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shiratoriさんの琥珀色のハンターの長文感想

ユーザー
shiratori
ゲーム
琥珀色のハンター
ブランド
スカイロケット
得点
60
参照数
2500

一言コメント

NEXTONは、今の時代、本作に何を求めて制作したのか? とても気になったので考察してみました。(追記:8/14,15,22,26-28,12/9)

長文感想

2020年
8/12:初版(初稿後、細かく追記、修正)
8/14:「◇品質管理」を追記
8/15:「◇全体を通して気になったこと、あれこれ」を追記
8/22:「◇パッケージが凹んでいて、凹んだ」を追記。その他、全体的に細かく修正
8/26~8/28:全体的に細かく追記、修正
12/9:「◇アニメと同梱版の第二弾」を追記

◇はじめに
私は、制作された現物だけが全てだと思っているので、制作会社やブランドには全く拘りがありません。ついでに言うと、人気があるらしいとか、評価が高そうだからってのも、無視しようとは思っています。敢えて言うのなら、最近は、主人公(男女とも)が年齢高めの作品を求めようと、意識改革している最中ってところでしょうか。

本作を例にするなら、エムズトイボックス? スカイロケット? 知らん。でも、ネクストンは恋姫†無双シリーズで、名前だけは知っているといったレベルです。

では、本作をどうやって選択したのかですが、最近の私の購入対象選択スタイルは、「本サイトの発売予定表で、タイトルを見て当たりをつけ、オフィシャルWebサイトを見て、

 ①主人公の年齢は? (最近、大人な作品を求めているので、重要)
 ②ストーリーの概略や世界観は? (最重要項目)
 ③絵は? (キャラ絵や背景画が自分の好みかどうかを見る程度)

といった項目をチェックして、どうしても判断がつきかねる場合は、よっこらしょっと重い腰を上げて、体験版をプレイしてみるといった感じです。つまり、取っ掛かりは、作品タイトルってことですね。私は、SFが大好きなので、SF作品を匂わすタイトルには、食指が動かされます。声優さんのボイスとか音楽とかは、特に気にしないので、購入時には検討対象外です。そもそも知見ないし。

上記の状態で、本作を購入したのですが、本サイトの発売予定表では、終始、購入予定者数はゼロ件でした。つまり誰も注目していない。スカイロケットなんて出たばっかりのブランド、誰も知らないだろうし、ネクストンも、自社のネクストン・パスポートでしか宣伝しないのだから、そりゃ、当たり前だよね。

でも、私にとっては、メーカーのマーケティング戦略など購入にはどうでも良いことなので、淡々と、上記の「①②③+体験版」の段取りを踏んで、それぞれを確認してみました。

 ①主人公は女性(エルフと呼ばれる種族の末裔)
  ⇒オフィシャルWebサイトの解説では年齢不詳。そのため、体験版で確かめたところ、20歳前後であると推定できました。因みに、ここでのエルフは、一般的な尖った耳が特徴のではなく、なんと両性具有が特徴という設定なのです。つまり、普通の見た目ではエルフだと分からない。これ、エルフという名称である必要性があったのでしょうかね。

 ②まごうことなきSF
  『辺境、魔境と呼ばれる開拓地で
   人々を待ち受けていたものは
   はるか人智を超える化物達
   ――災厄そのものだった』
  ⇒うわ~。駄作感満載のストーリー解説(笑)。ごっつぁんです。こういう内容って、実態が文章を上回るほどの、呆れるくらいにド派手な演出にしないと、チープすぎてお話しにならなくなると、相場が決まっているのです。つまり、演出面において、相当に金をかけてド派手に花火を打ち上げないと、ストーリー負けしてしまうことが確定してしまうのです。
  ⇒8/16追記:オープニングムービーだけは、いい線いってるよね。アニメ版のキャラ絵になっているのが違和感あるけれど、どちらも制作が同じアニメーションスタジオ・セブンだから仕方がないか。アニメ版で制作した映像を流用したってことですかね。

 ③たぶんに大人臭ぷんぷん
  ⇒全体的に年齢高め。JDより上、間違っても、JKではない。ましてや、JCやJSなんてことは、金輪際ありえない。

我ながら、的確な解説(笑)。普通の皆様方なら絶対に買わないでしょうが、最近の私にとっては、「大人臭ぷんぷん」が最重要決め手になるため、敢えて購入、プレイと相成ったのでした。


