乙女理論とは
りそなルートはすばらしかった。一山も二山もあった。
上の兄の葛藤、嫌がらせの犯人、従兄弟とも戦って倒してやったし
華麗なる一族が抱える問題も解決した。最優秀賞もとった。
何よりもエンディングの遊星とりそなが美しかった。
これこそが、乙女理論とその周辺としてみせたかったものだろう。
メリルルートは華麗なる一族という我侭一家に対して
純粋な新しい家族の「おじいちゃん」の一言で全てが氷解する様が痛快だった。
ブリュエットルートはあまり評価されていない。
正直、本命は鈴平キャラを一人憎まれ役に投下することで濃度を増させた
りそなルートだったのだろう。
だが、ブリュエットルートには乙女理論とその周辺を読み解く
重要なヒントが隠されているような気がした。
朝日をフェラしようとしているブリュエットのセリフを一部抜粋したいと思う。
「そう。私は白馬の王子様なら好きではないけど、女の子同士が水辺できゃっ
きゃと水を浴びせあいながら次第におふざけが高じて、お互いの体に触れ
あったりするような肉体的恋愛に憧れるよ」
「自分を物語の一員とした恋愛に憧れるのは趣味恋愛と言ってね、
割と女の子では一般的な感覚だと思うんだ」
「みんなの知る朝日は女の子だ。それも清純な部類の。ちなみに私だって今で
もそう思っている。」
「つまりこの背徳感は私にとっては至って美しいものであると、そういうこと
なんだ」
まあ要約すると、朝日は女の子だから問題ないよねっ!という話なのだが、
少しゲームを俯瞰してみて貰うと、小倉朝日はもう、ヒロインを食ってしまうような
人気を博している。だが、さらに俯瞰して考えて貰いたい。
小倉朝日って、ルートによってコロコロと相手を買えるビッチなんじゃね?
ヒロインがビッチであろうものなら、親愛なる萌えゲーマーの諸君には
胃痛がするほど、拒絶する人もいるだろうし。(私です。)
少なくとも人気は出なかったような気がする。
では小倉朝日にはなぜ人気があるのか。
女主人公で冒険に出るゲームにはライアーソフトのゲームや
凌辱ゲーの主人公がすぐ思いつくが、前者は萌えゲーマー諸君の触手には
反応しないと思うし、後者は途中から正真正銘のビッチになるケースが多い。
少なくともタペストリーは出ないだろう。
これは、前述した趣味恋愛とその周辺の話題と絡ませれば、
相手が男であるため、穢されるという思考が働くのかもしれない。
趣味恋愛のその周辺の話題を小倉朝日にあてまはめてみると、どうだろう。
小倉朝日が相手をするのは女の子、小倉朝日も女の子。
つまりこの背徳感は至って美しいものである。朝日は永遠に処女。
という、思考が働くのだろう。
ゆえに朝日の行為はビッチではなく、至って美しいものである。
処女性というか童貞性、プレイヤーがヒロインをとっかえひっかえできないようにする。
という発想でつくられたゲームを、いきなりニトロ爆弾をぶつけてくるような
とんでもないメーカが作ったらしいが、それとは真逆の結論である。
お前らヒロインに処女処女いうけどな。ヒロインとっかえひっかえする、お前らって不誠実な。
という、なぜかエロゲ業界内から発せられたバッシングに対して
私たちは、美しいものを盲目的に見ているだけなの。という回答。
自分を物語の一員とした恋愛に憧れる、心に永遠の処女性を秘めた女の子を飼っている
僕たちの妄言としてはこのぐらいが丁度いいのではないだろうか。