「“ジャンクセックス”より“スローセックス”だよネ!」がテーマの作品って思っていたら、ラストのサプライズ展開にビックリ仰天(追記:3/2、修正:3/10)
履歴(2023年)
2/28:初稿(はじめに、プレイし始めての洗礼、大人な作品、エッチ関係、不具合、おわりに、備忘録)
3/02:追記(補足事項:★本作におけるハーレムエンドの意味と意義)
3/10:修正(全体的に些細な修正・追加)
〇はじめに
他の方々が枕の新作シナリオゲー?の感想を書き連ねる中、低価格抜きゲーの感想を書いてしまって本当に申し訳なく、心苦しく居たたまれない気持ちでいっぱいなのですが、購入してプレイしてしまったからには、所信表明しておこうと思い立ちました。
正直に告白しますが、私、この作品がプレイしたくて購入したのではなく、DMMの失効予定額:1,444pt を消化すべく2月の発売予定表から簡単に終わりそうな馴染みあるブランド作品を選択しただけなのです。
とは言っても、「簡単に終わりそうな馴染みあるブランド作品」という選択基準は、私にとってはとても重要でした。なぜなら、最近フルプライス作品を最後までやりきる気力が続かず(先月の『廃村少女 ~妖し惑ひの籠の郷~』もゲーム内経過時間の5日目にしてギブアップ)、Argonauts作品なら『うちカノ』シリーズはプレイしたから、出来具合と構成は把握可能だと安易に考えたからなのです。
ただ、実際にプレイし始めて即、この判断が大きな間違いだったと気付かされることになったのでした。『うちカノ』シリーズは個々の話が完全独立だったので、Argonauts作品の三部作は完全独立だと思い込んでいたのです。まさか、前シリーズから三部作が1つの繋がったストーリーを紡ぐ作品になっていたとは……。
というわけで、前二作を未プレイで感想を書く羽目になってしまいました。この前提での感想ってことにご注意の上、以下の感想をお読みください。
〇プレイし始めての洗礼
プレイし始めての冒頭で「あれ~、やっちまったゼ!」って思いました。
路加「あの……ンン。一応、3人にも報告しておこうと思うんだけど……」
路加「私も、することにしたの。研修……」
:
摩美「あの、プロジェクト自体は別として。
路加さん、浩市さんのこと、気になっていたように見えたから……」
「研修」って何? 「プロジェクト」って何? いきなり初っ端から???状態ですよ。そうこうしているうちに、
路加「3人は、今は、広瀬君の彼女……ということになっているわけだし」
へっ!? 主人公って既に彼女が三人いるの? って唖然です。ここに至ってようやく、本シリーズは、どうやら続き物だったのだと確信できたのでした。
ということは、主人公は既に三人と「研修」なるものを済ませた経験者ってことだから、今回の“路加(るか)”との「研修」はスムーズに運ぶってことなのかな? 少なくとも、最初の“摩美”との時とは違うってことだよね。本シリーズの前二作をプレイしていない私にとっては、そういった相違に関するバックグラウンド情報がない状態で本作をプレイしなければならないことが、現状の問題点だと痛感したのでした。
さて、取り敢えず分からないなりにもストーリーを進めていくと、
理事長「それは別に関係ないわよ。ONプロジェクトは、何も生徒だけのもの
ではないから。門戸は、この里の女全員に開かれている」
「研修」は「ONプロジェクト」に関係するってこと? そもそも「ON」って何?(因みに、本作を最後までプレイしても「ON」が何の略なのか分からず)
未だに「研修」も含めて???状態ではあるものの、そのまま進めていくと、
ト書き:ひょんなことからこのサキュバスの里にやって来て、女の子相手の研修が始まって。
ト書き:これまでの俺は、あくまで女の子のサポート役だったと思う。
ト書き:仕事は与えらえたもので、俺はそれを、自分なりに真面目にこなしてきただけのことだ。
どうやら「研修」とは主人公にとっては仕事としての位置づけらしいことが判明。しかし、公式Webサイトの「STORY」を見ても、主人公が“摩美”に見知らぬ里へ連れて来られた後のことなど何も書かれていないので、この時点に至っても、未だにちんぷんかんぷん状態ですよ。
ト書き:けど――今回ばかりは、少し事情が違っているような気がする。
ト書き:単なるサポートというのを越えて、自分も主体になっているような……。
ト書き:今感じているドキドキの正体も、そういうことかな。
ト書き:とうとう自分も舞台に引っ張り出された――という高揚感。
やばい。これまでの二作をプレイしていないから、書かれている内容がさっぱり理解できない。私から見れば、最初の“摩美”との研修が、もっともドキドキした高揚感いっぱいだったんじゃないのかと思ってしまったのだが……。
(プレイ後に振り返ってみると、“路加”は他の三人と違ってそもそも高校時代の彼女で、「研修」という名のサポート仕事とは割り切れない感情の発露ってことみたいですね)
とはいえ、ストーリーを進めていくと、少しずつ情報が得られて補完されていくので、ある意味、前二作をプレイした方々とは違った本作に対する初体験を堪能できたとも考えられます(邪道だけれど)。例えば、
ト書き:俺は彼女と二人で、まずは寮の通路を清掃していた。
ト書き:本当は二人がかりでする必要もないのかもしれないが。
元は彼女が一人でこなしていた作業量だ。
