バルドシリーズほぼ未経験としては戦闘シナリオどちらもかなり高評価 ただそれに伴った不満も多く続編なしだと駄作かもしれない
ヒロインルート終わるの早すぎたのとヒロインと結ばれるまでの過程をすっ飛ばし過ぎて、続編orFDorシナリオ追加パッチによって良作で終えるにはハードルを上げすぎている印象・・・。プレイ中批判的な目線で見ようとしないニブチンの私ですらこのボリューム不足は否定できなかった。続編が大前提の作品になってしまっている。
つい先ほど新しいバージョンが適用され、新モード戦昂のチャレンジャスが追加。ちょうど攻略を終え続編待ちになった状態でプレイしてみたものの、フォローが効いてるようには思えない・・・。きっと続編製作中であることを伝えようとしてるんでしょう!!(シェリー並感)
定期的にチャレンジャスのアプデが入るのは嬉しいので気分転換としてプレイする所存。どちらかというとブーストプレイの課題を増やすなどのやり込み要素が増えれば毎日起動してるんだけどなぁ。まぁでも1か月ぐらいずっと起動し続けてるから文句言いながらもこのゲームが好きなのがわかる。
以下、小学生の読書感想文のごとくまとまりない感想になることをお許しください。バルドのゲームはブリンガー初プレイでヒロイン1人攻略してギブした程度。批評は下手なので1プレイヤーの感想を。都合良く解釈してるので不快になったらごめんなさい。
●ストーリーの感想 90点
良く言えば道徳的。悪く言えば普通。
オスカーが学園の女生徒を枕営業へ売り飛ばそうとしていて、ルーが変装してやっつけようとしたときに私を罵りなさい!と言ったときは、そっちの趣味?いや、リョナは非人道的だから男がMになる展開のほうが微笑ましいと思ったのか。ん?それだとパムパムはセーフなの?など色々考えさせられた。
悪役が悪人になりきれず、敗北後の語りで目的と信念をもって行動に移しているのが垣間見えて、悪全てを否定すべきではないというライターの思いが伝わってきたように思う。それぞれ自分の正義を信じた結果、より力の強いものに屈してしまう。本当は自分が正しいと思い込んでいただけで心の奥底ではやってはいけないことに手を染めてる実感があって永羽やシェリーのような民を引っ張る力のある者が現れることを潜在的に願っていたのではないかともとれる。序盤の王殺しに対する風当たりの強さが一転して街の人が穏やかになったのも、力で押さえつけるのが正義の全てではないと言いたげな感じ。ほっほー。好きだわ。こういうノリ。(ルー並感)
英雄姉妹2人の争いの種ってなんだったのだろう・・・アルディリアはリディアを守るために剣を握り、リディアは暴走したアルディリアを止めようとして、姉妹愛を感じさせる熱い展開のはずが、始まりであるリディアが王国から追放された理由がわからないままで、その後ジール王国でどのようにして立ち上がるに至ったかを知りたかった気持ちが強いまま終わってしまった。これだけ好奇心をくすぐられているのだから工夫を凝らした設定を目指そうとしていたことは間違いあるまい。
ゲームオーバーを除いてBAD ENDになることはなくて、ストーリーのまとまりも良く、平和主義の人間としては気分が良いものであった。ただし、ヒロインルートの薄さと伏線未回収部分が多い不満のほうが大きい。
●ADV(日常パート)の感想 98点
ゲーム性やシナリオの好き嫌いが激しい私としては、もともと購入意欲があまり高くないゲームだと、少しでも退屈に感じる場面でのテキストや求めていないギャグ、本命でないヒロインルートは読み飛ばしたり即ギブアップするけども、1話の開幕に戦闘が始まって、その後ボリューム選択肢に入るまでが早かったことで興味をそそられ、すぐ世界観に引き込まれた。僭越ながら戯画様のゲームはあまり好みには合わず、未読スキップ率が高いのだけどクラリアスは全メーカーのゲーム中最も好きと言っても良い。
何より、ヒロイン及びサブキャラ同士の掛け合いを眺めてるのが凄く楽しかった。ボリューム選択肢で主人公がちょけ始めて、それに対するヒロインの反応が見られ、違いを比較したりどれを選べば本命ヒロインの好感度が上がるか?など、アクションパートやその他のシミュレーションゲームではなかなか味わえない楽しみがあり、本作の最大の魅力とも言える。
しょっぱな主人公に惚れてます的な謎設定ヒロインが存在せず、そのうえでメインサブ共に魅力的なキャラしかおらず、1人1人のテキストに時間をかけて読み進めることができた。初めて共通及び全ヒロインルートを未読スキップせず読み切った。その分尺が足りなく感じたのが辛い。作品の感想を文字に起こしたことのない私でも考えを共有したいと思った貴重な作品。続編でこの設定を活かして消化不良感をカバーしてほしい。
そういえばクイックセーブ、ロードボタンがないのが開幕から気になっていた。マウスとキーボード設定で変更して使用可能になることに気付いたのは1週目のエンディングが終わってからだった。それ以降も未使用。
あと、セーブデータ上限300は、場所選択イベントごとにデータを残すスタイル的にギリ足りる程度だった。もしかしてそれを考慮していた?
