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snowfilさんのクロノクロックの長文感想

ユーザー
snowfil
ゲーム
クロノクロック
ブランド
Purple software
得点
80
参照数
270

一言コメント

満が可愛すぎて辛い

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

時間を題材にしたゲームなのですが、一般的なエロゲとは話の組み立て方が大きく違います。
とりあえずD.Dのみ話し方が自分は合わなかったので、既読スキップで読み飛ばしています。
注意点としてはゲームの紹介ページでのヒロイン毎のストーリー紹介は読まない方が楽しめるかもしれません。
完全にネタバレしているというほどでもないですし、核心の部分には触れられていなかったりするので読んだら読んだでつまらなくなるというほどでもありません。

このゲームに関しては厳密にいうと共通ルートと言うものがほとんど存在しておらず、プロローグがキャラクター紹介を兼ねたみうルートとなっています。
そしてプロローグが終わった後非常に短い共通ルートが入り、4人のヒロインから2人を選ぶ→2人の中から1人を選ぶという形でルート分岐していきます。
個別ルートに関しても満以外告白→事情があって関係保留→解決して恋人同士になった→ルート終了という流れなので、恋人同士という関係でのいちゃいちゃ成分は若干不足しています。
そしてルート終了後にHシーンがアフターストーリーのような形で追加される形になりますので、ルート中にHシーンは全くありません。
そんなシナリオ構成なので、全体的には短く感じてしまいがちかなぁと思います。

ここまで他のゲームにはあまりない流れでストーリーが作られているのは4人のヒロイン攻略後に開放されるクロルート、そして最後に追加されるみうルートへ繋げるためです。
それによりクロルートは各ルート完走後のヒロインの感情を活かしたストーリーが出来ていると思います。
みうルートに関してはほぼ蛇足のようなものですが。

ただ、クロルートの演出のためにその前に攻略しなければいけないDD、真琴、美咲は特に恋人関係を保留したままお互いに思いを募らせて、恋人になった瞬間終了というちょっと不遇な扱いを受けてしまっています。
沢渡、安藤の家柄など割と意味がありげに見える設定も実のところ殆ど機能していませんし、細かい設定を気にし出すと粗が見えてきます。
Hシーンを完全に切り離しているのもストーリーの演出上仕方ないのですが、エロゲとしてはストーリーと絡むシーンも欲しいなぁと思ってしまいます。
ヒロイン一人につき2枠しかシーンがないのも昨今のゲームではかなり少なく感じるところ。

そんな中このゲームの良い所を挙げるとすれば、基本的にどのルートでも空気になるヒロインが存在しないという部分が挙げられるのかなぁと思います。
クロルートは全員が活躍しますし、各ヒロインの個別では出番が少ないヒロインはいても完全に空気になるヒロインはいませんでした。
満ルートは恋人的なイチャイチャとはちょっと違いますが、全ヒロインの中で一番恋人以上のポジションでイチャイチャしていたように思います。
満が居たからフルコンプできたかなぁと思う位にこのゲームの中で大好きなヒロインでした。むしろ天使です。
みうのルートは差分レベルなので、解放されたらプロローグを最初から読み直す方が楽しめると思います。

ちょっと癖のある構成のゲームですが、気に入ったヒロインが居たら是非プレイしてみて欲しいです。