離ればなれになるのは辛いけど、自分に嘘をついて一人でいる方がもっと辛いよね。
完全版やらリメイク版やら出てますが、結局けれ夜がある前提のプロットなので本作単品で完結するはずないのですよ。
というのは置いておき、過去に意中の女性からフラれたり人間の醜悪さを目の当たりにしたり、自身の血に流れるクソみたいな遺伝子の子孫を残さないべく、私はリアルではもう恋愛は諦めているし、正直怖い。
といった様相を初期の主人公に感じるため、とてもシンパシーを感じた。
とはいえ人間は機械ではないので、それでも誰かに愛されたいし、一緒にいたいと思ってしまうのよなぁというのも共感。
以下、簡潔に考察するが、主人公たる舞人は桜の精でしょう。丘の上の桜の木が2本なのは、あの二人を指している。
昔、舞人の母が丘に「来ていた」と作中にあるが、この動詞を使っているため、母は人間で確定。
つまり、舞人が人間になった時に、現母の子になったのだろう。血のつながりも無さそうな。
母が過去を言い渋っていたのはこの辺が理由か。
それ以外の登場人物はすべて人間と思料する。
あくまで、舞人ふくめ、桜の精の効力が恋愛相手にも及んでいるに過ぎない。
ヒロインの忘却(舞人の存在そのものとか、恋愛感情とか色々パターンあるが)のトリガーは、相思相愛になったタイミングであり、その効力がいつ現れるかは規定されないと思われる。
なぜ忘却が起こるかという点は難しいが、ここは物語の前提(数学でいう公理)のようなものと見て、この点には懐疑的な姿勢を取らないに留める。
ひとまず、続編たるけれ夜が待ち遠しい。