非常に勿体無いな、と感じた。コースメニューで、メインはすごくおいしいが、それにいたるまでの前菜があまりおいしくなくて、全体として捉えたときに微妙といわざるを得ない、という感じの作品だった。
個別ルートが超展開すぎる。このゲームの問題はそれにすべて集約されるだろう。
多少矛盾がある部分もあるように感じられはしたが、設定はうまくシナリオで用いられていたと思う。わざわざ時間が変になるとかいう設定を作らずに普通の恋愛ものでもよかったと思うが、こういう変なジャンルのほうがキャッチーなのだろうか?
BGMも大げさな部分や改善点は多少見受けられるが、及第点だろう。
また、登場人物もキャラが立っていて、魅力ある描かれ方をしていたと思う。
たまにCGがおかしくなっていたのは気のせいだろう、きっと。
そして、メインシナリオは面白かった。今までの伏線を一気に消費して進めていくのは爽快感がある。
だからこそ、そこに辿り着くまでの通過点である個別ルートをちゃんと作っておいてほしかった。共通ルートであれだけ二人中心だったのが、ほとんどフラグを立てることもなく、突然個別ヒロインとくっつき、設定をご都合主義的に消化していくというのは流石にありえないだろ、と思った。
リトバスの時にも感じたが、最終的に他のすべてのシナリオがメインシナリオへの伏線で、そのメインシナリオが面白いものだったとしても、そこに辿り着くまでにプレイを放棄させるような作品ならそれは多くの人にとって駄作になる可能性があるということだ。折角作るなら最初から最後までちゃんとプレイしてくれるようなものをお願いしたい。
最初からFDを作る気があったのかどうかは知らないが、FDなしで十分面白いのでFDでどういった話が語られるのか楽しみである。