ErogameScape -エロゲー批評空間-

snooさんの電激ストライカーの長文感想

ユーザー
snoo
ゲーム
電激ストライカー
ブランド
OVERDRIVE
得点
75
参照数
1003

一言コメント

思い出コレクターをはっ倒す√マダァ?(・∀・ )っ/凵⌒☆チンチン

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

零・天の章のにこにこ劇場が欲しくて予約で当日購入したのですが、
かなり時間をかけて書いたレビューを誤って消失してしまい、今の今までレビューを放置していました。
ですが、どうしてもこれだけは言いたいので、もう一度筆を取らせて頂きます。

空の章ってBADENDだよね…?

先に言わせて頂きますが、私はこの作品を非常に気に入ってます。
発売前のムービーや上記に書きましたにこにこ劇場に強く心を惹かれ、
またヒロイックファンタジー物に飢えていたこともあって迷わず予約させていただきました。
その期待に寸分違わず零の章・天の章ともに90年代の夕方アニメを彷彿させるような熱い展開に大変満足しました。
そして、自分の中で大本命だった空の章にようやく突入だーーーと思ったのも束の間。

おや?

おやおや?

もしかしてこれは――――――天の章の続き?

と言うのも、零の章と天の章はヒロインもお話も全く違う別物という形式になっていたので、
てっきり空の章もまた独立したお話だと思い込んでいたこともあって、この展開には非常にびっくりしました。
また、空の章はこの作品の中で恐らくTRUEという位置づけだと思われるので、
実質天の章のヒロインである『一文字 さやか』がストライカー零のメインヒロインと言っても差し支えがないほどの優待遇ぷりを発揮しています。
事実、この章の中でのはるなは、親友と好意を抱いていた相手が恋仲となり、祝福しつつも疎外感を感じて一人街を歩くという始末に。
『主人公に選ばれなかったヒロインの末路、此処に有り!』
と言わんばかりの不遇っぷりに思わず涙。

さやかはなんだかんだ言いつつも面倒見が良く好きなヒロインではあるんですが、
どうしてもはるなが不憫に感じてしまい、天の章の熱さを忘れて非常にモヤモヤとしてしまったので、空の章は独立した話だったらなぁ…と思ってしまったのが残念でした。
もちろん、天の章の続きである理由はちゃんとあるんですが………
正直思い出コレクターというチートが居る時点でなんでもアリなので、あまり必要性は感じなかった…かな。

それと、多くの方がおっしゃっているように短すぎます。
スピード感・爽快感と言う意味ではプラスですが、話・キャラの掘り下げと言う意味ではマイナスに感じました。
実際、メインであるはずのストライカー空に、全く感情移入出来なかったのが痛いです。
と言うのも、
空の章にてようやく初登場→真主人公とちょっとした交流→敵に利用されましたー、大ピンチ!
…と言う風にあれよあれよと物語が展開し、いつの間にか終わってた状態。
ラスボスとの演出には目を見張るものはあったのですが、
スピィーディーさに拘らず、この章だけはもう少し丁寧に書いて頂ければなぁ…っと。

そのしこりがあったせいか、恐らく泣き所であるお別れのシーンにも興ざめしてしまったのが残念。
しかも―――――――
なんでヤマト少年も一緒に消えてしまうん?(´・ω・`)

てっきり自分は契約不履行の代償にヤマト少年を元に戻すORヤマト少年を復活させ、
漫画の住人は元の居場所に戻るという大団円を期待したのですが――――――
なんでヤマト少年死んでしまうん?(´・ω・`)

ご都合主義だ何だと言われても、私はこの作品に突き進んだ爽快感を求めていたので、
真はるながいくら「ありがとう!ありがとう!」って言っても、『え!? それでいいの!?』と拍子抜けしてしまいました。
もしや、ED後にヤマト少年が帰ってくる描写があるのでは!?
っとドキドキしながら緒方さんの素敵ヴォイスを聞いて待ってたんですが―――そんな事はなかったぜ!
またHAPPYENDっぽくしてるのもまた何とも言えない…
そもそもこの物語の元凶って思い出コレクターなのでは無いでしょうか?

結論を申しますと、
『面白かった!…けど、納得出来ない!!』…っと言う感じです。
キャラクター・コンセプト共に良く、特に緒方さんファン必見って言いたくなるほど、緒方さんの演技が光ってます! 光りに光りまくってます!!
そして、戦闘時の演出は若干チープと感じてしまうかもしれませんが、そこはADVの特性上仕方が無いと言うに他ありません。
おそらく制作側もそう思って、アニメ挿入に踏み切ったのではないかと思います。
数々のアニメの演出や監督を手掛けてる方なので、アニメの出来は非常に素晴らしかったです。
自分は特に暴走バスを止めるシーンが好きですね。

さて、散々愚痴のようなものを零してしまいましたが、
オーバードライブさんの『俺たちはこういうのが作りたいんだ!!』という熱い熱意と情熱がよく伝わり、私はやはりこの作品がとても良い作品だと思います。
媚びた作品よりも魅せる作品
オーバードライブさんにはそれを実現するパワーがあると私はこの作品で感じたので、
今後もこのように自分たちの作りたいものを突き進んで作っていってほしいです。

長々と書き散らしてしまいましたが、ここまで読んで頂けたことを心より感謝申し上げます。
それでは、これにて失礼。

P.S.
『にこにこ劇場天の章』の巻末予告がものすごく気になるんですが………
これってボツになっちゃったんでしょうか?