ト書き:たぶんそういうこともあって、彼女はたまに俺に言っていたんだと思う。
路加『リタイアしたシルバー世代の方じゃあるまいし、
夢も未来も希望もある若い男の人が、続ける仕事とも思えないけど』
という場面になれば「主人公は寮監の仕事もしているのか」とか、
ト書き:友莉ちゃんのおかげで、魑魅魍魎が祓われた今、俺はもしかす
ると、以前よりも良い仕事が見つけられるのかもしれないが……。
という場面になれば「主人公、悪霊に取り憑かれていたの? それを“悠莉”が祓ったの?」とか、
路加「クス、ごめん。でもなんか、広瀬君のこと、放っておけない気分になる」
浩市「へぇ? なんか嬉しいな」
路加「高校のときから、そんな感覚だった気がするけど……。
変な目にばっかり遭っていたからかな」
ト書き:それは俺が魑魅魍魎に取り憑かれていたせいだろう。
ト書き:体育館にいるとき、突然、頭上に照明が落ちてきたりとか。
確かに、変な出来事が多かった。
という場面になれば「主人公と“路加”は過去同じ高校に通って(設定ではクラスメート)いて、主人公は昔から魑魅魍魎に取り憑かれていたのか」とか、
浩市「で、軽めの愛撫から初めて、最初はゴムを使って、そして最後には、
サキュバスの姿になって、一緒に絶頂する……というのがゴールなんだけど」
という場面になれば「研修の段取りってこうなるんだ」ってことを初めて知り、つまり私にとっては全て新鮮な出来事、新たなる発見となるわけです。
しかし「サキュバスの里」や「学園とその寮」の詳細については、本作では一切触れられていないので、本作だけプレイすると、
・「サキュバスの里」と「日本」との関係(法律的な)
・「サキュバス」と「人」との関係(法律的な)
・「サキュバスの里」と「学園」と「寮」の社会と日常生活
とかが全く把握できず、本作を進めていくと「法律的にどうなの?」って思うような事柄に直面することになるのです。例えば、そもそもサキュバスの里は日本の法律が適用される場所なのか?とか。
本作では、ONプロジェクトの隠された目的の一つに、サキュバス種族を維持するために子供の誕生が挙げられているのだけれど、主人公とその恋人4人は、将来的に重婚ってことになるのだろうか? しかし、日本の法律が適用される場所だと、重婚できないし。それとも日本の結婚制度には則らないで、非嫡出子とするつもりなのだろうか? それ以前に、そもそもサキュバスは人として認知されているのだろうか?
考え始めると興味が尽きないのですが、前二作をプレイすれば、この辺、明確になるのだろうか?
はてさて本作、私にとっては、ポジティブに考えれば全てが新たな発見の連続で新鮮なのですが、ネガティブに考えれば既出情報と新規情報の区別がつかないので、ライターが意図しない邪道な解釈で、本作を評価する可能性が高いともいえる状態に陥ってしまったことを、ここに至って改めて認識したのでした。
〇大人の作品
私のエロゲー選択方針の一つに、「主人公たちが大人の作品」というのがあります。いや、もう年齢的に「学園」なにそれ?みたいな。大人の世界の話が見たい、読みたい年頃なのです(笑)。そのため、ポイント消化という安易な動機での購入ではあったのですが、それでも主人公(浩市)と本作のメインヒロイン(路加)の設定は、最低限考慮しました(二人とも社会人ってことね。プレイしてみると24歳前後って感じなのかな)。
また、前二作までに攻略?した主人公の他の三人の恋人達とは違って、主人公は“路加”のことを最後まで名で呼ばず、“忍野さん”と姓で呼ぶことで押し通していました。これも年齢的な大人と子供への対応の違いを明確にしたこだわりとも言えるのかもしれません。
その観点から本作を評価すると、大人の会話とか、お酒とか、よくある大人成分が楽しめました。ここは、私にとっては良かった点かな。例えば、次のとおり。
★大人の会話(男女関係の機微)
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浩市「あの当時、図書室でそんなに喋ったわけでもないけど、なんか嬉しかったなって」
:
路加「たとえば小説なんかは基本、文字だけの情報じゃない」
路加「漫画は絵もある。映画になるとさらに音も付いてくるけど、せいぜいそれくらい……」
ト書き:さっきの話との繋がりが、よく見えなかったが、俺は大人しく聞いた。
路加「でも人間同士が一緒にいるって、そういう、限られた感覚だけじゃないものね。雰囲気なんていう、捉えにくいものも感じて……」
ト書き:それでなんとなく分かった。
浩市「つまり、そんなに会話がなくても嬉しかったのは、雰囲気も含めて……ということか」
:
路加「五感まで使って、相手に触れて。それでやっと、相手のこと……というより、自分の気持ちが分かるんじゃないかなって、今はそんな気がしてる」
路加「でもそうなると、わりとふわっとした気持ちのまま、エッチしたりするのかな」
路加「それって、ふしだら?」
:
浩市「うーん……。ただ、俺も今では実感してるんだよね。あの、研修を通して……だけど」
浩市「体を重ねると、それだけ相手に気持ちがむいちゃうのは、やっぱりあるなって」
浩市「そんなのは男の勝手な言い草かもしれないけどさ」
路加「ううん。手も握らないのに、相手を好き好き言えるのは、それこそ、ピュアな年頃だけの特権……だと思う」
:
ト書き:俺たちは、そのピュアさを既に失っている……ということだろうか。
