世間の評価ほどには受け入れられない
面白くないというつもりは全くないが、今年一番の作品、などなど言われている一般的な評価にはイマイチ同調できないと感じるのが素直な感想。
雰囲気や設定など、全体的に中途半端だと感じてしまった。
まず学校という設定、これが必要性を感じない程度の舞台設定にしかなっていなかった。
仇相手がいるから潜入した場所であったというだけで、授業だとか級友だとかの要素がほぼなく、関係者だけで固まっていて学校感がない。
イベントも討伐実習?みたいなのにクラスで赴く、というだけで、早々に敵討ちにシフトしてからはほぼ何もないに等しかった。
わざわざダークファンタジーに組み込んだのだから、それなりに意味のある舞台として活かしてほしかった。
また、仇たちにそろいもそろって意思というものがないのはどうなんだという。
操られていた人はともかく、それに付き従っている三人の意思の希薄さたるや。
そのせいで、敵討ちしてもなんかすっきりしないし、かといって仲間になってもすっきりしない。
まだゲスい下心とかあった方がよかった気がするくらいには、敵側に魅力がなかったと思ってしまう。
あと単純に日常会話が面白くない。
主人公が闇堕ち、というか本来の人格を取り戻してからのテンションが低いのはそういうものなのだと思うが、普通にそれ以前も、それ以後も、会話に魅力を感じられない。
ここは単純にライターとプレイヤーの私との相性の問題なのかもしれないが、設定とかに関係なくゲームにのめり込めるような会話ではなかったなと思ってしまった。
戦闘シーンがアレなのは、まあこういうゲームの宿命なのかなというくらい。
あと個人的に気になったのは某ラノベに超似てるなーと思ったこと。
剣と魔法の学校で、学生として潜入し、家族の仇である教師たちに復讐する。
マジでなんちゃらの魔剣が支配するそのままじゃね、って感じ。
ラノベの方もアニメの一期くらいしか知らないので別に細部まで同じとは思っていないが、衝撃的なレベルで似てたのでそのインパクトは強かった。
良かったところも上げるとすると、リア√の出来だろうか。
選択肢のないゲームかつ、徐々に真実が明らかになっていく構成だったので、一番初めのリア√はなにがなんだかよくわからないまま終わることになりかねない、
というか実際問題全部終わってから見ると何もわかってない状態で終わったわけだが、一つのルートとしてきれいにまとまっていたと思う。
リアというキャラとのエンディングとしてもふさわしいものであったと思うし、読後感はそんなに悪くなかった。
それについてはむしろ良かったと思える点だと言えよう。