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snowfilさんの乙女が彩る恋のエッセンスの長文感想

ユーザー
snowfil
ゲーム
乙女が彩る恋のエッセンス
ブランド
ensemble
得点
75
参照数
403

一言コメント

千弘は可愛かったです

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

ensembleさんの女装潜入作品の5作目になります。
3作目までは全部プレイして桜舞う乙女のロンドで正直潜入することになった経緯も女装バレの扱いも軽くて途中でやめてしまいましたが、久しぶりにやってみようと思い立ち購入してみました。

共通では女装潜入することになった経緯と主人公とヒロインの出会い、女学園での生活が主になります。
主人公が料理人ということで、料理を通じて主人公の人柄がうまく出せていたかなぁと思います。
主人公ボイスもあるので、主人公の可愛らしさは十分に表現されていました。
潜入しなければいけなくなった経緯もまぁある程度仕方ない感はあるのかなぁと。
最初は成り行きでという感じですが、最後の最後に補足されます。

個別ではどのヒロインも主題とするのはお出迎え会・舞踏会の成功となり、各ヒロインの分担個所を手伝いながら女装がバレたりというイベントを経てヒロインと付き合うことになります。
ある程度仕方ない部分はあるかもしれませんが、お出迎え会組に比べて舞踏会組の準備の描写が薄くて一大行事を任されているにもかかわらず早々に準備が終わり、かといってお出迎え会の準備を手伝うでもなくそれぞれの私用で交流が深まるのにはちょっとあれ?という感じがしてしまいました。
対するお出迎え会組は割と準備に追われている描写があったように思うので、特に違和感があったのかもしれません。
そう考えれば女装バレの扱いも舞踏会側のヒロインでは軽かったように思います。
ライターさんの趣向なのでしょうか。

そしてこの作品の個別ルートの主題になっているお出迎え会・舞踏会の描写なのですが、全員同じ流れにするわけにいかない以上仕方ないとも言えますが正直かなり微妙なものになっています。
例えば舞踏会は年に一度学園のエーデルを決めるための行事だというのにエーデルが決まった描写のないルートがあったり。
エーデルには就任と同時に通り名が付与されますが、通り名が付いた描写がないエーデルがいたり。
過去作のキャラクターを登場させるためお出迎え会というイベントを用意したのは分かりますが、お出迎え会に尺を取られて舞踏会の描写をしきれないくらいなら舞踏会のみに絞ったストーリー構成の方が分かりやすかったように思います。

ただ、シナリオ的に微妙なところはありますがヒロインや主人公の可愛さは存分に堪能できる作品だったように思います。
絵に癖はありますが、CGで描かれる千弘はヒロイン力半端ないです。
細かいことを気にせず女装した主人公が女学園に潜入する話を読みたい方にはとりあえずお勧めできると思います。





…シークレットストーリーに関しては良いお話だったのですが、正直もうちょっと尺をとって読ませてほしかったなぁという気もしています。
特に主人公に告白してからの流れがわざとらしく感じてしまって、もうちょっとうまい見せ方はなかったのかなぁと…。
主人公と絡んでいたのにシークレットストーリーで描写されなかった部分もありましたし、その時の胸の内も聞かせて欲しかったように思います。