初のinfinityシリーズだったが、とても面白かった。既読スキップなしとか、インターフェースが不十分なのと、いくつかの理由があって80点台に。シナリオだけなら90点台でした。
「恋セレ」版をプレイ。名作になりそこねた感が大きい作品。
一人一人ヒロインをクリアしていくごとにどんどん謎が解明されていくのは爽快感があってよかった。謎もそれほど難しいものではなくて、ところどころの伏線から比較的容易に推測できるものばかりで、わかりやすかったと思う。量子論については、プレイヤーによっては厳しいだろう。「シュレディンガーの猫」はだいぶわかりやすく説明されていたが。
どのヒロインのシナリオも泣けるシナリオで、あまり好きじゃなかった沙紀ルートですら最後は感動。遙と優夏が可愛すぎ。
ただ、インターフェースもさることながら、いづみノーマルの内容が酷すぎる。ゲームの世界観がぶち壊しになっていてとても残念だった。初回のinfinityはさぞかし評判が悪くなっただろうな・・・
BGMがよかったことも忘れられない要素。ゲームやってて久々にBGMがいいと感じた。
シナリオ考察について、このゲームではいづみキュアまで来ると大きく分けて2通りの無限ループについての解釈が出てくる。
それは
① 特別な力(鈴?)によって起こった
② キュレイシンドロームによって引き起こされた妄想(現実)
である。
この作品では、結局最後まで真相が明かされず、むしろどちらの可能性も考えられるような終わり方にしていたので、これはとてもよかった。小説でいう所の「あとは読者のご想像にお任せします」というものかと。個人的には好きな終わり方だった。
グランドフィナーレの終わり方から考えると、著者は①を本筋としたかったと思えるが、やはり「妄想でした」で終わるよりはいいだろう。「どちらが真実かよりも、どちらが信じられるかが大事」ということかな?