暗そうなテーマと裏腹にとても綺麗な雰囲気の作品で良かったです
※あえか→会長→ねこ子の順にプレイしてます
・あえかルート
とりあえず最初はメインヒロインっぽい娘で・・・とあえかさん。絵や声、性格なんかが相まってこのゲームの「儚さ」という要素の象徴しているキャラクターだと思う。ちょっととぼけた感じでとっても可愛らしいんだけどストーリー的には酷いいじめられっ子という・・・
何も考えずにゲーム初めて最初にこの娘を助けないプレイヤーって少ないんじゃなかろうか。ほかっとくと序盤から昼飯パシリされた挙句財布スられたりするし・・・物語が進むにつれてどんどんエスカレートしてくからどうしても見捨てられないという。
終盤までずっと続くいじめシーンなんか悲惨すぎてもう笑うしかないよねってレベルでまた・・・というか周りの人間がDQNとクズ多すぎでしょういくらなんでも。あと後半はクラスの無駄な結束力といい教師までクズだったことといい、ちょっとやりすぎでリアリティに欠けるところも少し。そんなに気にはならないけど
まあそれまでがひどかっただけにラストの大逆転はスッキリして満足。エンディングもこれで本当にハッピーエンドで良かったのか?と思ったりもしたけど、最善ではなかったかもしれないにしろ、二人で導きだした結末に救いがあったならそれでなんの問題もないのだと後で思った。なんにせよ下手に欝エンドとかじゃなくてよかったわ・・・アントワネットざまあ。
てかあえかってエンディングらしい終わりはひとつしか無いみたいね。選択肢ミスでのBADエンドはあったけども
まあ境遇とか考えると全ヒロイン中一番可哀想な娘だったので、これ以上不幸にはさせないって意味でのエンディング一つって心遣いはグッジョブ
プレイ時気になったのがゲームタイトルであるユメミルクスリに関連して、薬が話しに絡んでくるのかと思ったら、全くそんなことはなかったところか
まあ会長ルートでもちょっとだけ出てくるだけで本命は結局ねこ子ルートだけだったのでまあこんなもんかーと納得できなくもなかったけども。というか当初の構想ではねこ子がメインヒロインだったんじゃないかという話もあるし、いじめ問題だけを扱ったあえかルートだけが特殊だったのかしれない
あとエロシーン、
あえかルートに限っては全然楽しめなかったです。絵柄がそもそもエロを期待するのに向いてなさそうだったのと、とにかく「悲惨な日常を送る二人の束の間の慰め合い」みたいな感じで周りの状況が重すぎてとてもそんな気になれなかったです。
ただこういう行為もしてるって描写はないと話が薄っぺらくもなりそうなので難しいところ
なんのかんのでヒロインの中ではあえかが一番好きです。次点でねこ子。会長はあんまり・・・
・会長ルート
正直おっぱい要員かなーとか思ってたら本当にエロ担当っぽくて笑った会長さん。一応いいとこのお嬢様という設定らしいけどあんまり活かされてなかった気がします。てか海外に拉致られるとこまではすっかり忘れてた
あえかは友達が欲しい、ねこ子は違う自分になりたいなどという悩みを持ってたわけだけど、会長の未来の自分が想像できないという悩みはいまいち理解できなかった。というかクリアした今でもわかるようでわからないというような感じ。
結局金持ちのボンボン特有の悩みなんじゃないの~?とか思っちゃってあんまり感情移入出来なかった不憫な娘・・・まあ実際のところはそこまで単純ではなかったんだろうけど
話自体は悪くなかったです。これは真面目っぽい生徒会長が少しずつ堕ちていく話、対してねこ子のほうはすでに大分悪い方に行ってるけど、奮闘してなんとか現実に戻ってこさせるという感じで、明確な線引きも登場人物なんかの関連性もあんまりないけど、薬にまつわる話ってことで前後編みたいな感じで成り立ってたと思う。
終わり方は選択肢ミスの汎用(?)バッドとエンディングのノーマル、グッドエンドの3つで全部見たけど
汎用バッドエンドはダメだろあれ・・・あえかが自殺未遂ってのはどのルートにも組み込まれてるからいいとしても、ねこ子の正体ばらしちゃうってのは如何なものか。ねこ子ルートでも選択肢ミスで同じバッドエンド出るけど、会長についてはそれほどストーリーに重要なことは言ってないからまだしも、ねこ子の正体はやっぱり知れてしまうのでこれに関しては痛い失敗だったなーと思う。