●ACT(戦闘)の感想 98点
Very Hard 永羽×ルーで進行。連戦でHPがきついときだけ他キャラも使用。ルーが打たれ強く、雑魚は粗方一掃できたのが圧倒的快感。
最初、ステップ関係の操作説明を理解するのに手間取った。セーブで残しておいた練習用データをロードして色々覚えてからスタートすることに。最近のアクションゲームはチュートリアルが親切過ぎて面白みに欠けると思っていたところだったからちょうど良かったけど。
2話で魔法が使えるようになったと思ったら魔力ブロック2つ以上必要なのに1つしかないってどういうことだろう・・・それらしい描写もなくいきなり「必殺技、魔法が使えるようになった!」と出てきてわけもわからず通常攻撃連打を続ける。異世界転生モノって突然そういうの発現しちゃうの?馬鹿なの?魔法か卵の力で元の世界に帰れるんじゃないの?
追加魔力やブレイクを狙うに至るまで気付かなかったし戦闘スタイルを決めようとしているところだったから気にならなかったけど、魔力が2つに増えるレベルになるまでは、クリティカルヒットしないと魔法が使えない状態が続いていたと考えると、隠れた設計ミスかもしれない。
慣れるまで時間がかかった分Very Hardモードの歯応えがあり、やり込み甲斐を感じた。強敵を倒すためにコンボや交代追撃のタイミングを変えたりして自分のプレイングが向上していき、奥深さを見出すことができた。
序盤のグラム戦で3時間、ランスロット三戦分で2時間、後半の1対4Very Easyで3時間、ウルフィリア戦(屋敷外の手合わせ時)で4時間、ラスボス手前のダンジョンと1対4Very Hardは難易度高すぎて何時間経ったかわからないくらいの時を過ごした。
円卓の騎士はクリティカル取る作業だからやり直した回数は多いけど難しくはなかった。ん?結局ラスボスって誰だったっけ?
ウルフィリア戦で時間かけてるときに初めて気付いたのが、永羽のダッシュパンチは矢印キーを離して連打しないと初段が出続けてしまう。最初意図がわからなくてボタン連打してたらいきなり高速パンチし始めて画面奥へ追いやれるの強!なるほど、と。
また、分岐に移っても5人のうち好きな組み合わせで選べるままだったのは良かったと思う。
他ヒロインの機体は、シェリーでボス戦に挑むと弱点を突きづらいから回復役になることが多かったのと、八雲はボタンを離すとカウンターになることがわからなくてタイミングが合わないの弱いかもと思って終盤まで使わず。カミュは他キャラにない遠距離キープの戦術が新鮮で、最初慣れるまで使い物にならなかったけど罠設置を覚えてからは使い込むと楽しい。
ブーストプレイの課題が中途半端なのは惜しい。担当が締め切りに追われた結果できたような一覧。屋敷外のウルフィリア戦で徐々に与ダメージが少なくなっていくのは作中の珍しい演出で面白かったけど倒せないとわかってその後、エンディングを迎えブーストプレイ達成一覧を見たときに落胆してしまった。Very Hardでクリアなんてのも欲しかったかな・・・
バルドシリーズって鬼難易度が評判なんだよね??『史上最大の強敵!』と言われたら凄く燃えるのに割とあっさり終わってしまった。
たまに敵が壁にめり込んでたりキャラ交代時に溜め中の紋章が残ったままになったりのバグが多少気になった程度でおおむね快適。カミュルートのリロ戦で銃器のリロード(ギャグじゃないよ)をするために距離を取ったらリロが木に引っかかってボイスがバグって「フフフフフフフフフフフ」って言い始めてホラーゲームと化して笑いが止まらなかった。一応メーカーに報告しておきます。
●テキストや演出の感想 95点
0円食堂とかポッキッキーゲームとかツンデレとか、元居た世界の文化に触れる会話が出てくるのは面白かった。変にボケたりせず、キャラの性格に合ったリアクションが多々見られ、シリアスムードになりながらもシェリーが天然ボケに入るところも自然で、やはりキャラが魅力的だなと思わせられるシーンが多かった。