◇NEXTONの思惑
そもそも、NEXTONは何を期待して、本作を世に出そうと思ったのでしょうか。普通だったら、出さないよね、絶対。プレイしてみると、流石に社長が、所属団体であるコンピュータソフトウェア倫理機構の理事長を務めているだけあって、本当に倫理規程(平成23年10月1日施行版)の「制作基準」の【留意点】に基づいて、制作しようとしたことが伺われます。つまり、金と時間を掛けられなかったから駄作になっただけで、その制作スタイルは、とても褒められるものであることが、判明したのでした。

ついでなので、「制作基準」の【留意点】に基づいて本作を評価してみましょうか。

(1)いたずらに性描写のみを表現し、ストーリー、テーマ、展開、ゲーム的駆引き等の要素に欠けるものは極力制作しない。
 ⇒結果的には、性描写における時間とシーンが多いために、「いたずらに性描写のみを表現」になってしまってはいるのですが、シナリオの構成上は、後半にエロシーン連チャンとかではなく、全体に分散させ、一部は、プレイ完了後に選択できる「EXTRA STORY」として外出しにするなど、とても配慮をしているのです。
 ⇒しかし、満遍なく全体に分散させたために(しかもエロシーンの数が多く、1シーンが長い)、結果的にストーリーの進行を滞らせることになり、この配慮は失敗に期すことになってしまったのですが……。それでも、それを回避するため、エロシーンにストーリー上での意味を持たせようと、内容的に努力をしていることは認めてあげても良いです。しかし、これも残念ながら、エロシーンが長くて、その努力が沢山の喘ぎ声と会話文でのエロ描写説明過多に埋もれ、台無しになってしまっているのですが……。
 ⇒ライターの努力は認められる。しかし、結果的にその努力をライター自らが台無しにしているという、目も当てられない惨状になってしまっているのが、本作の現実といって、差し支えないでしょう。ただし、全部をライター自身の所為にするのは酷か。指示があった結果かもしれないですしね。私は、根本的には、エロゲーにおけるそもそものビジネスモデルに問題があるのでは、と思っているのですがね。

(2)作品の制作に於いては裸体、セックスシーン描写に必要な場面の設定を工夫し性描写の必然性と展開方法、長さ、頻度、その累積効果等構成上のバランスには特に注意する。
 ⇒(1)でも書きましたが、「性描写に必要な場面設定の工夫と必然性」は配慮しているのですが、「展開方法、長さ、頻度、その累積効果等構成上のバランス」がぜんぜんダメなのです。そもそも、「特に注意する」って書いてあるのに、ぜんぜん注意していません。だから、ストーリー進行の足を引っ張ることに繋がってしまっているのです。と私はいつも力説しているのですが、当然、どのメーカーにもこの意見が届くことはないので、全く改善する気配すらないのですが……。明確なのは、この業界のマーケットシェアがジリ貧状態にあるということだけです。今年は特に、大惨事状態であることは、間違いありません。巣篭もり特需があっても良さそうなのに。
 ⇒私、思いますに、セックスシーンが短いと文句をいう方々は一定数いるとは思いますが、長くて強制スキップする方々は、もっといると思うのです。アダルトOVAとかでも、普通はエロシーンも含めて20~30分程度でしょう。それ以上はエロだけでは持たせられないってことですよね。OVAで1時間半もある「Glass」や続編の「New Glass」なんて例外中の例外。しかも動画なのに、結局、時間を引き伸ばすためには、地の文を表示させて見る人に読ませることで、ストーリーを引っ張る手法で対処しているわけです。それを最近のエロゲーは、ストーリーがない1つのエロシーンを30分~1時間近くも引き伸ばすのですから、ちょっと待ってよ状態ですよね。しかも紙芝居でほぼ動きが無い静止画。
 ⇒私、そもそもエロゲーは小説読む代わりに始めたんですよね。字だけでなく、音と映像つき、しかもエロやゲームも楽しめるエンターテインメントって素晴らしいと。でも基本は、ストーリーのある小説部分であって、エロではありません。そこのギャップが、年々増大していることが本当に悲しいです。

