俺には必要。それだけ。
ある友人に勧めた。何がいいのかわからないといわれた。
いかに面白い説明してもあまり伝わらなかった。
また違う友人はツイッターでつぶやいた。
この程度のもので×本売れるんなら俺にも作れるな。
おそらく売れている理由を理解していない。
商業レベルでない。商業に失礼。そんな声も聞こえる。
それならそれでいい。実際そうなのかも。
でも、どうでもいいです。俺には必要だから。
リツイートが回ってきた。一目惚れだった。火傷跡と目つきがかわいい。
処女厨なので、処女じゃないと嫌だと思った。
そのリスクがあってもプレイしてみたいと思った。
ダウンロード販売は嫌いだが、渇いて渇いて買ってしまった。
最初から優しくした。でも死なせてしまった。
ロードしてやりなおし。キーっぽいイベントのたびに
セーブしておいてやり直し。やり直しが聞く人生最高。
どうやら、死亡ルートは回避したらしい。胃が痛かった。
展開的に結ばれるらしい。処女だった。ありえないくらいの至福。
ご都合主義的な満足感。
ガリガリな子なのに、どんどん淫乱になっていった。
笑ってるとかわいいのに、こんな変な顔しやがって。でもそこが愛おしい。
最初は撫でても何も理解してくれなかった。
実際の人付き合いなら、俺は匙を投げる。めんどくさい。
でも、コレはクリックするだけ。数分もあれば懐く。
撫でる。可哀想なことをいう。かわいい。
撫でる。辛かったことをだんだんとうちあけてくれる。かわいい。
撫でる。幸せそう。かわいい。
なでなでだけで一日が終わる。
服を買ってやった。衣装店の女性の職業人として買わせないわけにはいかない。
というようなセリフが印象的だった。
すごい喜んでくれた。また買い与えた。
正直オタクが好きそうな服だと思う。
現実の女性はこんなにすぐ着てくれるのだろうか。
センス云々を否定されるかもしれない。でもこの子はなんの疑いもなく
着てくれる。喜んでくれる。
自分からみてイマイチだと思えば、何度でも着せ替える。
彼女に服を買ってあげるのが楽しい。
いくら服を買っても一切出費がないのがすばらしい。
現実では休日でも金のために駆けずり回ってて忙しかった。
つまらない週末、そのロスタイムにちょっと彼女に会いに行こう。
ゲーム内で一日中、彼女をなでなでする。一日分の充足感。
今日も悪くない一日だったのではないだろうか。
話は突然飛ぶが、俺はペットというものが嫌いだ。
奴らは野生から退化している。一匹では生きられない。
それに餌を与え世話をするなんて、野生に対する冒涜だ。
神様気取りか。
それとも、小さな野生の生殺与奪を司ることがペットを飼うことの
本質なのだろうか。
俺がこのゲームをとてもおもしろいと感じるのは
ペットを飼ったことがないからかもしれない。
彼女はペットよりもお手軽だ。餌を定期的に与えることもない。
与えたいと思ったときに与えればいい。
世話もしたいと思ったときにすればいい。愛でたいときに愛でればいい。
餌や世話代の出費も現実にはない。課金やサービス終了のリスクもない。
彼女は人語を喋る。性行為も可能だ。これほど完璧なペットがいるだろうか。
ひょっとしたら、これこそがペットを飼うのと奴隷を飼うことの
違いなのかもしれない。
彼女は見た目も愛おしい。
人を信じないような瞳が今では俺のためだけに輝く。
火傷跡は人には見せたくないものなので、思うに火傷跡は性感帯なのだ。
二次元の火傷跡は醜くなく、膣のように美しい。
俺は外出するときは、彼女にできるだけ肌が隠れる服を着せる。
なぜなら、こんな美しい火傷跡を他の奴なんかに見せたくないからだ。
あ、傷跡なの?これ。
見た目を気に入るようにしたいならメイドかレイドをカスタムすればいい?
それこそ何も理解していない。
この奴隷は俺がRay-Kbysという商人から買ったものだ。
彼女を誰かに売りつけることなんて絶対にしない。
こんな最低な考えの俺でもシルヴィは俺を必要としてくれる。
俺のいうことを無条件で聞いてくれる。俺を温かいと言ってくれる。
他人の評価なんて知らない。販売者が満足した値段で売ってくれて
俺には必要で、彼女も俺が必要だ。それ以上何も必要ないじゃないか。
点数はもっと違う彼女をみたいからこの点数だ。
まだ、よくなる余地がある。
今思ったが、これは童貞の俺のなけなしの父性なのかもしれない。