アンドロイド×幽霊の異質な設定と世界観が魅力的、物語に対して抱く感情は納得が大半を占めるので驚きや新しい価値観を求めると読了感に物足りなさを感じやすい
科学と未来の象徴であるアンドロイド、迷信と過去の象徴である幽霊を組み合わせると言う異質な設定が興味深く、世界観に引き込まれる背景などのビジュアルから掴みは良い。
主人公のダアトがアンドロイドであることから明確に性別を決めずに無性にしており、男性体と少女体をスイッチすることで展開が進む。Hシーンにもこの設定が生かされている。
OPムービーまでの短い内容で自然に世界観や主人公たちの置かれている環境を理解できる構成になっており、その後はすぐにダアトとビナーが結ばれてHシーンを挟んだ後は本題に入っていくことになる。
そこから最後まで退屈することなく、一気に読ませる文章となっているのは流石だと思った。個人的に内容に不満はない。不満はないのだが、どこか物足りなさを感じてしまった。
よく考えた結果、私はこの物語に対して納得できている状態でプレイはできていたが、途中から姫子の正体にも予想がついていたことから、驚きがそこまでなかったように思える。
世界観の説明が多いことから、それを含めて平坦な展開が多かったため、読者に衝撃を与える内容がもう少し欲しかった。
物足りなさについて言葉にするのが難しいが、もう少しスパイスや刺激が効いていたほうが良かったかもしれない。
しかし、ムーン・ゴーストは完成された作品ではあると思っているので、加減を間違えれば上等な料理にハチミツをブチまけるがごとき思想になりかねない。あくまで自分に合わなかった部分があったと言うことで感想を終えたい。