(3)コンピュータソフトウェア等の特異性に留意しシステム、シナリオ、テーマ、展開、ゲーム的駆引き、音響等創意工夫に努め、作品内容の充実と向上に努める。
 ⇒打ち上げた花火はでかかったのですが、不発に終わってしまい大輪の花が咲かないという貧弱さが、この作品評価の全てといっても過言ではないでしょうね。つまり、この手の内容では、もっと金をかけたコンピュータ演出ができないのであれば、制作するだけ時間の無駄であるということが、図らずも証明されてしまった作品であるということだけは、言えると思います。
 ⇒それにしても、律儀に伏字(例:おち●ぽ、おま●こ)と“かぐや消し”に躍起になるその情熱には、恐れ入るばかりです。さすが、理事長を就任させているNEXTON。その情熱を、もっと別の方向にシフトさせた方が良いのではと、他人事ながら思ってしまいます。今やソフ倫加盟でも伏字、ピー音無視のゲーム(寧ろそれを宣伝材料にしている)だってあるのに、時代を無視するその感性。ある意味、尊敬に値します。

さて、本題のNEXTONの思惑でしたっけ。まぁ、良く分かりません。少し大人向けの味付けにしたってことは、マーケットシェア的に、ある領域を取りに行ったとも考えられますが、あまり宣伝していないところをみると、殆ど力を入れていないようにも思えます。18禁OVAメーカー「ピンクパイナップル」とのコラボタイトルとのことですが、新レーベル(エムズトイボックス)の中に新ブランド(スカイロケット)の立ち上げまでして、一体全体何がしたかったのでしょうか。こんな中途半端な戦略をとるのなら、発売しなかった方が、無駄なお金を費やさなくて、良かったのではとさえ思ってしまいます。

ところで、アンケート回答ついでにNEXTON-PASSPORTを久しぶりに覗いてみたら、テレワークお役立ちコンテンツが掲示されており、びっくり――何がって、エロゲーとテレワークの組み合わせに。いや~、やっぱり大人な作品に目覚めた兆候なのか、NEXTON。もし、そうだったら嬉しいのだけれど。それにしても、Web会議システムの背景画として、ゲームの風景だけなのは良いとしても、キャラクターが一緒に描かれているものは、利用者(ビジネスマン?)にとっては困るんじゃないのかな。それ以前に『戦国†恋姫』ってどれも大きく隅に書いてあるし。これって、NEXTON社員しか使わないんじゃないの(笑)。

そういえば、NEXTON-PASSPORTの開発室(スタッフコメント)を覗いてみたら、
  7月31日(金)【琥珀色のハンター】発売日!!!
  2020-07-17 16:25:16
  先日マスターアップを無事に迎える事が出来ました。
  自分が原画として描かせていただいている
  スペースハントADV【琥珀色のハンター】が7/31(金)に
  ブランド_エムズトイボックスから発売されます!どどん!
と書いてありました。何が“どどん!”だよ。ブランドは「スカイロケット」だろ。エムズトイボックスはレーベルでしょうに。スタッフすらブランドとレーベルの区別ができていないのが現状なのだから、一般ユーザーなんか、分かるわけないよねって納得してしまいました。そもそも、DL版を独占販売しているFANZA GAMESでも、ブランドはエムズトイボックスであって、スカイロケットはブランド名の登録すらないし、どうなってるんですかね。因みに、一般的には、
 レーベル:(音楽関係の)製造または販売会社
 ブランド:個々の会社の製品
ということらしいです。NEXTONでの区分がどうなっているのかは不明ですが……。


◇作品評価
本作品に、私は41時間をかけました。勿論、いつもどおり、考察とメモる(2万5千字以上)のに膨大な時間を割いたためではあるのだけれど。基本的に、ミドルプライス分のボリュームと内容はないと判断しました。理由は、最後の方にメーカーのアンケート調査内容への回答として記載したので、その内容をご参照ください。

さて、私が本作に求めたのは、大人成分ですから、私にとっての注目点は、この一点に絞られます。その意味では、けっこう満足できました。例えば、お酒にまつわる次の様な文章群によってです。

<教訓>
エリカ「お別れした後のお久しぶりセックス、楽しみにしています。虚しい思いに浸りながら、一緒に美味しいお酒を飲みましょう」
ジェイド「……ああ、嫌なセックスの後の酒が一番美味しい。お前も、人生を理解してきたらしいな」
 ⇒面白い理論ですね。

