三部作の最後として良い締め方でした。
ブランエールの種についてですが、意外に早く終わったので少しシナリオのボリュームが物足りないなぁと最初は思いましたね。
しかし、これ以上オスロの話を延ばしてチンタラチンタラ・・・眠くなるようなシナリオを読まされるよりはスパッと切ってスパッと締めてくれる方がスッキリしていいのでこれでよかったなと思います。
一姫と雄二が脱出に成功し、対面するシーンは思わず涙が零れました。
傍からみれば別に泣ける場面でもなくね?って思うかもしれませんが、自分は一姫に対しての思い入れがかなり強かったので自然に涙が出てきました。
それと一姫が何事もなく、無事でいてくれたことにホッとしました(身体的な意味で)。
アフターで急にスポンってマジックハンドを抜いた時は思わず「ええええええっ!?」って声出ちゃいましたね・・・w
まあ、そういうドッキリを仕込んでくるイタズラ心のある一姫が好きなんですけどね。
ブランエールはフランス語で白い翼。
作品内でも出てましたが、自由へ向かって飛び立つための白い翼ですね。
その種を少女達は受け取る(雄二がこれは偽善、自己満足と分かっていながらも苦しんでいる少女達に手を差し伸べ、救い出す)。
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そしてすくすくと育ち、果実が実る(少女達は最初こそ雄二に協力してもらいながらも、一所懸命に自分の力で立ち上がる)。
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その果実は迷宮に彷徨いし少年を捉え、楽園へ導く(雄二自身が過去に行った罪は永遠に消えないというのを悟りながら唯一の心の支えであった麻子という寄り場を失い、少女達を救ったという満足感で生きる希望も薄くなり、生と死の狭間である暗闇の中を彷徨い続けるが、少女達は雄二をその暗闇から救い出し、皆と共に楽園を目指す)
・・・簡潔に表現するとこういう感じでしょうか。
ヒロインだけでなく、雄二自身が自由というものを手に入れなければこの作品は完結したことにならないでしょう。
そういう意味では、本当によくまとめてあるなと感心しました。
コメディ要素も豊富で、みちるという存在がただの役立たずバカではなく、集団においてどれだけ重要な存在であるかということを教えてくれましたね。
果実の時に雄二が『正直、みちるはアホである事は間違いない。だが、こいつは間違いなくこの場に必要なアホだ』と言っていましたが、楽園をプレイして改めてその意味をよく噛み締めることができました。
グリザイアシリーズは今回で完結ですが、次回作にはとても期待しています。