御伽噺のように純粋な物語。暖かい感じの原画とすばらしい背景、雰囲気に外れない優れた音楽によって紡がれた作品。群像劇という形によって登場人物たちの心情をうまく描き出していたところもよかった。
普通のゲームにおいてヒロインの細かい心理状態などを知ることは出来ない。というのも基本的に主人公の視点からでしか物語を進めていかないから。
全てを知ることが決していいことだとはいえない。しかし、物語と言う観点から見たとき、多くのことを、多くの感情を知りうるということはそれだけ物語への理解が、愛着が深まるということにつながるであろう。そういう意味でこの群像劇という手法をもっと取り入れた作品が出て欲しいと思った。
「物語はココから始まる」。最初何を言っているのか分からなかった。最後理解したとき胸が震えた。物語はココから始まったのだと。
登場人物すべてが無駄な存在でなく特定の役割を演じるために配置され、完成された領域で調和し、その中で物語を紡ぐ。これこそが物語の理想形だと思う。
最近純粋な物語と言う形のものが少なく、泣きや萌えを追求しているものが多い中、ここまでの作品を作ったものがいて、そしてこの作品に出会えた偶然に感謝したい。
けど、萌えなかったか?泣かなかったか?ときかれれば、ココに萌えてアインとデュアで泣きました。ココ可愛すぎだろ。是非商品化して欲しい。そしてアインとデュアは月並みな言葉でしか言い表せない自分が悔しくなるくらいかっこよかった。
こういう作品に出会えることが在るからパソゲーをやるんだと再認識できる作品でしたね。