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spank827さんのCLANNADの長文感想

ユーザー
spank827
ゲーム
CLANNAD
ブランド
PROTOTYPE
得点
99
参照数
119

一言コメント

Key最高傑作

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

Key最高傑作
家族がメインテーマとなっており、現実・幻想、2つの世界が並行してシナリオが進行していく。主に春原絡みのギャグシーンや草野球ルートをはじめとするおまけシナリオ等でプレイヤーを十分楽しませてくれる。多くの弱さを持った朋也と渚がお互いに支え合って、周囲の人々にも後押しされて成長していく姿を描いたAFTER STORYは、非常に高い完成度を誇っている。序盤はこの長い長い坂道をクリアすることを躊躇ってしまうかもしれないが、TRUE ENDをクリアした時には膨大な喪失感を感じるに違いない。本作は完全に美少女ゲームの枠を完全に超えており、人であれば誰もが感動することの出来る超大作である。

〇コンセプト:家族。この町の人々は優しさに溢れている。
〇キャラクター:Keyらしい、非常に癖のあるキャラクター。アニメチックな部分と人間臭い部分が絶妙にマッチしている。
〇グラフィック:やや癖がある。一部のCGは非常に印象深い。
〇サウンド:美少女ゲーム史上最高クラスのBGM。感動的なシーンを盛り上げるのにも一役買っている。
〇エンターテインメント性:十数ルートもある膨大すぎるシナリオ・細かい分岐による小ネタ・おまけルート等、飽きさせない工夫が随所にみられる。
〇リプレイ性:高い。細かいシナリオ分岐や小ネタを全て見ようとすると膨大な時間が必要。

●ルート毎の評価
・共通 100/100
堕落した朋也と春原の日常風景。プロローグの坂の下の出会いはAFTER STORYを終えた後にもう一度見ると感動すること間違いなし。

・渚 95/100
渚ルートというか、古河家ルート。感動的な場面は全部秋夫が持っていく。

・杏 65/100
三角関係が中心となっており、居た堪れなくなってくる。このルートの朋也は個人的には余り好きではない。

・ことみ 90/100
割とアニメ版に近い綺麗な朋也。実は昔に出会っていたというベタな展開はあるが、ラストは人の繋がりの凄さを感じさせる感動的な結末を迎える。

・智代 70/100
後半で一気に駄目になったシナリオ。二人を別れさせるきっかけが弱すぎるため、ラストもいまいち感動できなくなっている。ギャグシーンのみであれば90点台。どのルートでも目立っている春原が一段と輝いている。

・風子 90/100
アニメ版の風子シナリオが原作購入のきっかけとなった自分としては最も印象深いシナリオ。今振り返って考えてみるとベタな気もするが、人を泣かせるシナリオの良いお手本。

・椋 50/100
無難なサブルート。杏に比べて扱いが酷すぎる気がする。

・有紀寧 70/100
雑誌に掲載された後日談がラストに加わっていれば80点台。

・芽衣 80/100
春原兄妹シナリオ。春原と朋也が仲良くなった理由や、二人の友情が中心的に描かれている。

・勝平 60/100
朋也をサブ的な扱いにした方が良かったのではないか。勝平&椋ルート。

・幸村 80/100
サブルート。おじいさんがメインのシナリオがある時点でCLANNADは美少女ゲームではない。

・AFTER STORY(BAD,秋夫等含む) 100/100
この作品の核であり、個人的にはKey作品の中で最高傑作。朋也と渚を中心に古河家・伊吹家・岡崎家といった家族と関わるシナリオ。1つ1つのエピソードが非常に丁寧に描かれており、いちいち感動させられる。汐との和解シーンは今作一番の名シーンである。

・おまけシナリオ(草野球・春原END等) 90/100
ギャグシーンが中心となっている。色々ぶっとんだシナリオもあり、読んでいても飽きることが無い。