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stochaさんのChuSingura46+1 -忠臣蔵46+1-の長文感想

ユーザー
stocha
ゲーム
ChuSingura46+1 -忠臣蔵46+1-
ブランド
インレ
得点
89
参照数
1231

一言コメント

ところどころダメなところもあるし、新規追加の4、5章よりも1~3章の方が出来が良いが、それでも抜群に面白い歴史活劇だった。忠臣蔵に疎くても全く問題無し。体験版に手を出した時、討ち入りの未来が確定するはず。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

※以下ネタバレ注意。ネタバレ無しの長文感想は個人ブログにて。


忠臣蔵をなぞるストーリーが安定して面白く、1章で一気に作品世界に引き込まれた。
その後主人公の経験する壮絶なドラマが、また途中で挟まれるイベントが、強烈に感情に訴えかける。
何度もループを繰り返し、死を重ね、たどり着く先に待つものは。
赤穂浪士の決死の忠義の先にあるものは――

スーパー特撮バトルだったでござる。
(゚Д゚)

タイムスリップの理由に「呪い」を持ち出すのはいい。吉良の変身も最初ポカーンとしたけどまぁそれもいいとして。
それまで散々、武士としての鮮烈な生き様を描いておいて、最後はこんなよくワカラン怪物やうっかりさん相手のバトルで締めるの!? 浪士達のテンション絶対微妙だよねコレ!?
3章の討ち入りの完遂は見事だったのにこの締まりの悪さ、竜頭蛇尾に感じてしまいます。相手が蛇だけに。()

そんなワケで、ストーリーは「呪い」がどうもイマイチで、他はとても良かった。
いや4章の歴史考察コーナーも相当イマイチだったけど。他は良かった。いやほんと。

自分は同人版未プレイだけれど、3章までプレイしてて続きを楽しみにしていたらガッカリしてたかもしれない。それくらい、1~3章、特に3章終盤の討ち入りと相合傘が素晴らしかった。
とはいえ4章も雰囲気チェンジには効果的だったし、5章の小夜関係やハーレムエンディングも好みではある。


ループを生かした多方面から出来事を見ていく作りがキャラクターに深みを与えていたのが上手い。特に郡兵衛やえもしち。
ご城代や安兵衛といった過去の恋人の描写もまた切なさが炸裂してたまんない。
一本道ループものゆえの「女とっかえひっかえかよ」というツッコミが危惧されたけれど、そこはえもしちの犠牲などもあってなんとかセーフラインでした。


キャラは孫太夫さんがお気に入り。
こけしをつっこみたい。(直球)

ヒロイン4人の中では主税たんがおしっこ効果で一歩リード。
ご城代と安兵衛さんは終始キャラが安定していて頼もしかった。
えもしちは……攻略順が逆ならよかったのにね……。でもかわいくて好きだよえもしち。

ハンパ無い量のサブキャラ勢と立ち絵の種類が圧巻。
スイカとか包帯とか団子とかやらしい目とか、ほとんどその場限りな差分アイテムが豊富にあってめちゃ楽しかった。これが同人の強みか……!
孫太夫さんの脱ぎ脱ぎ立ち絵はよいものです。その勢いでエロをください。

主人公の直刃は結構ダメ。
肝心な時には強くてカッコいいのでそこまで印象は悪くないものの、
短気でネガティブ思考で自意識過剰で上から目線で愚かという性格にはかなりストレスを感じた。
しかしその分、主税たんの聖女っぷりが際立つ。主税たんかわいいよ主税たん。


とにかく呪いとお勉強以外のシナリオと、キャラクターが素晴らしい作品だった。
今年プレイした中では1、2を争う面白さ。
5章に存在したであろう一年間の現代編エピソードがあれば神ゲーだったかも。
是非とも現代編と上様調教編とハーレム編をファンディスクでやって頂きたい。