出されたケーキを何も考えず味わえば良い、そんなゲーム
かわいい女の子たちのふわふわした空間にただただ身を委ねるだけで良い、
アロマセラピーを受けているかのようなゲーム。
この手のゲームはエロゲ初心者におすすめという評価をよく見かけるが、
壮大な世界観設定で~異能の力で世界を救って~ヒロインが死んでお涙頂戴~
みたいなエロゲに疲れた人が行き着く終着点かもしれない。
むしろそういう層におすすめしたい。
シナリオはテンポ良過ぎるくらいサクサク進み、
とにかくヒロインを120%可愛く動かす事に特化されていて期待通りの内容。
ほっこり甘い恋のADVに偽りなし。
ルート分岐は実質選択肢一つ次第でご丁寧にキャラを選ぶだけなので頭お花畑でプレイしてても安心。
シリアスな要素も、ミルフィーユを彩るちょっと酸っぱいラズベリーソース程度のもの。
主人公の精神年齢が高めなのも相まって、ストレスフリーにテキストが追える。
エロシーンに実用性があるかは人により微妙かもしれないが、
気持ちの変化や行為前後の恥じらう様子であったり、
あくまで「ヒロインの可愛さをより引き出すための一幕」だと思おう。
余談a.
氷織ちゃんと一緒にお風呂のシーンで背中を流す時、
SEがたわしで風呂掃除してるみたいな音だったのはさすがに笑いました。
余談b.
エピローグにて明かされる主人公の存在で若干ファンタジー要素を盛り込んでいるが、
あんな顔した親父から氷織ちゃんが生まれてきた事が一番の奇跡なのでは?
「ショートケーキの作り方を知っているか。実は奇跡のような存在で、作り手の所作を映し、下手をすればただの砂糖の塊」
「あんたも私も、ちょっとした幸せを届ける仕事をしているだけ」
この辺りのセリフにシナリオライター、引いてはゲーム制作に携わる者としての人生観のようなものを感じた。