<きこしめて>
ト書き:充分きこしめているらしく、顔を真っ赤に染めてしまっていた。
 ⇒「きこしめす」って言葉、初めて知りました。漢字で書くと「聞こし召す」と書くらしい。
〔「聞く」の尊敬語「きこす」に「見る」の尊敬語から転じた「めす」の複合したもの〕で、ここでは「酒を飲むことをしゃれていう語」を意味するみたいです。これは、一般的に良く使われる言葉なのでしょうか。あまり、お酒を飲まないから、今まで聞いたことがありませんでした。

<飲み会>
ト書き:琥珀色の液体が、身体に流れこんでいく感覚がかなり気持ちよくなっていた。
 ⇒最初は、エールを飲んでいたのに、いつのまにか琥珀色って、つまりウイスキーの類ですよね。もう、エリカ、ちゃんぽんで、グデングデンのシーンです。琥珀色の髪のハンターが、琥珀色の液体をって所が、ここでのミソですかね。

<約束と反故>
ジェイド「俺のことは話すな、と言い含めておいたんだがな。どうやって口を割った?」
エリカ「お願いしました。一生懸命」
ジェイド「…………」
ト書き:なんてこった。あの酒場を根城にして数年。
ト書き:築いた信頼は、小娘のお願い事一つで覆されるほど軽いものだったようだ。
 ⇒酒場ネタは面白いな。

<露見と絶句>
ルビー「ってか、エリカ~~~? あんた、精液臭ぇべ。へっへっへ、しっかり楽しんできちまったみてぇだべなぁ」
エリカ「………………ッ」
 ⇒ジェイドとの初エッチ翌日のルビーとの会話。こういう会話は、好きだなぁ。見抜かれちゃったみたいなバツの悪さをにじませた絶句。恐らく顔が、見る間に真っ赤状態。

<朝帰り>
ト書き:お酒臭い&精液臭い……。
 ⇒余りにも身も蓋もない端的すぎる文章にカンパイ。

<大人な香り>
ト書き:唇を合せた瞬間、エリカの香りと熟された酒精の香りが唇と鼻に流れ込んでくる。
ト書き:いい香りだ。俺の値打ちに釣り合わない、極上の美酒だ。
エリカ「んちゅ、びちゃ……れろれろ……んふっ、ウイスキーの香り……そして、タバコの匂い……あはー、ジェイドさんの匂いだ~~♪」
ジェイド「……よくあるおっさんの匂いさ」
エリカ「くんくん……ふふ、少し加齢臭もしますねー……でも、この匂い、大好きです……んんー、れろ、れろれる、ちゅ、びちゃぁ……」
ト書き:何が嬉しいのか、エリカはキスを深めながら、俺の味と香りを満喫しているようだ。
ト書き:酒の力は恐ろしい。まるで俺自身に価値があるかのように勘違いさせているのだから。
 ⇒やっぱり、お酒ネタは面白いです。学園モノにはない大人って感じがします。

<女の機嫌>
エリカ「ん、んん、はぁ……あぁぁん……やっぱり、ジェイドさんじゃないと、私、心の隙間を、埋められません……はぁ……あふぅ……」
ジェイド「随分と、俺を買ってくれるじゃないか……だが、俺は根無し草だ。お前とは違う……」
エリカ「……う、ううう~~~、そんなこと言わなくていいじゃないでちゅかー……」
ジェイド「…………」
ト書き:――気取ったことを言って、女の機嫌を損ねてしまう……それはセックス中、二番目にやってはいけないことだった。
ト書き:ちなみに一番目は『セックス出来ることに舞い上がってしまい、自分勝手にイッてしまうこと』だ。
ト書き:そして、『泥酔いした女とのセックス』もそうとうハイレベルだ。
ト書き:俺は色々禁を犯してしまった……きっとやっかいなことになるだろう。
 ⇒泥酔いした女(エリカ)とのセックス時の含蓄あるお言葉(笑)。

<二日酔い>
エル「ふわぁぁぁぁぁ……おはよ……屋根の上で一晩グッスリ――って、酒臭ッ!!」
エリカ「えへへー、エルー、お久しぶりー……私、今絶不調なの……はへぇぇ……」
 ⇒酒浸りセックス後の早朝寝起きでの二日酔い会話。人生が凝縮されているよね(笑)。

本作は、基本「酒とセックス」に明け暮れる話なのです。それというのも、本作の世界観は、信仰(Faith)としての主の言葉『産めよ殖やせよ地に満ちよ』に依拠しているため、人々はおおらかなセックスに興じているという設定だからです。