ト書き:それはそれで、寂しいことかもしれないけど、でも今は、ピュアな頃にはまだ知らなかった幸せを知っている。
ト書き:俺は今のほうが前よりも幸福だと、はっきり言える。
:
路加「だからさっき、歩いているとき、前の彼女と恋人らしいことはしなかった……と聞いて、悪いけど、嬉しくなったの」
路加「そういうことなら、彼氏彼女という関係ではあったにしても、心まではきっと、奪われなかったでしょうから」
:
ト書き:前の彼女に振られて、その勢いで学校まで辞めたわりには、その後、未練がましく思い出すことはなかった。
ト書き:心まで奪われていたら、それでは済まなかったのだろうか……と思う。
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一般的によく言われる男女関係の機微を述べたものだと解釈できる文章ですが、少なくとも学生の会話というよりは、大人の会話だよね。
ここで言いたいのは、「実態のない雰囲気のような空気感だけではなく、実態のある体も重ねないと、人間同士は一緒にはいられない」っていう、婚前交渉は必要ですみたいな意見なわけですかね。これに関連してのセックス教訓として、
ト書き:体を重ねると、またひとつ、心も重なっていく。
ト書き:そういう心と身体の繋がりを、改めて感じる俺だった。
という事が後で述べられているのですが、私的にはセックスすることと心の掌握との因果関係が、いまいち分からなかったです。なんか良かれな理論を組み立てたけれど、中身が薄いようにも感じました。
そもそも、彼女に振られて学校を辞める(大学中退らしい)のって、普通に考えたら十分、心を奪われた状態だって判断できるのですが……。心中までいかなかったら、心を奪われた状態ではないっていう理論なのだろうか? “精子”だけじゃなく“生死”まで懸ける幸福論って、本当に幸せなのかなって思ってしまいます。
一部の昆虫のように、交尾後の栄養補給にメスがオスを捕食する行動(性的な共食い)が、真実の愛ってことになるのだろうか? カルトの勧めですか、カルト!? でも、魑魅魍魎の憑依なんかもストーリーに組み込まれていたみたいですし、カルトとオカルトの融合がテーマの作品ってことなのでしょうか? どうせなら、宇宙創造にまで踏み込んでビックバンして欲しかったです(笑)。
★お酒デート(居酒屋&自室)
(居酒屋で)
浩市&路加「「かんぱい」」
ト書き:軽くグラスを合わせて、早速いただく。
浩市「お……美味い」
路加「うん、美味しい」
ト書き:メニューを見てみると、純米大吟醸となる。結構なお値段だけど、味は美味しい。
:
ト書き:料理が美味いと、つい酒が進むというのは、ありがちなことで……。
路加「なんだ、広瀬君も結構イケるほうなのね」
ト書き:気が付けば結構飲んでしまっている。
浩市「顔、赤い?」
路加「んー? 暗いから分かんない」
ト書き:アルコールの影響か、忍野さんもいつもより砕けた口調だった。
⇒この後、二人の過去話を交えつつ、二人の恋を確認して、お開きって展開に。
(自室で)
路加「じゃぁ夕方頃、また広瀬君の部屋に行くから。おつまみを持って」
浩市「おつまみ?」
路加「お休みにするなら、軽く飲まない?」
浩市「おぉいいね」
路加「うん。じゃぁ謎の手料理を持って行くから」
:
ト書き:忍野さんは片手に一升瓶、片手にバスケットをさげて部屋にやって来た。
浩市「おおすげぇ」
路加「すごいでしょう。初めてまともに料理なんかしたわ」
浩市「あ、そっちじゃなくて。一升瓶」
⇒セックス休暇の中休みでの一コマって感じのほのぼのシーンです。
⇒「初めてまともに料理」だから、事前に「謎の手料理」と比喩したんだよねって思っていたら、その後、
ト書き:今朝は“謎”なんて謙遜していたが、そんなことは全然なかった。
と解説されていました。いや、ちゃんと正しく解釈できていたからって、思わず突っ込んでしまいましたが(笑)。
お酒のシーンって、突き詰めると会話を楽しむシーンだと、私は思っています。なので、本作の話ではないのですが、個人的には、お酒のシーンで伏線はったり真面目な話をされると、ちょっと凹みます。そんなことは、素面(しらふ)のシーンの時にして欲しいって、思ってしまいます。
〇エッチ関係
抜きゲーですから、本作の神髄は、エッチです。低価格作品の割には、沢山(25回)のエッチシーンがあります。エッチシーンの内容も、きちんとストーリーに組み込もうとする努力は認められますし、そこそこエッチなのかもしれません。しかし、いくつか個人的には改善して欲しい事柄もあります。
★路加のおちんちんの握り方が変
路加が仰向けの浩市の右側から添い寝するようにしながら、浩市の乳首を嘗め回しつつ右手でちんぽを握って扱くシーンが数回あります。例えば、次のとおり。
ト書き:そんなことを言いながら、乳首を優しく責められ、彼女の柔らかな手の
中で、ペニスがさらに反り返る。
ト書き:手の動きももう手慣れたもので、ペニスの性感を巧みに引き出していた。
この場合、普通なら、親指と人差し指の輪っかが上側になるように握ると思います。そうでないと、親指と人差し指の輪っかでカリ首を上手く擦れないですから。しかし、本作の絵では上下逆向きに(親指と人差し指の輪っかが竿の根本に向くように)握っているのです。
