なるほど、これが歴史ものの最高峰か
めちゃくちゃ面白かった。
題材的に面白くないはずがないという話ではあるのだが、その前評価を優に超えてきたように思える。
まず1週目でわかりやすい「現代人がタイムスリップしたら」というシナリオを忠臣蔵に沿って展開し、悲しいながらも謎の残る別れをすることで2週目への期待を高める。
2週目では1週目の悔いを晴らすべく熱心に行動し、その裏目を踏んだりと歴史の修正力に絶望させ、3週目では諦めの心境でかかわりを避けようとしつつも、2週の間に培った力が目を引き、巻き込まれてしまうという見事な展開だった。
そのうえで一度現代編を挟んで同じ話を繰り返すことの中だるみを避けつつ、新たな謎とともに脱盟していく仲間への未練を植え付けさせ、そして最後に全てを回収していく。
本当に魅せられたシナリオだったと思う。
そんなシナリオを展開する中で、週ごとに違うヒロインに惹かれてしまう主人公の気持ちもきっちりと表現してくれたので「コロコロ心変わりしやがって」という印象を持たせることなく読ませてくれたのも、見事な点の一つだと思った。
唯一気になることを上げるとすれば、最後のラスボスの登場と、それが引き起こそうとする災厄が唐突に思えた点くらいだろうか。
かなり急に新しい登場人物が現れ、その動機も今までほとんど触れられてこなかったものであったため、ポッと出な感じが否めなかった。
とはいえ、その動機、その恨みのきっかけがわからないではなかったのですんなりとシナリオを読むことはできたので、ちょっと気になった程度。
マイナスポイントと言うほどのことでもない程度である。
総じて、至極面白い作品をプレイ出来て良かったという感想しかない。