あるいは三角関係の物語、あるいは失恋の物語
恐らく、WHITE ALBUM2 ~closing chapter~は
賛否両論分かれる作品になるだろう。
普通、三角関係というと二人が一人に近づこうとして
一人が二人のうち一人を選び、一人があきらめて物語が成立するが
WHITE ALBUM2 ~introductory chapter~は
三人が皆近づこうとした結果、三人とも離ればなれになってしまった物語。
こんなキレイな方程式を描けるのは不勉強な自分は丸戸史明以外知らない。
しかし、丸戸史明というライターの琴線に触れる能力は恐ろしい。
客観的にみれば、学園のアイドル二人を独り占めにした挙句
両方とも傷つけた主人公の物語をプレイヤーは
許すことはできないはずだ。しかし、今作では
WHITEALBUMやSOUND OF DESTINYと言った「俺たちだけの懐かしい曲」
でストーリ序盤は小木曾雪菜のこと好きにさせ
後半から冬馬かずさの健気さを演出することにより
(自分はビジュアル的に黒髪ロングが好きなせいもあるかもしれないが)
冬馬かずさを好きにさせることによって
プレイヤー自身の気持ちを雪菜からかずさに移させることにより
プレイヤー自身の気持ちを浮気させる。
さらに、主人公自体は最初からかずさのことが好きだった。
という主人公の気持ちに対するフォローを入れる。
こうして強引にもプレイヤーは浮気してもしょうがないよね。
どうしてこうなっちゃったんだろうね。
という気持ちにさせられるわけである。
普段、主人公の声がHシーンに流れるなんてありえない。
と力説する自分がかずさとのHシーンではしっかり右手を動かしていたり
するわけである。どうしてこうなっちゃったんだろうね!
さて、丸戸の話はこのくらいにしておいて
このゲームはWHITE ALBUMなのである。
WHITE ALBUMといえば
アイドル、浮気、三角関係、失恋
大学生活の甘い罠、大人とのゴタゴタ、そして修羅場の作品であると
自分はおもっているのだが、本作では
アイドル、三角関係、失恋の要素は十分に描ききっていると思う。
とすれば、WHITE ALBUMとして他に外せないシーンがあるとすれば
浮気、大学生活の甘い罠、大人とのゴタゴタ、そして修羅場だろう。
どう考えても一般受けしねぇのである。
しかしそこは丸戸史明の腕の見せ所。きっと俺たちに
浮気して大学生につかまって、大人とゴタゴタした結果、
修羅場っても仕方ないよね。
どうしてこうなっちゃったんだろうね。
という気持ちにさせてくれるだろう。
しかも、WHITE ALBUM2は丸戸史明のWHITE ALBUMなのである。
丸戸史明といえば、もうここまで丸戸丸戸とおっさんの
名前の連呼にもかかわらず、読んでいただいた聡明な
丸戸信者であれば応えられるだろう。
そう、丸戸史明といえば、「昔の女」である。
えっと、キョトンとした人置いていきますよ。
義務教育やないねんからね。
かつて丸戸史明は「ダイスケハアタシンダー」や「ショウガナイナー」と
いったスーパーロボットを駆使することによって
昔の女なんぞいるはずもない僕達に昔の女という幻想を見せてくれたわけだが
次回作には正真正銘「昔抱いた女」や「別れた女」が登場するのだ。
(脳内で、とは付け加えないほうが楽しめると思います。)
ということはかつての「ダイスケハアタシンダー」や「ショウガナイナー」
を超える怪物が登場しちゃうのかもしれない。
もう、とんでもないキュンキュンな名言残しちゃうのかもしれない。
何をいいたいかというと、最終的にはかずさを幸せにしてやりたい。
といった妄想を垂れ流しちゃうくらい今作はいい冒頭部でした。
こんなに、俺エロゲーにまだ情熱もやせたんだな。というくらいの集中度。
もう、どうなっちゃうんだろうね。