「手の動きももう手慣れたもので、ペニスの性感を巧みに引き出していた」なんて書いてありますが、絵の描写を真とするなら、はっきり言って、手首を左回しに捻って握るのは握りづらいだろうし、その状態で上下には扱きづらいことは間違いありません。野球のバットを、左右の手で上下逆に握るのと同様な違和感を覚えてしまいます。恐らく、構図的に手の甲側を見せたいという意図があったのかもしれませんが、動作上の理に適っていないので、これは絵の描写を間違えたとしか思えません。
★目にハートマーク
文章中での「💛」マークに合わせて、ヒロインの両目にハートマークを点灯させたりする演出をしているのですが、最近、このような演出作品、多いなって思ってしまいました。まぁ、本作の場合、目の角膜、瞳孔、虹彩の表現とハートマークの描写の関係で余り目立たず気にならないので、ちょっとしたアクセント的な雰囲気を醸し出す程度で済んでいます。そのため悪くはないです。
★射精カウンター
抜きゲーですからね。ハートマーク表示のインジケーターを標準装備しておりますです、はい。
★射精後のコンドーム描写と説明が秀逸
路加「見せて」
路加「あは……すごい♥ 先端が水風船みたいに膨らんでる……」
路加「私が外すわね」
浩市「ん、いいの?」
ト書き:忍野さんはうなずいて、かいがいしい手つきでゴムの処理をしてくれた。
コンドームを付けた後の射精後の具体的な描写って、なかなかないので新鮮。ちゃんと絵の方も、コンドームの先端の精液だまりが丸く膨らんでいます。欲を言えば、“路加”がコンドームを外す具体的な説明と描写を追加してくれれば、完璧だったと思います。
★乳首が勃起してくれない
ト書き:すごい……。乳首もずいぶん充血して…
膨らんじゃってる。
ト書き:自分のものとも思えないほど、
充血している乳首が、なんだか卑猥で…。
絵の乳首が、文章どおりに充血して膨らんでくれない。文章どおりに絵が追随しない(乳房を揉むシーンがあっても揉んでくれないなど)のは、殆どのエロゲーでよくあることなのですが、私はいつもこれは手抜きだと思っています。今回の場合、乳首を勃起させる差分描写など、作業的には、そんなに手間ではないだろうって思ってしまいます。
★お風呂に入って
主人公の自宅の風呂場って、高級ホテルか高級ソープランドのバスルームかよってくらい広い(エアーマットがあるからソープランド仕様なのかも)のですが、そんな風呂場での入浴でパイズリシーンがあります。実は、そのシーンになる前から浴槽内に浸かって入浴中という場面がシナリオ上では続くのですが、それが浴槽を背景画とする立ち絵で表現されているのです。浴槽内で入浴している筈なのに、浴槽外の浴室内で裸の立ち絵って、シュール過ぎませんか? 私なんか違和感もりもり状態でしたよ。
エッチシーンの絵以外に、単なる入浴中の絵を新たに制作したくなかったという内部事情は分かるものの、見た目に変なのはどうしようもありません。誰も入浴していない浴槽の背景画を目にしながら、その前に立ちはだかる浴室内での裸の立ち絵を入浴中に見立てるのは、私の脳内変換ではとても困難です。今後制作するであろう作品のために、何らかの是正対策(シナリオか絵のどちらかで対応でしょうかね)を求めたいです。
★かっこ悪いセックス①
(必死におっぱいを吸っている状態で)
浩市:でもここまでしたらさすがに
かっこ悪い?
路加「え…? そんなことないけど?」
浩市:顔を左右に何度も振ってさ。
必死すぎっていうか。ちゅ、ちゅぱ…。
路加:くすっ…かっこ悪くはないわね。
可愛いとは思うけど。
:
路加:セックスとか、仮にかっこ悪くても
いいと思う。
路加:愛されるほうが、こちらはずっと
嬉しいもの…。
このシーンで、セックスの「かっこ良い、かっこ悪い」ってなんだろうって考えてしまいました。「セックスが上手、下手」、「セックスをする、しない」って尺度で検討するのだろうか。なんて考えて調べていくうちに、
『ジャンクセックス、カッコ悪い』
『妻が嫌がるHをする男性、下手くそ』
という価値観が定着することを願いますと書いてあるブログを見つけて、ジャンクセックスとはなんぞやって調べてみたら、
ジャンクセックスの対義語=スローセックス
だと書いているサイトがあり、ここから私の一言感想に書いたジャンクセックスとスローセックスについて、暫くゲームプレイを放って、思いを馳せて熟考してしまったのでした(笑)。
真面目な話、本作はスローセックスを基本としていると思います。これは、エッチシーンの当初から、私はすぐに頭に浮かびました。大人のセックスを癒やしと絡めたらスローセックスだよねって、推察したからです。
そのため、本作はスローセックスを基本として話を締めるのかと思っていたら、ラストはなんてこったみたいな展開になってしまったのです。本作は『癒やしてあげたい』シリーズじゃなかったの? 製作者たち、コンセプト放棄も甚だしいにも程があるって感じですよ。まさかの『孕ませ酒池肉林』シリーズに変貌してしまうとは……。
★かっこ悪いセックス②
路加「前回、広瀬君、必死すぎるのはかっこ悪い……? みたいに言ってい
たけど……はぁはぁっ……」
路加「イキすぎる女の子も、かっこ悪い?」
浩市「ううん、そんなはずないさ。可愛いよ……すごく」
結局、恋人の二人には、なんでも「可愛い」の一言で片付くというのが、最終結論ってことみたいです(笑)。私のジャンクセックスとスローセックスに関する熟考時間を返せ!!!
