カオスチャイルドのガワを使った出来の悪いままごと
2017年3月30日に発売したCHAOS;CHILD らぶchu☆chu!!をクリアしたので感想を書こうと思う。
PS4版をやりまして、プレイ時間はトロフィーコンプまで10~15時間程度でした。
システム面ではカオスチャイルド本編と変わりなく、違和感なく出来ました。
ただ、LCC的にUIが全体的にピンクになっており慣れるまで少し読みづらいのと、
妄想トリガーのポジティブ・ネガティブの位置が本編と入れ替わっているので注意が必要です(見れば分かりますが)
今回ルート分岐のためのYES-NOトリガーも相手のキャラっぽい選択をしていけば辿り着けると思います。
そしてこのLCCは一応公式の後日談となっておりまして、時系列としては本編→LCC→CR(小説)とのことです。
最初に言っておきますが、ただ単に自分がLCCの構成・趣旨を読み取れていないということも十分にありますのでご了承ください。
~~~~ここからネタバレ~~~~
今回の設定と致しましては和久井が世界を改変する能力者を使って渋谷地震時の拓留の願望を
「やりたいことを与えて叶えさせてよ」から「自分を愛してくれる人が欲しい」に変えて世界を改変させたように見せかけて、
実はただ単に本編後のキャラを和久井が個々のキャラの都合の良い夢を妄想シンクロさせてそういったIFの世界を見せていただけというオチでした。
まぁ本編後の拓留に妄想させるという訳にも行かないですしね。
それで大好きなカオスチャイルドのFDなのに何故こんなに点数が低いのかというと、それはただ私が本編とLCCを
切り離して考えることが出来なかった事につきます。結局LCCの内容ほぼ妄想だったという話なのであんまり深く考えないようにするしかないのでしょうが、無理です。
確かにあの拓留の願望があったからこそ本編は狂ってしまったって話ですし、あのトゥルーの後日談は作りにくいから(CRは真っ当な後日談のようですが)、ヒロインとイチャイチャするようなパラレル世界作るにはそこから変えるしかないってのは承知していますが、
あの願望があったからこその宮代拓留であり、尾上世莉架であり各キャラ達だと私は思っているので、最終的にその妄想を否定するとはいえLCCがほぼ根本から本編から設定を変えてしまった上での話なので、私はLCCに出てくるキャラ達が外見と声と性格らしきものが本編と同じだけのキャラとしか思えず「お前達は誰だ?」という言葉しか出てこなかったです。
まぁそれも狙い・コンセプトのうちのひとつだとは分かっております。とてつもない後悔を抱えた本編後のキャラ達が、IFとしてでも、と言うことで何も心配事のない世界と自分を妄想して、これからも叶わないであろう拓留との交際を夢見る。
確かに世莉架以外のヒロインとはイチャラブが描かれますし、それは本編では決して出来なかった事であるため尊くはあります。結衣ルートなんて結人と拓留を初めとしたキャラ達の後悔の象徴で、せめて妄想の中だけでも幸せになってほしい。その願いとても分かります。しかし、キャラへの違和感からカオスチャイルドのキャラの人形を使ったごっこ遊びにしか見えず、非常に空しかったです。本編後のキャラ達の妄想だと言うならせめて描き方だけでも一致させてほしかった。
その中では雛絵ルートは本編個別ルートとの対比になっており良かったと思います。
また本編より遥かに短いにも関わらず、カオチャ全体を通してやLCC内の共通ルートと個別ルートで矛盾があったりと
複数ライター制の妙を見せてくれた本編とは違い、あまり設定も構成も練られていないようでした。
特にキャラの描き方として不満だったのが川原君と世莉架でして、川原君は以前公式サブ?ライターが川原君は噛ませ犬だとツイートして
カオチャ界隈では少し話題になりましたが(なったのか?)、このLCC乃々ルートでの扱いはその最たるもので、
ただ単に乃々ルートを転がす上での嫌なキャラ(本編の数十倍クソキャラ)に成り下がっており、泉理関係のフォローもなく
(というかLCCでは本編と違い泉理は乃々が死んで入れ替わったのではなく、乃々が留学している間に内緒で乃々の姿を取ってしまっただけであり、全くキャラの悩みの重さが違うのでどんなに泉理が悩んでいても「あっそ」としか思えなかったのが難点です。お前乃々が留学から帰ってきたらどうするつもりだったんや)
本当に川原君の扱いはそれでいいのか公式・・・・と思いながらやってました。
そして世莉架は前述した通りLCC内では、生まれた理由からして違うので何をしていても「それで?」としか思えない作りなのはどうかと思いました。LCCでは拓留の「自分を愛してくれる人が欲しい」という願望に合わせて各ヒロイン達を拓留と知り合わせていたが、そんな世莉架が拓留を好きになっちゃって、ヒロイン達と拓留を嫉妬しまくりで大変という展開でしたが本当に「それでどうしたいの?」でした。
世莉架自身も一応は本編に乗っ取った性格をしていますが、ルートに入ると拓留を監禁して拷問しようとする巷でよくある「ヤンデレ」に成り下がっていたのがひじょ~~~~~~うに残念で、そして世莉架自身が「白」だの「黒」の世莉架だとか言い出して、人格の入れ替えを行っているそうです。あなた本編ではそんな設定でしたっけ?
後、結衣・結人ルートを追加した代わりに、うきルートを無くしたのはどういう判断だったんでしょうかね?
LCCでうきは川原君より出番少なかったように思います。ほぼモブレベル。
結論と致しましてはカオスチャイルドのFDを作ってくださった事は嬉しいが、こういう形での陳腐なFDはいらなかったですね。
LCCでは本編キャラ達の願いも祈りも後悔も、決意も何も反映されておらず、SF要素に社会的要素も無く、人の心を抉る展開もない。
本編後の後日談としても、LCC中に何回か出てくるようにただの「蛇足」でした。
そしてカオチャでメチャクチャ大事な情強・情弱について何も触れないのは本当にどうかと思いましたよ。
LCCのライター達は本当に本編をクリアしたんですかね?
何なんですかねこのゲームは。
前作であるところのカオスヘッドのLCCは本編の公式な後日談であり、補完であり、キャラ達の救済という点で非常に優れており本編とLCCで物語が完成しておりましたが、今回のは何もないです。
個人的にFDで見たかったのは本編中での小話だったり、拓留と世莉架の子ども時代をもう少し詳しく描いたものだったり、
本編を別視点から見たもの。そしてカオスチャイルドCRのような真っ当な続編でした。
ここでアニメ版カオチャを持ち出すのは卑怯ですが、あの不甲斐ない出来のアニメも直近であった事ですし
公式はカオスチャイルドをどういうコンテンツにしたいのでしょうか。分からなくなりました。以上です。
とりあえずここまでですが追記するかもしれません