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sts02083さんのましろ色シンフォニー -Love is Pure White-の長文感想

ユーザー
sts02083
ゲーム
ましろ色シンフォニー -Love is Pure White-
ブランド
ぱれっと
得点
83
参照数
1149

一言コメント

当たり前のことを詳しく描く作品

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

2010年現在のエロゲーの風潮として、シナリオが面白い作品を
作るのが重視され、洗練された文章や奇抜ないし斬新なストーリーが
「おもしろいゲーム」として位置づけられているような気がします。

印象に残るゲームを作ろうとするのは当然ですし
自分も前述のようなゲームも好んでプレイします。
それ自体は悪いことではないと思います。

ですが、その作品のうち恋愛ゲームと呼べるゲームは何本存在するでしょうか。
エロゲーにゲーム性、エロさを求めてプレイし始めた人も多いと思いますが
恋愛アドベンチャーゲームとしてのエロゲーに期待して
プレイを始めた人もいるはずですし、自分がそうだったりします。

最近の恋愛を描いたゲームに自分が不満な点は、
・ファーストキスとHシーンが一緒の作品が多い
・処女童貞の描写が皆無もしくは薄い作品が多い
といった点にあります。


このましろ色シンフォニーというゲームはシナリオにバラツキは
ありますが、これら二つの不満を解消してくれる作品でした。


まず ・ファーストキスとHシーンが一緒の作品が多い
という点について。
私は恋愛経験が乏しいためか、順を追ったしっかりしたお付き合いというものに憧れます。
ましろ色シンフォニーでは全ルートファーストキスとHシーンが分けられています。
中でも特筆すべきは愛理ルート。
このルートでは
出会い→お互いを意識する→友達になる→呼び方が変わる
告白→家族へお付き合いの報告→手を繋ぐ→初デート→腕を組む→
おでこにキス→ほっぺにキス→ファーストキス→
フェラチオなどの性行為→初体験
と、恋人の手を握る強さまで緻密に描かれています。

次に、・処女童貞の描写が皆無もしくは薄い作品が多い
という点について。
この点については主人公とヒロイン両方とも童貞、処女であるだけでなく
ファーストキスもまだという徹底がなされており
全ルート通じて童貞喪失シーンで一度失敗するという、初々しさを演出しています。
この項で特出すべきはみうルートで
挿入前に射精してしまう描写が何度も描かれており
ヒロインと一緒にステップアップしていくさまが体感できます。

もちろん、恋愛描写だけがエロゲーの全てとはいいませんし
童貞処女であることが恋愛ゲーム主人公とヒロインの条件とまではいいませんが
ましろ色シンフォニーという作品の人気には恋愛描写の細かさや
丁寧さといった点が理由として挙げられるのではないかと考えています。
少なくとも私にとてましろ色シンフォニーは
快適にプレイできた、おもしろい恋愛ゲームといえる気がします。