★そこそこエッチなスローセックス例(お風呂での対面坐位)
ト書き:もはやおっぱいを唾液でべとべとにしてしまいながら、懸命に腰を揺さぶっていく。
ト書き:どくどくどく。
浩市「ちゅ、ちゅっ……ううぅっ……っ……」
ト書き:最後は、顔面をもう柔らかなおっぱいに埋めての射精だった。
ト書き:顔面はおっぱいに包まれ、おちんちんはおまんこに包まれて、あまりの幸福感で、溢れるような射精が続く。
路加「んんぅ、はぁっ……あったかい……あなたの精子……んんっ……」
ト書き:彼女のほうも、より深いところで受け止めようと、体重をかけてお腹を押し付けてくれた。
路加「ねぇ、もう少しおっぱい続けて……?」
浩市「うん、ちゅ、ちゅぷ、ちゅぷる……」
ト書き:結構長いこと愛撫を続けて、忍野さんの乳首はもうすっかり充血してしまっている。
路加「はぁ、んぁっ、はぁはぁ、んんんっ……っ……」
ト書き:まだ俺の精液をたっぷりと含んでいる蜜壺が、愛撫を受けて小刻みに震える。
⇒懸命に腰を揺さぶる時点でスローセックスじゃないだろという批判はおいといて(射精時の部分だけ抜粋しただけだし、「結構長いこと愛撫を続けて」って所に注目して欲しい)、ここでは「幸福感」という言葉がキーポイントかと。
⇒因みに、乳首が充血ってなっているけど、お約束どおり絵の乳首が勃起描写にならないのが残念な点ですかね。
〇不具合
文章と絵の不整合、言葉の用法間違い、誤字・脱字・衍字、声優さんの読み間違いなどを記します。
★文章と絵の不整合
(寝起きで)
ト書き:起き上がると、彼女は何故か布団を体に巻き付けた。
浩市「? 何してるの?」
路加「あ、見ちゃだめ……。今、ショーツだけだから」
浩市「え、なんで?」
路加「だってメイド服のままじゃ寝られないじゃない。あれ一張羅なのに……しわしわになる」
⇒前夜の膝枕就寝時の絵での“路加”は「ブラジャー+ショーツ?(“浩市”の頭で覆われ未確認)」姿だったのに、その後、わざわざメイド服を着るって発想になるわけがない。そのため、この文章を是とするのなら、前夜の膝枕就寝時の“路加”の恰好がメイド服姿でないと、辻褄が合わない。これはスタッフの調整ミス? それともブラジャー絵は他のシーンでも使い回しているので、新たなメイド服姿での膝枕絵の制作を端折った手抜きの結果?
★言葉の用法間違い
(自宅のお風呂でのシーン)
浩市「あっ、はぁっ……っ……でもちょっと、ほんとに苦しくなってきた。ううぅっ……!」
路加「えっ……そうなの? 精気はそんなに奪っていないと思うんだけど……」
浩市「あの、それじゃなくて、湯あたりっていうか? はぁはぁっ」
路加「あ、あぁ……そっか。もう結構長いこと、お湯の中にいるし……んんっ……」
路加「本当に湯あたりしちゃいそう?」
:
浩市「忍野さんの太もも、ほんとに気持ちいい……ふぅっ……」
路加「ふふ……」
ト書き:忍野さんがまた頭を優しく撫でてくれる。
ト書き:さっきの疲れと、あと湯あたりした影響もあるのか、急に眠くなってきた。
⇒単語の語彙的な意味(語釈)の間違いってことで、ここでの「湯あたり」は「のぼせ」が適切な言葉ではないのかってことです。
⇒なぜなら「湯あたり」とは「温泉成分で何らかの中毒を起こす浴用反応のこと」を指す温泉入浴用語であって、普通のお風呂での入浴で使う言葉ではないと、以前に私は行きつけの銭湯の脱衣所で、背面全体フルカラー塗りつぶし和風刺青の気の良いおっさんに力説しました(笑)。
⇒私の行きつけの銭湯では、枠線工事中(または枠線止まり)の人は多いけれど、フルカラー塗りつぶし完成形の人は少ないです。
★声優さんの読み間違い
摩美「止まった時間をまた動かすって、なんか素敵な表現ですね。私たちの場合は……夏祭りデート?」
⇒「止まった時間も」と読んだ。
路加「あなたを癒やせたらいいな……とは思っているの」
⇒「……とは思って」を「……と思って」と読んだ。「と」で一端切っているので「とは」と読んでいるのかと思ってBGMを消して何回かリピートさせて確認してみたが、「とは」とは読んでいないかな。
★誤字・脱字・衍字
ト書き:さすがに気になったので、動きつつもティッシュで拭ったのだが……。
ト書き:しかりあまりに大量に出したらしく、拭いても拭いても、切りがない。
⇒「しかり」は「しかし」の誤字?
