荒廃した世界に残る、平和な時代の残滓・・・そこで稼働し続ける彼女は果たして狂っているのか?正直、「カノン」をプレイして以来、KEYは大嫌いだったのですが、今作でKEYを見直しました。下手な奇跡や不幸な境遇をことさらに強調することなしにストーリーを練り上げる姿は見事!
この物語の特筆するべきところはロボットを「人間」ではなくロボットのまま書ききっているところにあると思います。
彼女は最後までロボットの立場のまま、ロボットの宿命を生ききりました。
ロボット物というと、どうしても最後はロボットが「人間」になっていく課程になりがちですが、
彼女はプログラムに殉ずる一つの「道具」としての立場を決して離れることなく物語を終わらせています。
これはロボットという立場を再考する機会になると思います。