システム大幅進化のダンジョン構築防衛SLG。魔族を孕ませ部隊を強化だ!!触手もあるぞ!!
システム A+
まず続編として「前作の問題点を改善する」という基本的な部分を抑えているのに好感が持てる。
中でも一番のポイントは「エンカウントバトル」
前作最大の不満点だった「せっかく沢山ユニットが手に入っても使わない」という問題を見事すぎるほど見事に解決しています。
これがあるからこそ新システムの産卵による「汎用ユニットの強化、差別化」も生きてくる。
これだけでも十分な進化なのにABYSSでは他にも多くの要素が追加されています。
「ダンジョン構築」は前作の簡略すぎた内政要素を強化し自軍の成長の方向性をよりコントロール出来るになったし
「迷宮魔法」「武具アイテム」など戦略資源の振り分けにも選択肢が増えている。
ゲームそのものも面白かったけど発売前から「面白そうだなぁ」と楽しみに待たせてくれたのがスゴく良かった。
ただ新要素満載なだけに練り込みに関しては甘い部分が結構あります。
産卵は運任せの要素が強く、欲しい技能や能力が出るまで繰り返しリトライ。
種族決定後の追加シードである程度方向性をコントロール出来たら嬉しかったな。
デーモンシードを追加したら必ず魔族活性と遠隔攻撃のどちらかはつくとか。
迷宮魔法等の資源配分も消費資源である資金や魔力、フォースが構築、治療、戦闘という重要項目とバッティングしていて使い難かったのがバット。
「色々と出来るようにはなってるけど効率や戦略を考えると実は選択肢は殆どなかった」になってしまってる。
例えば部隊指示に「傭兵」「建築」「探索」「治療」なんかがあれば内政要素の一部を担当させることで
ダンジョンを財宝の間だらけにしたり、研究所だらけにするんではなく死に要素になっていた迷宮等の建築物にも出番が来るかもしれない。
それと拡張フロアはもう少し属性つけて欲しい。部屋の大きさだけじゃ最良が決まってしまうので
「このフロアでの戦闘地形は自動的に海となる」とかあれば前作大活躍だった兵士運搬も復活するんじゃないかしら。
あと敵本拠地での戦闘で戦うメリットが無いのは気のせいかしら。
自軍ダンジョンに引き込んだ方が絶対有利な以上「敵本拠地での戦闘で撃破すればボーナス」とかあってもいいよね。
これまた相手本拠地が海になってる場合、自軍まで引き込むか、攻めるなら兵士運搬スキル持ちを入れた編成に組み替えるかと選択の楽しみが出来る。
最後にユニークユニットのパワーアップ。もうちょっと条件が軽くてもいいんでは。最高難易度をクリアした後で強くなっても仕方がない。
1週目攻略なしロウルートをクリアした場合に見落としてた際のダメージも大きいし単純にルートクリアで強くなるで良かった。
シナリオ A-
壊滅寸前の魔王軍を軍師となって救うという立身出世と並ぶ王道展開。
ヒロインも魅力的だし「人間の魔族の共生」という一本の筋が入ってるのもいい。
もうちょい謎や伏線入れて「各ルートをクリアして初めて分かる真実」があると周回プレイの励みになったかも。
今回、悪墜ちがないと聞いて差分会話用意しなくて済むパワーがNルート実装にいかないかなぁと夢想してたけど残念ながらそれはなし。
やりこみ要素に気合いが入ってるだけにルートは多いと嬉しい。
ノーマルでロウルートをクリアしてハードでカオス、ベリーハードはニュートラルとかは頑張れるんだけど
いっかいクリアしたルートをそのんまんま高難易度プレイってのはライトユーザーなもんで厳しい。
総評
今年プレイした「遊べるエロゲー」の中ではトップクラスの出来でした。
何よりいいブランド特有の「次回作も面白いソフトを作ってくれる」と信頼できる進歩の内容。
触手というコアジャンルのために手を出してない人は多そうだけど、ゲーム好きなら要チェックの作品ですよ。