真凜「あ……ほんとだ……♥」
友莉「え、何か?」
真凜「おちんちんがイクの、子宮で受け止めたら……、あたしも、子作りとかアリかも……? ってちょっと思った……♥」
⇒「何か?」ではなく「何が?」ではないと会話文としての意味が通らないのではと思いました。
“真凜”の「ほんとだ」を受けての“友莉”の言葉なのですから、
「何が本当だ」では意味が通るけれども、
「何か本当だ」では意味が通らないのでは。
友莉「わたくし、本当にあなたのものなってしまう日を、楽しみにしていますわよ……♥ んんっ、はぁっ、んんんっ……♥」
⇒あなたのものになって
(追いかけてこなかった……というのは、良かったことのはずだ。)
(けれど忍野さんはどことなく、寂しさを漂わせていた。)
⇒()内の文章の最後の句点は不要なのでは。実際、他の同様な文章では最後の句点なしで、この二箇所だけが句点ありでした。
路加「それで詳しいことを伝えたら、ママも安心したみたいで、「良かったね」って」
摩美「あん、なんか「じゃーねぇ言っとくか」みたいな言い方です……。はぁんぁっ、あぁんっ……」
⇒両方とも「」内は「」ではなく『』になるのでは。
〇おわりに
ここでは、本作の構成上における完全なネタバレを含みますので、これからプレイするご予定の方は、読むのを止めた方が良いでしょう。
最初に、本作の評価を簡単に述べるとすれば、本来は「テーマの『癒やし』に則ってスローセックスをベースに制作された抜きゲーの良作。“浩市”と“路加”、それぞれのシリアスな過去を清算し、共に生きる道を選択した二人に幸あれ」という評価で終わった作品であった筈なのに、ラストのサプライズ展開で見事に裏切られた作品となるでしょうね。
抜きゲーとしては、ラストのハーレムエンドでのハーレムセックス三昧の日々は、賞賛される決断となるのかもしれませんが、タイトルをつけた作品としての“けじめ”を放棄した制作方針には、甚だ疑問であると言わざるを得ません。
いい感じにスローセックスで進行して、二人それぞれのシリアスな過去を清算して大団円で終わらせれば良かったものを、ONプロジェクトの隠された目的の一つに子供の誕生があることを拠り所に、孕ませ子作り方針を推進することになってからの、既存のあまたのハーレムエロゲー作品と何ら代わり映えのしない表現でのハーレムセックス三昧(しかも結構な数のシーンと長さがある)の日々で締めくくられることになった日には、
ト書き:ここはサキュバスの里――癒やしの処(ところ)。
という設定である『癒やしてあげたい』シリーズとは一体、何だったのか? と頭上に大量の?マークが精子のように泳ぎまくってしまいました(笑)。まさかの『孕ませ酒池肉林』シリーズへの変貌に、Argonautsブランドは他社のNornブランドへと衣替えしたのかなって、本気で思ってしまいましたよ。
公式Webサイトではハーレムエンドなんて一切臭わせていないので、これはサプライズ効果を狙ったものだと思われるのですが、こんなんアリなんでしょうか?
そもそも本作のタイトルは、
『忍野路加は癒やしてあげたい』
であって、
『摩美、友莉、真凜、路加は癒やしてあげたい』
ではないのですから、なんでハーレムエンドを全面に押し出した終わり方にしたのか、理解に苦しみます。ハーレム部分をオプションとし、おまけとして提供するのなら納得できますが、本編に組み込みのハーレムエンドじゃ、タイトル詐欺じゃないですか。
ラストの締めも、系列の MOONSTONE Cherryブランドで出した『セックスオープンワールドへようこそ!』のラストの締めの言葉、
みんな「この世界へ、ようこそ!」
に倣って、
みんな「私も」「わたくしも」「あたしも」「私も」
みんな「大好き♥」「大好きですわ♥」「だーい好き♥」「大好きです♥」
としているのですが、結局のところ『癒やしてあげたい』シリーズとは、「フルプライス作品をきっちり三分割して提供された分割三部作の総称であり、ハーレムエンドで終わる作品群である」ということになるのでしょう。これを前提として納得した上で購入しないと、独立した単品だと思って購入してしまった私のように、路頭に迷うことになります。
さて、最終的な評価ですが、本来は三部作で一つのフルプライス作品として評価すべき作品であることは間違いないでしょう。そのため、単品での評価などしてはいけない作品となります。そもそも、ハーレムエンドにした時点で単品として成り立っていない作品ですし、それ以前に前二作をプレイもしていない私では、尚更そう思ってしまいました。
それでも単品として販売している以上は、単品として評価してくれて構わないということですよね。そうであるならば、ハーレムエンド部分さえなければ、単品として十分評価できる内容の作品ですから、抜きゲーとしては、76点はあげても良かったです。
しかし、タイトルに則った単品としての評価で考えるとするのなら、ハーレムエンド部分は明らかに不整合で余分(厳密には“浮いている”)です。しかも、内容的には、いくら子作りという御旗を立ててストーリーに組み込んだとしても、やってることは既存のハーレムエンド作品の焼き直し、というより劣化コピー版と言ってもよく、出来が良いとはとても思えない。
ハーレムセックスの内容をスローセックスとして描くシナリオにする英断をするのならともかく、単なる通常のジャンクセックスとして描いただけで終わらせたのは、「癒やし」からかけ離れたコンセプト破綻も甚だしい。減点です。
ということで、66点とさせていただきます。
3/2追記
〇補足事項
★本作におけるハーレムエンドの意味と意義を考察
そもそも「癒やし」と「孕ませ酒池肉林」がどうして結びついたのかってことなのですが、本作のラストあたりで、次のように語られています。
(“路加”が刑務所で母と面会後のシーン)
路加「君は、一人じゃないんだよ、広瀬君」
浩市「君も、一人じゃない……」
ト書き:俺たちはまた手を繋いで歩き出した。
:
ト書き:俺は本当に癒されたのだと思った。★
ト書き:彼女たちのおかげで。
ト書き:摩美ちゃんは、俺が確かに女の子を愛せるという、男としての自信を取り戻させてくれた。
ト書き:友莉ちゃんと真凜ちゃんは、俺に憑いている悪いモノを祓ってくれた。
ト書き:そして忍野さんは、俺が一人ではないことを教えてくれた。
:
ト書き:両親が不意に死んでからというもの、俺の魂は、どこか欠けたようになっていたのかもしれない。
ト書き:俺はこの里にやって来て、彼女たちと出会い、共に暮らして。
ト書き:魂が、元の球形を取り戻したように思った。★
:
浩市「癒やされてばっかりだけど、俺はいったいみんなに何を返せるのかなぁ」
路加「それはやっぱり、子供じゃない」★
:
路加「忘れないで、あなたは特別なの。私たちにとっては」
路加「サキュバスを愛して、愛される男なんて、滅多にいないのだから」
路加「そういう意味で、あなたは私たちの癒やしだわ」★
つまり本作での「癒やし」には、
・“浩市”にとっての「癒やし」
両親の不慮の死(海外でテロに巻き込まれて)のショックによる
浩市の魂の欠落が、4人の恋人の愛によって修復されること
・“浩市”の恋人4人にとっての「癒やし」
サキュバスを愛することができる精力値の高い特別な男に愛されること
という二つの側面があり、これらの「癒やし」を実現するためには、
「私はあなたのもの、あなたは私のもの」
になるために“愛し愛される境地”に至る必要があり、その判定基準が、“妊娠しにくい特性のサキュバスを妊娠させること”という驚くべき理論が展開された結果(「子はかすがい」によりお互いを拘束する楔<くさび>とするの意を暗に含む)、「癒やし」と「孕ませ酒池肉林」が同列に語られることになるという、まっこと奇奇怪怪な世界観によって、ハーレムセックス三昧の日々が正当化され、ラストのハーレムエンドが肯定されるのであった。
これを幸甚(実態はカルトとオカルトの融合)と言わずして何と言おうか(笑)。
〇備忘録
★D3DX9_40.DLLが見つからないエラー発生
本ゲームをDMMからダウンロードして開始しようとしたら、いきなり、
「ご利用になっている環境で、D3DX9_40.DLLが見つかりませんでした」
が発生。今更 DirectX 関係で引っかかるとは思いもしなかったよ。
マイクロソフトから dxwebsetup.exe をダウンロードして実行してから、やっとプレイ開始となったのでした。
★女だってエッチ?
