主人公のダメさ加減に非凡なものを感じる。そうそう代わりが見つからないという点でオンリーワン的な作品。
このゲームは要するに主人公のダメさを思い切りヒロインたちに受け止めてもらうゲームである。
ヒロインは概ね同い年か年下。よって、主人公に世間並みの甲斐性を求める人にとっては意味のない作品だろう。
ややマイナーな嗜好を持つ人向け。
ちなみに私は同ブランドでよくプリリンと比較される「あると」は大嫌いです。
例えば主人公は妹の六花にいつか兄と呼ばれようと密かな努力をしているという
設定になってるが、そんなささやかな野望でさえ結局果たされずあえなく立ち消えになっている。
主人公のダメさは放置され、その後の精神的な成長によって帳尻合わせ(プレイヤーの精神衛生に対する)が起きるわけでもないところが普通と異なる。
そういえば、プリリンの主人公も記憶欠落型の主人公だな。
********************************************************************
旧感想
「延々と繰り返されるゆめとリコのいつものやりとりを見て、ヒロインたちが人間の女の子であると見なすのを断念。そうしたらヒロインたちに腹立てることもなく結構楽しめた。」
昨年早々から年内中にコンプすることをノルマに課していたソフト。
昨年の課題ソフトはこの1本だけ。実質半年くらいかかった。
プレイしても話が一向に頭の中に入ってこないので、
ゲーム中の一日の初めに必ずセーブして108のセーブ箇所をほぼ使い切った。
・ゲームの全体的な感想
話に引き込む魅力の弱いゲーム。
ゲーム内での一日ごとにセーブしたのはそうしないと話が訳が分からなくなるから。
なかば苦行めいていました。
個別シナリオで恋愛ゲームとして純粋に楽しめたのはティエラくらいでしょうか。
魅力には乏しいが、くだらなくはないゲーム。
自分的に意義を感じないゲームなら丁寧に一年かけて巷で評価の低いゲームをプレイしない。
ただ、この作り物じみた独特な世界が面白さまでには達しておらず、非常に退屈と感じやすいのではないか。
プレイヤーの感情をある種の自然な感情の流れに誘導するタイプのゲームとは対極にあろう。
自分にはこのゲームをある種のメタゲーとして受け取っている感覚がある。
・主人公について
なかなか筋金入りのダメ主人公、あまり他でも見かけないタイプの。
主人公のダメさがヒロインたちに許容され受け止めてもらわれる感じ。
その後主人公がそれだけ成長するといった物語上のギブアンドテイク関係が
成立していないところがヘタレ主人公好きの自分には高ポイントでした。
・ゆめについて
ゆめは「ゆのはな」のゆのは的な物語上のジョーカー的存在。
ゆのはと異なり、ユメがジョーカーであることが物語の中では伏せられている。
ゆめの不快さは自分が生きているリアル世界の快不快の力学的法則性を少し捨ててしまえば感じなくなりました。
プリリンは、キャラにしろシナリオにしろ作り物っぽさがあからさまなので、
ジョーカーであることが伏せられている段階でもユメという存在を受け入れられやすかった。
ジョーカー的存在が伏せられた上でのプレイヤーに不快感を与えかねない存在であるが故に、
逆に存在意義を認めている部分が自分にはある。