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sipa480000さんの恋がさくころ桜どきの長文感想

ユーザー
sipa480000
ゲーム
恋がさくころ桜どき
ブランド
ぱれっと
得点
90
参照数
559

一言コメント

「恋なんて、するもんじゃないーーー」

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

ぱれっとの作品はましろ色シンフォニーに続き2作品目のプレイです。
今作品は恋そのものについて焦点を当てた作品であり、深く考えさせられました。
攻略順は夕莉>こなみ>美桜>杏>ティナ
遊莉√では姉妹の絆と主人公の葛藤がよく描写されていてよかったと思います。
個人的にはこなみ√が一番精神的にくるものがありました。ましろ色シンフォニーとは異なり今作では実妹ですから、覚悟の度合いが違いました。エンドの後、こなみと悠真は幸せに過ごしていけたのか気になります。なんたって葵さんは最後まで反対していましたからね。ですが、3年の別居を愛する人のために耐え続けることができたのなら、もう二人の気持ちは揺らがないでしょう。葵さんも自分の愛した人の魂と話したことで自分の気持ちを受け入れ、3人の幸せを見つけることができると思います。
美桜√は一番安定していた気がします。しかし、悠真がこなみに留守番を代わってもらったところで美桜がキレたところが個人的には少し無理やりな部分だと感じます。二人の何かしら喧嘩のエピソードを書きたかったのでしょうが、違和感は感じました。
そして物語の核心に触れる死神という存在、杏ルートでは死神のお仕事について、そして与えられた悠真の命とティナの姉について知りました。ここらへんはティナルートに繋げるための情報を小出しにしていたので、少し杏自身のルートにも関わらず、存在が薄かったような・・・
杏とエレのお互いがお互いを案じたが故に起きてしまったトラブルもオカマさんの協力もあって無事解決
エレと杏の両方を幸せにするという主人公の答えにはもちろん満点をあげたい。指輪をあげた時にはエレにも喋らせてあげてほしかったなーなんて思ったり。
最後はティナ√についてですが、自分の好きなキャラがティナだったこともあり、グランドエンドは涙を流さずにはいられませんでした。
遺される人の気持ち、そして遺す側の気持ち
一人の少女は言いました。恋とは自分の事を誰かに覚えておいて欲しい気持ちなのだと。
例え最後には別れが待っていたとしても、恋をしたことで得た幸せはあるのだと。
ティナルートの終わり方はご都合主義ですが、これでよかったと思います。
やさしいかみさまがいたから。それでいいじゃありませんか。
伏線の回収し忘れや特に気になる点も無く、綺麗な終わり方だったと思います。
最後に、この作品をプレイした人、まだプレイしていない人も
一人の死神少女からの言葉をお伝えします。
「恋をしませんか?ーーー」