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stochaさんの恋めくりクローバー ~いつかの君へ、明日の約束を~の長文感想

ユーザー
stocha
ゲーム
恋めくりクローバー ~いつかの君へ、明日の約束を~
ブランド
CLIP☆CRAFT
得点
73
参照数
3749

一言コメント

主人公「『入れる』その言葉を頭の中に思い浮かべた時には! 実際に相手に挿れちまって、もうすでに終わってるからだッ!」

長文感想

※当方のブログのレビュー記事とほぼ同一の内容となります。

「ま○こみたいに穴あいて死ねぇえぇぇぇぇえぇーーっっッ!!!!!!!!」や、「くつした、おいしい」
等で名高いシナリオライター伊藤ヒロ氏による、ダウンロード派オナニーとリアルタイム
派オナニーという定義をご存知でしょうか。 
(→参考 伊藤ヒロさんのエロゲーのエロシーンの長さについての考え方
http://togetter.com/li/103319)

曰く、ダウンロード派とは、エロゲの内容を脳内にダウンロードし、後にゆっくりとリラックス
しながら思い出しオナニーを行うスタイル。対してリアルタイム派は、眼前で繰り広げられて
いるHシーンをオカズにオナニーをするスタイル、とのことです。
この二つのマスターベーション・スタイルは、さながら巨人ファンと阪神ファン、巨乳派と貧乳
派、ロリコンと熟女マニア…。互いに分かり合うことは困難な関係にあります。そのスタイル
の違いは、エロゲのエロシーンの長さにおいて、深刻な問題となる場合があると、伊藤ヒロ
氏は語っています。

ああ、なんたる悲劇か。
ダウンロード派の書くエロシーンは、リアルタイム派には短すぎるのです。
いくらCGやボイスが良くても、尺が短ければリアルタイム派には大打撃。早漏の謗りを受け
てでも時間内に終わらせるか、適当な所でテキスト送りを止め、ダウンロード・スタイルを取
り入れていたすかの選択に追い込まれます。
また、長大なエロシーンはダウンロード派にとっては無用の長物。声優さんの熱演をよそに、
未読スキップを使用してしまうこともあるでしょう。

ではこの作品のライターはどちらに属するのか?答えはダウンロード派です。(断言)
短い。とても、短い。
特に挿入してからが短い。正確には、挿入する瞬間から短い。そこに何の感慨も心構えも、
ましてや挿入にまごついたりなんて童貞特有のほろ苦さも無く、入れるよと言った次の瞬間
には膣奥まで入っている。プロシュート兄貴に匹敵する行動力ッ!
その後は絶頂まで一直線。短い。
おっと、筆者はリアルタイム派とダウンロード派のどちらなのか、なんて誰も得しない情報は
ご想像にお任せ致します。

一応補足しておくと、ライター陣にリアルタイム派が紛れ込んでいたようで、シーンによっては
一般的な長さのものも存在します。そのテキストは、概ね平均的レベルかと思われます。

そんな「質」には問題があっても、「量」は頑張っています。
CG枚数……差分抜き97枚(HCG率は約50%)
シーン数……分割無しで31シーン
抜きゲーに徹さない作風にしては、なかなかの物量と言えるでしょう。
なお、特に奇抜なシチュは無く、精々が野外HやソフトSM程度のもの。○○コキとかその手
の捻ったシチュよりも、エロ=セックスという中学生的直情エロスが主であるため、童心に返っ
てパンツを下ろしていただきたい。本番が好きな方には合うと思われます。逆に、学生ならば
体育後の脇舐めは必須であるとか、飲尿はジョッキに限る、などといった紳士なグルメには
物足りない可能性が高いため、注意が必要です。

キャラクターを簡単に紹介すると、
結花……明るく元気なムードメーカー。イキやすくてエロい。
あやみ……優しいお姉さん。おっぱいとおしりがエロい。好き。
未奏……クーデレ系。競泳水着とおしりがエロい。
といった感じ。あ、おしりはアヌスのことではないのであしからず。
皆わりとオーソドックスなタイプです。キャラ立てがしっかりしていて、日常のエピソードが多く、
いちゃラブも完備しており、ヒロインの魅力の描写は十分。そんな彼女達の痴態の数々は、C
Gの破壊力と相まって、より良いマスターベーションの一助となってくれるはずです。

