インパクトがとにかく強い
噂には聞いていたのだが、ゲームを始めた瞬間から肉塊だらけの風景を見せられるとは思っておらず、慌ててグロ表示の段階を下げた。
歪な肉塊が目の前に鎮座し、それが発する歪んだ声が耳朶を叩く。
まったくもってやってられないし、それらに染まらない沙耶が魅力的に映る主人公の精神状態が一瞬で理解できてしまうあたり、うまい見せ方だなあと感心した。
しかし、それに慣れてくるとむしろグロを隠しているのがもったいなく感じてくる謎の心理が働くのが不思議なもので。
結局エンディングまでグロを一切隠さないようになり、なんなら最後の方は少し見慣れてきたまであったから、まったく人間とは怖いものである。
話としては「やばい地球外生物がいて、しかし主人公はそれに傾倒している」という単純な話かと思えば案外込み入っており、しかしながら奥涯教授の話から見えてくる沙耶の心理というか「愛」に関する話であると簡潔に述べることもできるんじゃないかとも思えた。
ぶっちゃけ、クリアしたばかりの身にはどうと考察する余裕がない。
が、この作品に『――それは、世界を侵す恋。』というキャッチコピーがついていることだけは確かに理解できたと思う。
これは確かに沙耶という少女の愛の物語であった。