性の高いキャラです
この主人公にしてこのヒロインありと言った所でしょうか
極悪の主人公と最狂のヒロインの物語。「WHITE ALBUM2 -closing chapter-」をネタゲーだと判断しました
しかも一発ネタではなく浮気ネタしかない超特化型。どのシナリオもやりすぎレベルなのがこのゲームの魅力です
特に「-coda-」《かずさ》シナリオは一線を越えています
プレイ中、何回も爆笑しました。《春希》の行動を笑って楽しまないとやっていけません
高評価だからって万人向けのゲームではないので注意
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エンディングは10つです
「-closing chapter-」編
■■「-closing chapter-」ノーマルルート■■
★★★★★☆☆☆☆☆ 痛さ50%
「届かない恋」が呪いの歌となり、「-introductory chapter-」編が伝説化されて重くのしかかります
雪を罪の象徴として降らせる演出がいいです
嘘を嘘で固める《春希》のライフスタイルの始まり。次から次へと出るでまかせ発言は芸術的なギャグです
悪友キャラの2人も何故かで《春希》を庇っています。一見まともそうにみえてこの2人も狂気の世界の住人
《雪菜》が面倒くさくて、色々と酷い
■■《杉浦小春》ルート■■
★★★★★★★★★☆ 痛さ90%
最初は親友の恋愛絡み。中盤は誠実さがどんどん壊れていき「どうしてこうなった」
《春希》の近くにいればどんなキャラだろうと壊されてしまうということなんでしょう
ゴールが見えない破滅話なので痛さは「-closing chapter-」編では一番高いです
テーマを詰め込みすぎてちょっと失敗していますね。《小木曽弟》を含めキャラを使いすぎです
最後は《雪菜》としっかり決別したのはポイント。《雪菜》の(狂った)愛情はやはり強い
■■《和泉千晶》ルート■■
★★★★★★★☆☆☆ 痛さ70%
スタンダードな浮気シナリオか?と思ったらもう1ルートあります
「届かない恋」を使った演劇シナリオには素直に騙されました
「-closing chapter-」全体でシナリオ自体が面白いのは《千晶》シナリオだけです
ゴールも《千晶》の心理描写もわかりやすくて楽しいシナリオ
結局、《千晶》では《雪菜》の狂気は演じきれなかったと(笑)
「痕~きずあと~」ネタもよかったです
■■《風岡真理》ルート■■
★★☆☆☆☆☆☆☆☆ 痛さ20%
このゲームで唯一楽しめなかったルート
浮気ネタが突き抜けたものがなく、《真理》さんは中途半端に理性があるから狂気の世界に入りきれていない
恋愛よりも仕事優先が最後まで崩れないキャラなので面白くはないです
《かずさ》に似ている発言も・・・あまりキャラとしても好きじゃない
《雪菜》との直接対決がないのも大きなマイナス点
■■《小木曽雪菜》ルート■■
★★★★★☆☆☆☆☆ 痛さ50%
《雪菜》面倒!!!間違っている私を肯定してと言われても「無理」です
《春希》の暴走は消え平謝り連発で何とか許してもらおうとする話
とりあえず音楽やっていれば気は変わるよということなんでしょう
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「-coda-」編
■■「-coda-」ノーマルルート■■
★★★★★★★★☆☆ 痛さ80%
ここから《かずさ》編というくらい《かずさ》中心になります
《雪菜》が成長???したのに対し《かずさ》は5年前から全く成長していないというのがポイント
小動物化した《かずさ》をじっくりと描いて魅力を高めています
大阪出張はドロドロしすぎて楽しい。本当にこのゲームは破滅に向かうのが好きですね
■■浮気ルート■■
★★★★★★★★★★|★★ 痛さ120%
《かずさ》の魔力が《春希》を完全に壊していく物語。浮気というか本気(笑)
《春希》壊れっぷりが物凄いです
「これ《雪菜》が《かずさ》に勝つのは無理でしょ」と思わせるに十分なシナリオ
それでも《春希》を選ぶ《雪菜》は2年前から成長したなぁと
■■《冬馬かずさ》ルート■■
★★★★★★★★★★|★★★★★★★★★★ 痛さ200%
一線を越えた極悪シナリオ
《春希》が気が触れて暴走します。今まで35時間以上積み上げてきた「WHITE ALBUM2」を完膚なきまで壊します
彼女、会社、親友と来て《小木曽父》まで出てきたときは「もうやめて《春希》のライフは0よ!」気分
どのキャラも叫びます。声優さんの名演技が光ります
笑いすぎて終始お腹が痛かった。丸戸さんやりすぎだ・・・
《北原春希》の駄目主人公殿堂入りに値するシナリオ
■■《小木曽雪菜》ルート■■
★★★★★★☆☆☆☆ 痛さ60%
とりあえず音楽やれば解決する第3弾。三番煎じのシナリオ
恋愛が決着する前に、《雪菜》とヒロインが直接対決するのは実は初めてだったり
社会人を舐めている無茶スケジュール、ピアノを舐めている《かずさ》を深く考えてはいけません
最後まで「《春希》は《かずさ》が好き」。これで恋愛決着ついたと言っていいのだろうか?
《冬馬曜子》さんが泣くシーンはお気に入り
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駄目なところもいくらか指摘しておきます
●絵
大作ゲームにしては絵が少し残念です。村様の絵はこんなに駄目だったっけ?
草薙の背景に対し、LeafスタッフのCG塗りがついていけていないように感じました
●音楽
ボーカル・インストを除くと実質25曲です
歌は多いけどBGMはそこまでは多くない
音楽にこだわったゲームだけあって、後半は曲数不足が目立ちました
●細かい時系列入れ替え
《真理》さんエンディングとか《かずさ》ルートのコップ割りとか
思わせぶりなシーンでプレイヤーを引き寄せて、実はこうだったパターンが多いです
時系列順に話が進む場面は少なく、毎回小トリックを仕込んできます
それが効果的になっている場面もありますが、2作合わせて46時間ゲームで何十回も繰り返すと飽きてきます
丸戸氏のテキストは最高ですが、シナリオ単位で見ると毎回気になっている要素です
最後に、
「-coda-」《雪菜》ルート終盤の《春希》の告白より
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春希
「俺の命を捧げます。
…自由に使ってください」
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やっぱりWHITE ALBUM2は狂気ゲーだっだ(笑)