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superunkoさんのランス10の長文感想

ユーザー
superunko
ゲーム
ランス10
ブランド
ALICESOFT
得点
19
参照数
4608

一言コメント

戦闘バランスとシナリオの整合性を完全に放棄している

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

ゲームとしては1週目から2週目の途中までは楽しめるが、周回前提の仕様であるにも関わらず、周回の手間がかかりすぎる。

強大かつ複数いる魔人を倒していく展開は燃えるものの、どの魔人を倒しに行っても魔人と戦闘するも強くて倒せない→1回逃げて弱点探す→魔人倒すというパターンしかないうえ、魔人を倒すたび難易度が同じだけ上がるため、弱い魔人から倒すとか、強くて倒せなかった魔人がようやく勝てるようになる、ということがない。
魔人との初戦闘で倒すこともできるが、それをするには強力な周回ボーナスを複数取得しなければならないのに、周回にはやたら時間がかかる。
攻略サイトを見て分岐ポイントでセーブデータを保存しておけば手間は大分減るものの、そうしないとEDの分岐条件もわからないのに周回をひたすらやらなければならない。

かといって、正攻法で1ターンに1体ずつ魔人を倒していくと、いずれかの国が壊滅してしまい、どの魔人を助けるか、どの国を助けるか、という選択があるので自由度が高いように見えるが、実際は毎ターン魔人を倒さざるを得ず、更に魔王探索といったこなさないと問答無用で終わるイベントまであるため、自由度はかなり低い。

周回に関しては自動戦闘にしてくれるメイドがいるため、こいつを入れれば手間は減るものの、なぜか主人公と入れ替えなため、自動戦闘できない強敵が相手だと毎回主人公と入れ替えなければならないし、戦闘エフェクトは最速に設定しても最速ではなく、実際はctrlキーを押している間しか最速にならない。
とにかく、周回を意識したであろうシステムとバランスがすべて裏目に出ている。素直に1週でクリア。引継ぎはなくても2週目で真EDが解放される。といった形なら面白かっただろうに非常に残念。
なんで周回するたび遺跡から始まってカラーの森を救いに行かなきゃならんのか全く意味が分からない。


シリーズ最終作だがキャラゲーとしても非常に残念。
まだ入手していない=戦闘に参加できないキャラが会話にどんどん出てくるし、あくまでそこはゲームだからと割り切ると、今度はシナリオで攫われたり、死亡したキャラが戦闘に参加できなくなる意味不明さ。
本シリーズにおいて主人公が強い理由の一つだった、レベル制は廃止され、経験値を入手するとランクが上がって強くなります!ってあほか。レベルをランクに言い換えただけじゃねーか。

人類側の貴重な魔人対策のリトルプリンセス&健太郎コンビは相変わらずうざいだけで、戦国の頃から何も成長していない。おまけに今回は数ターン見逃すと速攻でバットエンドに行かれる罠が付いてくる。あほか。
アリオスは久々の出番だが、糞の役にも立たないうえこいつも理不尽なバッドエンドの罠を持っている。なんでそこまでバッドエンドに持っていきたいのか。

第1部の終わりはシィルの死亡と魔王の覚醒という何ら関係のない悲劇が2個も起きて非常に後味が悪い。
一応、それらは第2部で解決されるものの、第2部自体が極めて質の悪い二次創作のような出来。
ランスの息子たちの魅力の無さもひどいが、ご都合主義的な怪獣やすべてはクルックー&鯨の掌で踊らされてただけでした。という展開はあまりにひどい。
なぜ鬼畜王で出来たことが出来なくなっているのか理解に苦しむ。