さて、ここまでオナニーの話ばかりしてきましたが、シナリオ方面にも目を向けてみましょう。
本作は、何と言ってもCGがエロい
ではなくて、「謎解き」が大きなテーマとなっています。幼馴染グループが直面する謎の人物
からの謎解きを、プレイヤーも一緒になって解いてゆこう!というコンセプト。
しかしその謎解きに関しては、予想よりも難しいものではありましたが、それがゲーム性につ
ながるほど凝ったシステムでもなく、選択肢を選ばされながら、用意された道筋をなぞるだけ。
何やら「お兄さんのクイズコーナー」とかNHK教育番組みたいなノリで進みます。ヒロインや友
人達に「解けたの!?すっごーい!素敵!」とヨイショしてもらうために、頑張って正解の選択
肢を選びましょう。見事正解すればヒロインの好感度もアップ!(かどうかは不明)
やけに謎解きに力を入れていましたが、その効果は正直微妙。普通のADVよりは少しアクセ
ントなってはいるものの、かったるいという感想が大勢を占めそう。個人的には、挑戦してきた
点は評価したいです。「無い方がマシ」とまでは…言えないんじゃないか…な?

そんな微妙な謎解きを合間に挟みながら、淡々と描かれる学園での日常。
これがまた退屈でね。日々を漫然と過ごすとはこういうことなのだなァ、などと主人公の将来
の就活を心配しながら、ひたすらカレンダーを進める作業。
短いエピソードを選んで見ていくシーンチョイスなる独自のシステムもやはり退屈。でもご褒
美CGのために頑張ってコンプリートしましょう。沢山見ればヒロインの好感度もアップ!(本当)

と書くと酷いシナリオのようですが、実際は可もなく不可も無く、平々凡々。
取り立てて悪い部分も無く、ネガティブ方面のストレスも溜まらないので気分を害されることは
あまりありません。それなりにシリアスな問題も起こるわりに、やたらトントン拍子に話が進む
ため、ストレスについては意識して無くすよう制作されたのかなという印象。ストーリーに高望
みをしない、麻雀で言うところの「降りた」かのような姿勢は、楽しむことは厳しいけれど、マス
ターベーションの邪魔にならないという点では成功していると言えます。

結局またオナニーの話に戻ってきたわけですが、仕方ありません。だってエロゲだもの。
何はともあれ、本作の魅力はやはりボリューム豊富で美麗なCG。
また、ヒロインの可愛さは十分で、いちゃラブも有り。
Hシーンの短さは実用に支障をきたすリアルタイム派の方もいると思いますが、そこが気にな
らない、あるいは許容できれば、そこそこ良質なオカズとして活用することは可能なはず。こ
の機に普段とは違ったマスターベーション・スタイルを試してみるのもまた一興かと存じます。
筆者はおしりに惹かれて買ったのですが、あや姉の初Hはよいものでした。あとついでに水着
とブルマ立ち絵の食い込みスジも大変よいものでした。

メーカーに対しての文句は三つ。
タイクツ!Hシーンをもう少し長く情緒豊かに!サブヒロインを攻略させろ!
3つ目に関して、シーンチョイスのおまけとして、ご丁寧に非エロCGまでつけてサブキャラエピ
ソードを入れた意味がわかりません。FDか?商業一発目からFD商法狙いなのか?
日常エピソードの量と、サブキャラエピソードに費やした労力を、もう少しエロスに向けてくれ
ていたら、もっとハッキリと満足できる出来になったであろう点が残念です。CGは、あや姉の
おしりは素晴らしくエロいのだから。

作品としては、『ワルキューレ・ロマンツェ』と似ているでしょうか。
美麗なCGと、エロのためのキャラ立て。しかし、あちらはこもりけい氏の変態的嗜好が存分
に発揮されていたのに対し、こちらはかなりノーマル。シナリオへの力の入れようも差があり
ます。ただ、もしかすると、ワルロマが重過ぎた人にはこちらの方が合うかもしれません。