ただライターのボキャブラリーに偏りがある一面が見られ、時々ワンパターンになる。(過労説)根城とか平定とか舞い込んでくるとか、永羽にご馳走を→とはいえ(トワをかけている)、ルー「助太刀してあげるわ(闘技場で)」フランシア「ルール違反だわ!」(ルーをかけている)等、ダジャレを文章に組み込んでいることがある。偶然かもしれないけどできれば避けてほしかったかな・・・まだゲッツォりのほうがあからさまでシェリー達がドン引きしてる分ずっとマシ。
『腑抜け』のワードなんかは10回ぐらい耳にした。ルーがレオンに対して面と向かって腑抜けって言おうとしたときにカミュが止めに入るくだりはアニメを思わせるやり取りで良かったけど、ことあるごとにセリフの中に入っていたのが時々鼻につく。
突っ込み演出のピアノ効果音やドヤ顔してみせるときのキランッと光る音、2話のパムパムへのシェリーの突っ込みのときや永羽がボケたときに入る1~2秒程度の間など、カットインのタイミングが絶妙。BGMは日常パートも戦闘中共に雰囲気に合った曲調でGood。ただ途中、BGMが流れていないことがあったのは疑問に思った。
●個別ルート、各キャラ感想 『ルー → カミュ → 八雲 → シェリー』 85点
テキストの一部に、場所選択イベ進行具合によって未読文章が一部存在していたのが乙だったが、2週目以降は未読文回収のためにスキップを続けていたから後味はあまりよろしくない。ボリューム不足なのは、場所選択イベントを含めての個別ルートだと開発が認識しているからってことにしておく。それも踏まえた点数。
・ルー
体験版時点での本命。おかず残しとして最後に回すつもりが、途中6話の選択肢で分岐していることに気付き、話の流れ的にラスボスを倒したら後語りが出てハッピーエンドになるとみて、スキップして後回しにすることもできず、仕方なく進めることに。
共通の選択肢で童貞を思わせる回答を選んだときに好感度が上がったときは萌えた。その後貞操って何?って聞いてたのが違和感を覚えたけども。この類でシェリーの好感度が上がらなかったのはなぜだろう?天然だから?
場所選択イベント5話にある『彼氏』の話では、ルーの声優鹿瀬紫卯さんとモブの声優橘まおさんが重なって聞こえてルー役が1人2役やってるのかと思ってしまった。
ポンコツ系ツンデレと違って、負けをしっかり認めるところ、探偵のカミュに負けず劣らず洞察力が高いところ、シェリーの影響か、学園祭に乗り込んできた悪党を逃がすようなことをしたり、真っ向正義でありちょっと気に入らないと思ったらすぐ顔に出ちゃうけど、押し付けがましいことはしない、良キャラ。
個別としては、消滅したと思われたリディアが助言しに来て迷い人となっていたルーに光を与えたことに感銘を受ける。影の英雄なのに。ルーがリディアを信じていると言ってリディアがルーを奨励したのち、エンディング前にリディアが「私の眷属に伝えておいて。これからも、私を崇めなさい」と言って消えた。尊い。この話の後ルーじゃなくてリディアを好きになった。バ○アだけど
・カミュ
場所選択のあたりから推理要素が強く、分岐したら推理ゲームっぽくなるんだろうなーと予想したらネタ選択肢が組み込まれ過ぎてて逆に拍子抜け。「プレイヤー舐めてんのか?間違えるわけないやろ」と思ってたら普通に2択っぽい問題で2回ミスって焦った。戻って比較検証したら5/7の正答率で好感度が上がるっぽい。ギリギリ赤点回避。
個別のリロの話が印象的だったからか、カミュ個人に対して思うところは特になかった。感想欄でカミュやたら人気だけど個人的には作中唯一あまり好きになれなかった。(6話の1対4イベントの遠距離攻撃がうざすぎたせい)
それより場所選択イベントまで謎解き形式になってて回収に苦労させられたのが、推理系のゲーム経験が浅い者としては興味深かった。ただ8週ぐらいしていまだコンプできてないのはなぜ?