路加「高校のときも、こういうことしたいと思っていた? 私と」
浩市「あの、高校生くらいの男子って、エッチなことに興味津々ていうのが、だいたい普通なんだよね」
⇒そもそも女の方がエッチなんだよ、きっと。女性向けエロ漫画なんか男性向けとタメを張るくらい沢山あるし。
⇒それに、先日のテレビ番組(たぶんNHK)でYOUさんが「若い頃にすけすけのエッチな衣装を着ながら、その場でもっとエッチなことばっかり考えていました」みたいなことを、いつもの冗談なんだか本気なんだか分からない言い回しでしゃべっていたのを思い出してしまいましたよ。
★精気と吸精
浩市「あの、ふぅ、ちょっと苦しくなってきちゃった」
路加「え、苦しい?」
浩市「精気が出ているからさ」
⇒最初のエッチレッスンは精気を感じることらしい。
:
路加「これが、そうなのね……。サキュバスの言葉では、“吸精”とか言ったりするそうだけど……」
路加「私、君の精気を吸精してしまったわ……」
⇒前二作を未プレイのため、サキュバス関連の用語と現象を随時学習中です、わたくし(笑)。
★ゴムの効能
浩市:ほんとは最初はゴムを付けるつもりだったんだけど。はぁはぁっ…っ…。
路加:ゴム? あぁ、そのほうが精気が出にくくなるんだっけ?
⇒上記に同じく、学習中。
★情の強(こわ)さ
しきりに何回も、サキュバス関連で「情の強(こわ)さ」という言葉が頻繁に使われているのですが、本シリーズ全体では、いったい何回この言葉が使用されているのだろうかと思ってしまいました。きっとマニアのエロゲーマーは、統計情報をとっているに違いない(冗談ではなく真面目な話です。どの分野でも、真正マニアの凄さは特筆ものなのです)。
★デュクシ
路加「ただあんまりギャルっぽいのは、私には合わない気がするけど……」
真凜「え、年齢でってこと?」
路加「でゅくしっ」
⇒「でゅくしっ」って何って思ってしまいました。分からないから調べたら、次のとおり。
パンチなどで攻撃する際の効果音を言語化したもの。
音を口に出したり文字で表現したりすることを指す、いわゆる「オノマトペ」の一種である。
2ちゃんねる(現:5ちゃんねる)界隈では「オウフ」とセットにされることが多い。
⇒つまり“真凜”が「年齢」ってボケたから、“路加”が「デュクシ」って突っ込んだってことか。納得しました。調べないと解釈できない自分の無知さが怖い。
★路加の本質はS
路加:彼のこと、もっと気持ち
良くしたいな…。そうして…。
路加:彼のこと、もっと…
路加:苦しめてあげたい…♥
⇒他のエッチシーンでも何回も「適度に苦しめたい」と表明し続けるなど、本当に病的なまでの真正サドでした(笑)。
★本とは
理事長『本好きなら分かると思うけど、書物っていうのは、別の世界に通じる窓みたいなものだから』
ト書き:陸の孤島で暮らして、“外の世界”に出ることはなくても、色んな世界を覗くことならできる。
⇒なるほどねと納得。ただし、旧来の考え方なら正論なのだろうけれど、今じゃインターネットっで、実際に行ったことのない街路を進みながらの安全な旅行すらできる時代となってしまった。
そのため、近い将来的には物理的な本など、ビブリオマニアの聖典としての価値しか持たない、遺物となってしまうのかもしれない(22世紀の人々がどう思うのかを考えると、趣深い)。
★主人公の両親
路加「高校生なんて、苦労も知らないような年頃でしょう、普通は。でも広瀬君の場合……」
路加「早くにご両親が亡くなったということだから。そうとも言えないのかなと思って」
路加「そのこと、初めて聞いたのよね……この前……」
⇒主人公の両親が亡くなったのを「この前、初めて聞いた」という話を今、初めて私は知った。
どこで、どのような状況下で聞いたのか、私は知りたい。
やっぱり、前二作をプレイしないと分からんことが多すぎる。
(前二作でこの話があったのかすら不明ですが、もしかして本作のどこかで語られていたの?)
