購入前「ルクル信者だけどさすがにスポーツものは畑違いじゃないの?」
んなことなかったわ余裕だったわ。
てかこれエロゲだけど全然エロゲじゃないわ。
物語的なご都合主義が半分、
ルクルさんお得意の「ならんものはならんのです」的なシビアさが半分の絶妙なスポ根ストーリーで、
前作前々作同様に止めどころがなかなか見つけられないまま読み進めました。
ルクルさんは毎回「創作話なんだからこうなるんでしょ?」という希望的観測に対して
何割かは「期待通りにならない現実の苦しさ」というものを叩きつけてくるライターさんで、
毎度毎度そこがツボすぎてハマっています。
過去2作のような魂をゴリゴリ削られるような苦しさはもちろんありませんでしたが、
主人公の現実や里亜の現実に対するシビアさは
苦しいはずなのにとても楽しく堪能させていただきました。
あとルクルさんとは「努力」に対する哲学が近い気がして、そこもハマる理由かと。
何かしらのジャンルでアスリート的なストイックな努力を積み重ね、
何度も何度も何度も何度も挫折して叩きのめされて傷付きながら、
それでも這い上がってまた努力を積み重ねている人の匂いがします。
まあ俺はもう努力を放り投げて今ここにいる訳ですが。
ともあれ、発売一週間後に中古を探したのに無かったのは、
そのあたりが他のみなさんにもウケたからかもしれません。
忙しくて予約買いする暇が無かったので年末休暇に入ってから購入したところ、
中古は無いわ新品も一店しか見当たらないわでビックリしました。
衝撃的だった過去2作に比べるとある意味フツーな物語だった今回ですが、
ストーリーの複雑さが消えた分、キャラ一人一人への掘り下げとキャラ同士の関係性が非常に濃くなりました。
アウルのメンバーのみならず全キャラが作者に愛されてるのを感じて、とても心地よかったです。
ちなみに主人公ヒロイン勢以外で一番好きだったのは遼二さん。
狂犬そうに見えて実は外圧から部を守ってるという姿を見て好きになり、
ダンスマカブル準決勝前後での抱えてきた苦悩が見えたあたりでは愛しくてたまりませんでした。
キャラクター面でいうと、主人公があくまでも登場人物の一人でしかないのも
このライターさんの特徴かと思います。
主人公特権が発動されるのは恋愛面だけで、勝負面だとやられ役が平然と回ってきます。
でもそこがまた俺のツボだったりします。
雑魚やクズ相手に無双してペロペロ気持ちよくなる展開は苦手です。勝つにしろ負けるにしろ、やっぱり闘う相手は格上がいいですよ。
購入前に一番懸念していたのは試合シーンの演出面だったのですが、
そこもカットインや立ち絵移動を使うことで形にはなっていたと思います。
PS2でFateをプレイしたことがありますが、あちらよりはだいぶ良かったです。
そのFateも非常に楽しく堪能できた俺には充分すぎる演出でした。
イラスト面も懸念というか体験版の時点で「その太ももの肉どうなっとんねん」と思っていましたが、
そこらへんには目を逸らすことで無事(?)楽しむことができました。
もともと原画も塗りも好みですし、ぶっちゃけここのブランドにシコリティは求めていないので
物語を華やかにする要素として存分に堪能しました。
そんなわけで総評。
今回もたのしかったです。
総評に続いて、各ルートについて少しだけ。
ルートは ダンスマカブル → 里亜 → ほたる → 玻璃 → 柚 の順でプレイ。
分岐前に好きだったヒロインは 里亜>>遼二>>>>>>>>>>>>>柚>玻璃=ほたる で、
各ルートプレイ後の好きな順も同じです。
【ダンスマカブル√】
遼二さんきゃわたんきゃわたん。
ああ、エアロパーツ戦が準決勝なのはやっぱりそういうことか……。
別√でネタバレ食らう前に本編であろうこの√を選択して本当に良かった。
特に柚√を先にプレイすると本編がもったいなくなる印象。
【里亜√】
里亜きゃわたんきゃわたん。マジ正妻。
【ほたる√】
ちんまりしたお姉さんいいよね……
【玻璃√】
エロい。妹に主導権握られてあひんあひんとかどこの脳内彼女ですか。好き。
【柚√】
かなたちゃんじゃん!懐かしいなあ。やっぱりかわいいなあ。
√感想は以上です。
最後にアウルでの各ヒロインの立ち位置について。
柚: 主人公
玻璃: エース
里亜: 正妻 ←重要!
ほたる: ジョーカー
才能の壁に打ちのめされながら、己の限界点まで努力してその一歩先の世界を見た里亜に祝福を。
以上です。
ぐだぐだした感想に最後までお付き合いくださいまして誠にありがとうございました。