・八雲
作中、グレンを除き登場人物の年齢が明かされない中周りが八雲『さん』と呼んでいたのは、実年齢が高かったからなのだろうか。それもあってかお姉さんキャラっぽさと武士キャラが定着してて良い味出してた。
主人公との絡みで日本の文化を話題にあげることが多く、ルーとグレンのどちらかがデレたときにすかさず反応するところにほっこり。二人同時にデレ始めたときは絶対割って入ってくるだろうと思った。
場所選択と個別はちょっと食べ物の話が多くて無心で読み流してた。寿司ネタの話は良かったけど好き嫌いとかパーソナルな会話も聞いてみたかった。釣りゲーはなかなか面白かった。ルアー選んだ時点で負け確なの笑う
二重人格は精神病の有識者なら最初の時点で結末が予想できそうな感じであっけなかった。けど自分で認めたことでスッキリ。あと、降雪山男前。
・シェリー
裏本命。初登場の第一声で声優が白月かなめさんであることに気付く。超好きな声優だったためシェリーorルーどちらが本命になるか脳内で争い勃発。もともとルーのみがおかず対象で他のキャラには興味がなかったけどエロさ抜きで純粋に興味を持ったのと、共通ではルー>シェリーで好感度を上げるように進めていたから最後に回した。
ライ○ーゲームのヒロイン級のお人好し。現実にこんな人がいたら煙たがられそうだけど、悪人に対してのみ反抗的になるのは凄く立派。力だけで国を支配しようとするレオンに対し「ここであなたを殺します」と言ったときはめっちゃこの子とセ○クスしたくなった。日常では天然ボケをかまし続けるおバカキャラなのに、仲間のために囚われの身となる姿はかっこいい。
貴族や家柄についてちゃんと知識として蓄えている一面もあって、女性的魅力を感じざるを得ないキャラクター。娘か嫁にいたらきっと誇りに思うことだろう。(ウェイン並感)
個別で気になったのが、ファリスの過去回想を見せられているときに騎士団の姿が薄まっていくのが何の影響からだったのか。リディアを倒すことで干渉できたということは、卵の力に秘められた謎を暗示させる描写であるはずが、それについて触れられていなかった。これも続編で回収予定??にしてもパートの終わりが早いのなんの。
あと王痕についても謎が多い。オスカー戦やリディア戦で発動してその能力によって何が起こったかわからなかったし、続編のハードルを上げに行ってるとしか思えないけどその分楽しみではある。
・主人公
自分と同じDTっぽかったのがすこれた。格闘技が得意だからか強敵を前に物怖じせず敵の顔を汚いなどと罵る度胸に惚れた。優男にみえて良い男。図書館で陽キャになったりサブヒロインを煽り倒したり、明らかに空気読まない選択肢を選んだ時のギャップが激しいのが愉快で全パターン見てしまった。好青年さがシステムにうまくマッチしたように思う。
・サブキャラ
全員すこ。15人分まとめると文章量がえぐいことになりそうなので割愛。
強いて言うならエンディング後にフワフワ浮きながら主人公に礼を言いに来たリディアが一番可愛かった。かつての敵に挨拶する礼儀正しい一面と、主人公を不思議な少年と面白がるところめっちゃ良い。リディアのほうこそ不思議ちゃんっぽいんだよな。FDで脱いでくれたら凄く嬉しい。
その他の伏線として気になるのが4話でリロの鎧を見たときのルーと八雲の反応。「あいつのあの鎧、気になるわ・・・。」「うむ。あれはクラリアスではない。見たこともないタイプのプレタポルテだ」と。ヒロインやアルディリア、その他サブキャラの鎧の出どころも気になる。
あとハートオブドラゴンを永羽が契約しているのを知ったときの周囲の反応。特に英雄二人と、ノイマンが「駅に向かうんだ」と言ったところとか、8話の駅でのアルディリアとの会話の後に話題に挙がった永羽の鎧の謎、駅長の意味深な態度、もやもやをあげるとキリがない。
クリスだけその後が生存確認のみなのも気になる。ウルフィリアのセリフ「レイ家の面汚しが」ってやつが意味ありげだから何か追加されるんだよなぁ?期待してるぞ?
で、ノイマンは結局ただの噛ませだったのか?ダンジョンでランスロットに負けたのか?トゥルーエンド枠としてアルディリアを倒した後ランスロの代わりに出てくると思ってたけどそうじゃなかったよな?そこんとこどうなの?
そういえば女より男キャラのほうが数が多いって凄いかも。
●総評
プレイ後思うのは、業界が衰退しているのが影響して低い完成度のままやむを得ず世に出されたのか?それとも変異ウィルスの仕業?などと、作品の外で起きている事象について考えることが多かった。
個人的なゲームの好みで言えば120点。選択肢が出るたびワクワクしてた。ただの読みモノだと途中ダレるからエンタメとしての評価が高い。今後の期待を込めて総合的に平均値の93点とする。周りが70点ぐらいと評してるのはわかる気もする。
もしかしたら英雄とイチャつくルートを作るために、個別イベントの後ヒロインと友達っぽくなる演出にしていたのかな?と予想。
アペンドきたら絶対買います。来なかったらファンやめます。開発の方々お疲れ様です。