★浩市の親代わりの叔父さん
浩市「俺の叔父さん、摩美ちゃんの父親なんだよね」
路加「えっ? そうだったの?」
⇒本当に「えっ? そうだったの?」ですよ。これも前二作で既出の情報だったのだろうか?
浩市「俺も驚いたよ。理事長の昔のパートナーが、叔父さんだったっていうことで……」
路加「えーと……? じゃぁ広瀬君と摩美は……」
浩市「本当はいとこってことになる」
路加「うーん、驚いた」
⇒本当に、驚いたよ。次々と明かされる情報に。本当は“路加”と一緒に驚いていてはいけないんだろうけれど、仕方がないよね、私は前二作をプレイしていないのだから。
浩市「俺はもうここに居残るつもりだし、叔父さんには連絡したんだよね。そうしたら……」
浩市「理事長と、摩美ちゃんによろしくみたいな返答があったよ。で、一度来ませんか? って言ってみたら、それは遠慮しておく……と」
路加「……修羅場があったってことなのよね。だから理事長も、今回みたいなプロジェクトを思い立って……」
⇒サキュバスの里って、二度とそこから出られなくなるって設定じゃなかったの?
これ、最低でも一作目の内容を知ってないと、ダメだなってことは理解した。
★サキュバスの里の集落
(路加のデート用私服を外界から調達して届いたという話の中で)
路加「うん、もう来てる。この集落も、外界から孤立してはいるけれど、不便さはないわね」
浩市「どんなだろうなぁ……忍野さんの私服」
⇒「外界から孤立」って、ぜんぜん孤立してないじゃん。設定、おかしくない?
出島があった鎖国時代の長崎みたいなものなのか、サキュバスの里は……。
★孕ませセックス
浩市「はぁはぁ、こんな可愛いお尻に包まれていると、なんか、変な気分になってくるよ」
路加「変な気分って? んんんっ……!」
浩市「あのっ……っ……子作り……? はあはぁはあっ……!」
:
路加「はぁはぁ、私のお腹、大きくしたい……? あなたの精子で……んんはぁっ」
浩市「き、君のお腹、俺の精子で大きくしたい……うううぅっ……!」
路加「うん……じゃぁいいよ……♥」
ト書き:忍野さんは俺の精子を受け止めようとするように、自分からもお尻を押し付けてくれた。
ト書き:彼女のそういう仕草に、彼女を孕ませたい欲求が、本当に突き上げてきて……。
⇒ここらあたりから、癒やしからおかしな方向性にシフトしていって、ラストのハーレムセックスに繋がっていくんだよね。きっちりストーリーとして繋げたのは賞賛に値するのですが、そのベクトルは違うんじゃないのかっていうのが、私の意見です。
★私はあなたのもの、あなたは私のもの
路加「こうしてぎゅっとしていると、んぁっ、あなたのこと、自分のものにしたように思っちゃう。はぁはぁっ」
浩市「はぁっ、ぁっ、それ、俺のほうもなんだ。はぁはぁっ」
路加「ふふっ、そっか。はぁはぁ、んんっ……!」
浩市「君のこと、うぅっ、ほんとに俺のものにしたように思っちゃって……はぁはぁっ……!」
路加「でも、まだ、なのよね。んんっ、ふぅっ」
浩市「ま、まだ? まだっていうと……?」
ト書き:俺はまた動きを緩めて聞き返した。
路加「こ・ど・も♥ んんんっ……っ……」
ト書き:俺の耳元で囁くと、彼女はおまんこをぐーっと締めてきて……。
路加「あなたの精子で、私のお腹、大きくしてくれるんでしょう……?」
路加「そうしたら、きっと、私は本当にあなたのものね」
路加「そしてあなたは、私のもの……♥」
⇒エロゲーでは良く使われるフレーズ。ジャイアニズムの方では決してなく、オリジナルのシェイクスピアの『尺には尺を』の「オレの物はあんたの物。あんたの物はオレの物」というセリフから拝借。
⇒さて、「子はかすがい」とは言うけれど、それでもってお互いを拘束する楔とするというのは、いささか前時代的な発想なのではないのかなと思ってしまいます。しかし、この考え方がラストのハーレムセックスに繋がっていくのです。無慈悲だ。
★世界3大ガッカリ名所
真凜「まーじゃん? ……それってあれ? 世界3大ガッカリ名所の……」
浩市「それはマーライオ×。マーしか合ってないから」
⇒シンガポールのマーライオン、ベルギーの小便小僧、デンマークの人魚姫像の3つが、世界3大ガッカリ名所らしい。「サイズが小さい」ことが理由のひとつらしいのだが、元祖マーライオン像の大きさは高さ8.6m、一番大きいものは高さ37mとのことなので、残りの二つと比べると、決して小さくはないよね。昔は色々ながっかり要素があったらしいのだけれど、今では改善されているらしい。
★エ×オス
路加「広瀬君、これからはますます食べるようにしないといけないわね」
路加「食べないと体がもたない。普通の意味でも」
路加「精の付く食べ物ってあるじゃない。特別メニューで作ってもらったら?」
路加「私が作ってもいいわよ?」
路加「調べたんだけと、栄養素としては亜鉛がいいそうね。ということで、
早速、エ×オス1万錠入りを注文しておいたから」
⇒「エ×オス」って『エビオス』のことみたいですね。1万錠入りは実在しないみたいだけれど(笑)。
以上
The above is a long impression of shiratori.