ErogameScape -エロゲー批評空間-

stochaさんのZero Infinity -Devil of Maxwell-の長文感想

ユーザー
stocha
ゲーム
Zero Infinity -Devil of Maxwell-
ブランド
light
得点
82
参照数
1631

一言コメント

"男"が最高にカッコいい"バトル特化"の"エロゲー"。そう、人は英雄が戦う様と、可愛い女の子のエロい姿が、心の底から好きなのだ。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

イヴァン・ストリゴイ
アレクサンドル・ラスコーリニコフ
緋文字礼
秋月凌駕
オルフィレウスことヨハン・エルンスト・エリアス・ベスラーが愛してやまない強い人間。科学の外側にすら到達し得る精神。
エロスを楽しむ事が目的であるところのエロゲにおいても、彼らの勇姿や散り様は何よりも人を惹きつける。
例えHシーン専用ライターを用意し、はちきれそうなおっぱいを存分に見せたところで、それは変わらない。
人は、英雄達の戦う姿を見るのが好きなのだ。心震えるのだ。
ってイヴァンの兄貴が言ってた。
でもやっぱエロも良いよね欲しいよね。

何の変哲も無い一般人が、ある日突然トンデモバトルワールドに放り込まれ、歴戦の猛者をやっつけ、
黒幕であるところの最強の怪物に勝利し、いつもの日常を取り戻してハッピーエンド。ポロリもあるよ。
この作品も、そんなありふれたライトな物語には違いない。けれど。
「そんな異常性を主人公が自覚する」という、ある種メタな要素がこのZero Infinityの大きな特徴であり、
新鮮で面白い部分でもあり、人によっては鼻白むところかもしれない。

予想以上にディエスイレっぽくて、ああlightめ……などと思ったのは途中まで。
リーザかわいいよリーザ。
イヴァンくどいよイヴァン。
礼さん……アッー!
――やっぱVermilionっぽいわ。
まぁそれでもこの方向転換と味付けはちょっと残念には思う。バトル特化ならそれはそれでいいんだけど、
「別ラインの過去作っぽい」と言われないようにしてよ。同メーカーとはいえ。
「っぽい」のは演出もデカい。Vermilionのヘンな演出は何処いったの!?

不満も好きじゃない部分もあるにはある、けれど。やっぱり熱くて面白かったのは事実で。
男がカッコいいのは相変わらず、そして今回はやたらエロいし、ヒロインの存在感も大きかった。アリヤみたいな
バケモノがいなかったのは物足りないとはいえ。リーザかわいいよリーザ。

次回作では戦闘演出をなんとかしてほしい。それともっとカッ飛んでほしい。

以下キャラ別感想。

・凌駕
「プラスもマイナスも要らない、その中間で平穏さえあればいい」
凌駕君、どう見てもブッダです。既に解脱しております。全釈迦が嫉妬した。
そんなご都合主義の塊、生まれながらのブッダが、自身の異常性に気づき、「人間」たらんとする
決意と、そこに至るまでの過程がとても興味深かった。こんな成長譚見たの初めて。

・礼
我らがほもんじ礼さん、ちょっと抑えすぎ。もっと活躍してほしかった。
でも最後の戦闘と合体はさすがです。
最初はマレーネエンドが礼エンド状態だったそうで、そのシナリオをHPで配布とかしてほしいナ。

・イヴァン
カッコいいオッサン1号。全ルートで死亡する戦場の鬼。
その人生哲学は中二全開で超楽しかった。一番輝いてるキャラはイヴァンな気がする。
また、影装も随一のデザイン。(ってか他のがダサかったりショボかったり)

・アレクサンドル
「英雄など何処にもいない」
カッコいいオッサン2号。トシローさんみたいな渋い大人。
実は若干ナヨいのがアレだけど、マレーネルートの少佐には惚れた。女子供を背に立つすおっさんカッコよすぎる。
拳一つで戦う戦闘スタイルも見事。この人に限っては地味な心装も納得。

・オルフィレウス
カッコよすぎるラスボス。しかし超絶イケメンなのに最終形態が謎の宇宙人という辺りに残念さが漂う。
確固たる意思の見本のような存在で、「この身には為したい夢と理想があるから!」なんて吼えて
貫こうとする姿はアナタどこの主人公ですか。惚れる。
結局、人間大好きっ子ではなく科学大好きっ子のぼっちだったのには笑ってしまった。

・乱丸
マレーネルートで凌駕が全キャラ中最低の屑にお説教される場面は、妙な快感があった。乱丸はてっきり
哀れに死ぬだけの糞キャラかと思ってたし、生き残った挙句に死海たんとお友達になるとは夢にも。良いキャラ。

・マレーネ
ロリババアだと思ったらロリそのものだったでござる。
声、表情が完璧。素晴らしい完成度。

・エリザベータ
堅物純情系かと思ったらまさかのビッチだったでござる。
――だが、そこがかわいいじゃないか。エリザベータちゃんマジ天使。
しかし褐色肌にあのダサい緑の私服は一体何の罰ゲームなのだろう。

・ジュン
中の人効果もあって予想以上にかわいかった。
ただ、ジュンとカレンはその絆がどうにもピンとこなくてアレ。カレンの生前の描写が少なすぎる。お前ら
校庭でちょろっと話しただけじゃねーかと。同じ即席の凌駕と礼だってメンコでの共闘や人生哲学の教示()を
経た上での「親友」だったのに。ここはこの作品最大の欠点。
まぁジュン、というか美月さんボイスがかわいいのと、美汐とまさかのカップルになったので許す。

・美汐
青山ゆかりの罵倒は国の宝やで。

・ネイムレス
ネイムレスさん仕事しすぎワロタ。
両陣営を敵に回して東へ西へ。壊れても壊れても働き続けたネイムレスさんに功労賞を捧げ、締めとしたい。