エロは満足。構成もいいけど・・・
タイトル通り、妻をネトラセ、帰宅時に報告させるシンプルな作りのシナリオ。
ネトラセゲームは初めてプレイした。寝取られや寝取りとはまた違った興奮へのアプローチを期待しての購入だったが、良い点と気になった点がボチボチといった感じ。ただ初めてのジャンルだったので、この指摘がネトラセというものの良さを理解した上でのものかは正直自信がない。
とりあえず良かった点と気になった点を箇条書きでまとめる。
良かった点。
・ヒロインの可愛さ
28歳のOLにしては幼さが見えるものの、可愛らしい性格がよく表現されておりイラストと声にもマッチしている。作品の魅力の根本であると思う。
・小道具の使い方
タバコとコンドームの2つ、どちらもよく効いていて、緊張感を程よく醸し出している。
タバコは、作中でなんども繰り返し描写されている。大人の男性と経験未熟な女性の関係性を際立たせるのに使われるオーソドックスな小道具ではあるが、だからこそ安定した効果を発揮している。間男とヒロインの精神が近づく様子の表現はまさにドンピシャ、っといった感じ。
コンドームは主人公側(プレイヤー)の焦燥感を引き立てるのに効いていた思う。間男が経験豊富さを出しながらズカズカとヒロインに寄ってくる様子はこのジャンルの醍醐味だろう。
・構成の良さ
過去のヒロインの経験(酩酊状態でのキスと持ち帰り)がかなり良いエピソードだった。これによってヒロインの隙、心情のブレが主人公にもよく伝わり、ヒロインは危うい立ち位置にいることを認識されられる。そのうえで間男がその経験を、そのままなぞってくるシーンは破壊力があった。
気になった点
・ヒロインと主人公の絆が弱いというか、元から強くなかったように思えたこと。
この作品で一番気になる部分。
自分の考えではあるが、ネトラセはパートナー同士の信頼関係が強くないと成立しない。ただの浮気になりかねない。
信頼関係、これは絶対主人公に操を立てろ(節操を持つという意味)ということではない。
そもそも夫の提案からこういった事態になっているのに、妻に対して一方的に、自我を抑えて、愛情は自分にだけ向けろ、というのは都合が良い話だ。身体を重ねれば情も湧くし、相手によってはそれが恋愛感情にだってなることもある。
そんな曖昧な状況に自分たちから入り込むからこそ、信頼関係がどれだけそれに打ち勝てる(あるいは負ける)のかがネトラセの正念場なのではないだろうか。
今作では序盤にヒロインと主人公がいかに愛し合っているかが描かれていた。
しかし終盤ではヒロインが主人公に嘘をつく。嘘をつくのが悪いのではなく、なにも感じていないように、或いは主人公より間男の方の側にいたかったかのように嘘をつく。そうなるまでの過程がsexが上手いからしか見て取れない。
これが、主人公にネトラセを勧めた以外で非があったり、間男の仕事姿に見惚れたり、最低でも嘘に罪悪感を感じる様子、葛藤があれば良かったのだが。
結局、二人は許容しあって互いを認めている関係ではなかったのではないかと思えてしまう。ネトラセよりは自分達からネトラレにいっているような雰囲気も一緒に感じてしまった。
・間男の描写不足
間男は最期、本気だとヒロインに告げるけどイマイチキャラクターがみえてこないと感じた。ヒロインを遊び尽くすための方便でもなく、かといって惚れている様子も見受けられない。遊んでるのか、本気なのか、恋愛の駆け引きではそう演じているのかさえ分からないまま終わってしまった。もう少しヒロインとの歩み寄りがあれば物語にハリが出たかもしれない。
とはいえ、ヒロインは可愛く、相手に染められる様子も堪能でき、報告では扇情的なシーンを楽しめる作品なのは間違いない。
これらで欲求を満たされるならば、是非プレイしてもらいたいと思う。