Key作品の名に恥じない面白さ。
前作「CLANNAD」では家族が主軸となっていたが、今作では友情をテーマに多数の伏線が用意された重厚なシナリオが展開される。また、腹筋崩壊不可避なギャグシーンやバリエーション豊かなミニゲームでプレイヤーを楽しませる要素が含まれており、Key作品としての安心感と新たな挑戦が伺える。物語の核となるRefrainは、前半のギャクパート・伏線の回収・初期メンバー5人それぞれの主観によるシナリオ等がまったく破綻することなくまとまっており、素晴らしい出来となっている。個別ルートの段階では面白さにばらつきがあるが、全ルートを終えた時には驚くほどの達成感ともっとこの作品に浸りたいという気持ちになるだろう。
〇コンセプト：友情。また、恭介の発言から生産性のない人々への批判・皮肉も感じさせる。
〇キャラクター：良くも悪くもKeyらしい、非常に癖のあるキャラクターが多い。ギャグパートはかなりデフォルメされている感じがあるが、シリアスパートに入ると人間臭さを感じさせる描写が増える。
〇グラフィック：Na-Gaさんの立ち絵・CGは非常に安定している。背景は普通。
〇サウンド：Keyの過去作に劣らず、深く印象付ける楽曲が多い。曲のせいで泣いてしまうシーンも。
〇エンターテインメント性：十数ルートもある膨大なシナリオ・豊富なミニゲーム・完成度の高いRefrain等、飽きさせない工夫が随所にみられる。
〇リプレイ性：高い。特に野球・バトルランキングのミニゲーム。
●ルート毎の評価
・共通 100/100
余り難しいことを考えさせずにギャグでプレイヤーを楽しませ、キャラクターの魅力を十分に伝えている。
・小毬 65/100
ヤンデレ化？。理樹は頑張るけど小毬は・・・。
・クドリャフカ 65/100
１週目は意味がわからないが、Refrain後にプレイすると納得出来る。
・葉留佳 95/100
非常に完成度が高い。複雑な家庭環境を持って決裂している姉妹のお話。
・来ヶ谷 60/100
Refrainありきのシナリオ。前半の理樹の告白に対するメンバーのおせっかいは面白い。
・美魚(美鳥を含む) 55/100
傘がキーアイテムになっていたことしか思い出せない・・・。美魚と同じくどこか影の薄いシナリオ。
・鈴(BAD END含む) 80/100
BADでは期待感が高まり、2週目はRefrainのプロローグになっている。
・Refrain 100/100
言うことなし。このルートのために上記のルートを全てプレイする価値がある。
・佐々美 80/100
CLANNADの某ルートを彷彿させる出来。手堅くまとまっている印象。
・佳奈多 95/100
葉留佳ルートの補完。9:1の罵倒とデレで新たな性癖に目覚める可能性有り。
・沙耶(馬鹿理樹・スクレボ含む) 95/100
スクレボが話の軸になっていることに驚いた。沙耶はアホ可愛いし、ギャグも多め。結末も想像の余地を残している。
・筋肉 80/100
筋肉旋風。クドルートより面白い。