そのため、「人は何のためにセックスするのか?」を考えさせられてしまう作品でもあるのです。セックスがお礼や取引の手段として成立し、挨拶がわりに誰とでもセックスが日常の、“不倫”という言葉が成立しえない世界(『産めよ殖やせよ地に満ちよ』だから“避妊”もない“生中出し”が基本)って、どうなのよって思ったりもしてしまいます。この作品の直前に、純愛をテーマにした作品をプレイしていたので、尚更そう思ってしまったのでした。

こうやって書いてみると、けっこういい線いってる作品とも考えられるのですが――実際、全体を通しても悪いわけではない――作品の世界観を持て余してチープにまとまってしまったのが、最大の問題だというだけなのです(付け加えるなら、世界観が大人の子供作品に成り下がっているのも問題)。本当に、全体に渡ってオープニングムービーくらいの映像演出レベルだったら良かったのに、ストーリー設定で大風呂敷を広げたのなら、大法螺ふいてド派手なドラマをぶちかませろよってことです。小手先のテクニックだけでなんとかしようとしたのが、仇となった作品ということができるかと思います。それに目をつぶるのなら、最初から最後まで破綻無く安心して読める話であるとは思います。つまらないだけで……。なんか、あらゆる部分のピントがあってなくて、ゆらゆらしているというか、まだるっこいというか、痒いところに手が届いているのに掻けない状態というか、ストレスたまります。そんな作品です。

「ピンクパイナップル様オリジナル企画原案でなんとアニメと同日発売!!」ということですが、あまり話題にもなっていない気がします。正しく企画倒れの感ありですよね。NEXTONもコラボするなら、もっと頑張らないとって心底思ってしまいました。
(因みに、アニメの方『琥珀色のハンター THE ANIMATION』の出来は、購入していないので分かりません。アニメ同梱版は別々に買うより600円ほど安いみたいですね。アニメ版のエリカやルビーのキャラ絵が、ゲーム版とはぜんぜん違うみたいなんですけど。販促用の画像素材を見る限りでは、体重20%増し、相撲取りの二人ドーン!どすこい!みたいな。いやもう、見た目は別人だな、これは……)


2020/8/14追記
◇品質管理
先に私は、本作がソフ倫の倫理規程に書かれている「制作基準」の【留意点】に、部分的には則るように努力はしていると書いたのだけれど、この「制作基準」には足りないものがあると思っています。それは、制作された製品の品質管理に関する事柄です(そもそもが倫理規定だから仕方がないか)。ここでは、次の三つにまとめられると思います。

 ①ゲームに動作上の不具合がないこと
 ②テキストに誤字・脱字・衍字がないこと
 ③声優さんの読みとテキストが合っていること

エロゲーなら、どのゲームでも高確率で、これらの問題に遭遇することでしょう。①は最低限デバッグはするのだろうから、ゲーム性のあるもの以外で遭遇する確率は②③に比べて低いとは思いますが、②③はほぼ100%近く存在するといっても過言ではありません。正常に動作しないのは瑕疵にあたるけれど、②③はきっと瑕疵扱いにならないから、制作陣にとっては、どうでも良いレベルの問題なのでしょうね。

でも、私は問題にします。エロゲーだからといっても、お金をとっているのだから、間違いがあっていいわけがないと思っています。今度、倫理規程を更新する時には、是非、品質管理に関する項目も追記していただきたいと思います。現行の「(5)わいせつ物にあたるものは制作しない。」とかを記述するくらいなら、品質重視を問題にしろよって思ってしまいます。前から思っているのですが、本当にエロゲー会社って、世の中、なめてますよね。発売の延期も日常茶飯事だし、社会人としての自覚が足りないって、いつも思ってしまいます。

というわけで、前置きが長くなってしまいましたが、本作の場合は、どうだったのか検証してみましょう。結論から言ってしまえば、①②③のどれも存在します。私が気がついた範囲で定量的に調べた結果では、次のとおりです。
 ①1件(音声収録ミス)
 ②20件
 ③6件
ミドルプライス作品としては、②の誤字・脱字・衍字の類は、多すぎかな。NEXTONの品質管理など、所詮この程度ってことですかね。それぞれ、サンプリングして例を出すと、次のとおりです。

