徹底されたリアリズムや緻密な内面描写ゆえに、これだけブッ飛んだ伝奇にプレイヤーはのめり込まされる
人はフィクションを読む時、著者に協力して違和感を押し殺すように努める心理が働くという。
だから仮面ライダーが変身するまで怪人が待っていてもシラケたりはしない。
FATEという作品が異端なのは、そんな読者の心理に甘える事なく
SFの中に徹底したリアリズムを持ち込んだ事。
そして内面描写を描き倒すので、フィクション特有の超人的な心理状態は存在しない。
だからこそ正義の味方を独善的な異常者として表現する事ができたと思うし
英雄の人殺しとしての側面も覆い隠さなかった。
これがお仕着せのフィクションであれば正義に燃える熱血少年と
心の正しい騎士による勧善懲悪バトルストーリーになっていたはずです
しかし敢えて英雄の内面を現実の一個人にまで落とし込んだことで
本当に共感できる陳腐でない中二ファンタジーが誕生したのだと思います