エンディングはどっちかというとノーマルエンドのほうが良かった。まあノーマルと言いつつ中々重い終わりではあるんだけど、グッドエンドの子供産んじゃってそのまま主人公宅に親と同居ってのは流石に出来過ぎだろうと思ってしまうので。
しかも主人公一家に心から歓迎されてるって感じがしないのがまた・・・状況を考えれば当然だけども
そんな感じで煮え切らないので、すっぱり青春の幻影として終わるノーマルエンドのほうが終わり方としては綺麗かなぁと
・ねこ子ルート
最初と最後でかなり印象が変わってくるねこ子ちゃん。どっかにも書いてあったけどゲームタイトルの「夢見る薬」やパケ裏のキャッチコピー「今いる世界にさよならしようか」に最も合致するキャラクターで、前述のとおり会長ルートで正体バレしちゃってたのでやや意外性に欠けてしまったところはあれど、薬に身も心も引きずり込まれそうになってる少女をどうにか助けだすってのは最後にやるのにふさわしいお話でした。
前の二人と前半のストーリー展開が被ってるとこが多く、そのへんはほとんど読み飛ばしたので体感としてはそんなに時間かからず終わった。その前の会長ルートが長めだったのもあってか割とあっさりした感じ
中盤のエロエロラッシュを挟んで終盤辺りで一気に展開が早くなるので印象に残ってるのもそのへんが多いです。こういう話のラストって大抵悲惨な結末になるからここからどうグッドエンドに持ってくのかと思ってたら・・・いやはや
2年という歳月を一瞬で飛ばしちゃったのはちょっとずるいとも思ったけど綺麗な良い終わりですわー
言ってしまえば確かにご都合主義的ではあるけどまあそのへんは物語だし、夢の世界から帰ってこれた!という安心感
をもってゲームを終えられる理想的なハッピーエンドだったと思う。
対するノーマルエンドもこれはこれで悪くはない気もする・・・感
でもあくまで現実的な世界観の中で唯一ファンタジーなイベントで、全てが薬による妄想、幻覚によるものとわかる前ならアリなようにも思えるけど、原因がわかってしまった後となっては釈然としない唐突な終わりだと思った。結局ねこ子は本当に消えちゃったみたいだし
全シナリオの締めくくりとしてはやはりグッドエンドのほうが読後感は良かったです
長々と書いたけどお話の感想としてはこんなもんかしら
個々だと確かにいいんだけど、ルートが違っても被ってるシーンが案外多くて、全体的に短いのがちょっと残念
あとヒロイン同士の絡みが全くといっていいほど無いのも惜しかった。4人手をとって落ちていくのですぅなんて書かれてたから期待したんだけどなぁ・・・まあ属性が違いすぎて仮にあったとしてもどんな話になるのかさっぱり想像できないけど
あと絵と音楽もよかった。
あんまり詳しくないけど原画の人はインデックスとかの挿絵書いてる人らしいね。淡い感じの絵でいい雰囲気
キャラも可愛かった。特に眉毛がいいよね、キリッとしすぎずへにょーんって感じなとことか
音楽は主題歌の「せかいにさよなら」とそのアレンジの「ゆめみる世界に」が特にもうドツボでして
ちょうどタイミングよく主題歌Full版とBGM抜き出しツールを見つけたので速攻で用意してwalkman入り
主題歌はともかくBGMは初回版のサントラないと持ちだしたりとかはできないはずだったけど・・・便利な時代やね
てか主題歌は公式サイトに置いてあったはずなんだけど、何年か前にその公式サイトがブランドごと閉鎖されちゃったらしく現在はネット上に保存されていたキャッシュからしか閲覧などできないという状況・・・
ゲーム本編の儚さに追い打ちをかけるようでニクい。というか最初に知ったときは目を疑った
あと音楽といえば主題歌の替え歌で「ユメミルキカク」っていうのもあった
こっちはニコニコにあったけど本編の余韻をぶっとばすバカっぷりでワロタ
そんなこんなでユメミルクスリでした
あえかルート終わった直後は虚無感が凄まじかったけど全部終わった今となってはすっかり晴れやかな気分
これはまさしく世界にさよならして再び帰ってきた感覚・・・