①の例
ディアナ「はー……はー…………あぁぁやっと収まったわね……でも、まだ……気持ちいいのが、身体の中を飛び交ってる……」
 ⇒「収まったわね」以後の文章が、音声として再生されなかった。声優さんが読み忘れた可能性もあるけれど、どちらにしても、音声収録ミスであることに変わりはありません。

②の例
ト書き:私の心は、千地に乱れてしまいそうです。
 ⇒千々(千千)。体験版の時から存在。千地ってなんだよ。戦地なのかと思ってしまったゾ! 因みに、「千々に乱れる(ちぢにみだれる)」とは、「さまざまに心が揺れ動き、ふだんの冷静さを失うこと」を意味します。

ト書き:粗製濫造された、制度の悪い、無認可の銃……いわゆるサタデーナイトだ。
 ⇒精度。因みに、サタデーナイトは、正確にはサタデーナイトスペシャルと言います。ここでは、正確に書くべきだったのではとも思います。サタデーナイトだけだと、本当に「土曜の夜」を意味することになってしまいそうだし。因みに、Wikiでは次のように説明されていました。また、エロゲーでお勉強してしまった。
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サタデーナイトスペシャル (英: Saturday Night Special) とは、アメリカやカナダなどにおいて低品質だが安価な小型拳銃に対する俗称である。呼称の由来は、1960年代のアメリカで安価な拳銃による負傷者が続出した時期があり、それが土曜夜に集中していたことを医師たちが「土曜の夜は大混雑だ」と揶揄したことからだという。
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ト書き:……この過酷な度の中、義母さんは母性愛を爆発させている。これ以上、私を過酷な旅に置いておきたくなくなったのだろう。
 ⇒旅の中。これ笑える。最初、何を書いているのかと思ってしまった。「度の中」って何って。後半の文章がなかったら、分からなかったかもしれません。

エリカ「ふふ……そういうこと。宛のない旅だもん……私、これからいったいどうなっちゃうのやら……乞うご期待って感じね」
 ⇒当てのない。恐らくライターは、「宛のない旅」が正しいと思い込んでいると思われます。「旅」ではなく「手紙」だったら、「宛」で正しいのですけどね。

選択肢:「ここで待ってる」or「やっぱり着いていく」
 ⇒付いていく。これは痛い、二重の意味で(笑)。つまり、本作、唯一の選択肢というイベントでの誤字。つまり、絶対、間違いがあってはいけない局面。スタッフ、誰も気がつかなかったのでしょうか、これ。なんか、今の日本を象徴しているなって、本当に思ってしまいました。

ト書き:酒精が眠気を誘発したのだろう。全身の疲労感とともに酔いが全身を掛け巡り、まぶたをやたらと重たく感じさせる。
 ⇒駆け巡り。いや~、どう変換したら「掛け巡り」になってしまうのか、甚だ疑問の誤字。このライターさん、日本語入力システムにどういった学習をさせているのでしょうね。

③の例
ディアナ「あ、あの……いったい、何をなさるつもりなのですか?」
 ⇒「おつもりですか?」と読んだ。これは、指示があったのかな。

ディアナ「そう、初めて発射したの……? あなたの初めてを貰えて、私、嬉しいわ……」
 ⇒発射を「射精」と読んだ。直前にルビーが初射精、初射精と騒いでいたからね。気持ちは分かるけど。
  ここはブランドがスカイロケットだから「発射」じゃないとネ、やっぱり(笑)。

ルビー「へっへっへ、センキュー。ついでに酒はねえべか?」
 ⇒サンキューと読んだ。ルビーの田舎っぺ言葉では、テキストどおり、センキューと読まなくては(笑)。

ルビー「ああ、遠慮なくイってくれていいべぇ? けど……後でもう一人、
    相手してもらわなきゃなんねえ……あたいで満足されちゃ困るべよ」
 ⇒「いいんだべぇ?」と読んだ。声優さんの読みの方が、個人的には良い気はしますが……。


2020/8/15追記
◇全体を通して気になったこと、あれこれ

★エロシーンのストーリー上での意味
私は上記で、エロシーンにストーリー上での意味を持たせようと、ライターは内容的に努力していると書きました。ここで具体例を示しておきたいと思います。例えば、冒頭でのアスルに対するエリカの夜這い、もとい!お見舞い兼お別れの挨拶シーン。ここでは、以下の展開で話が進行します。 
 ・別れの挨拶
 ・アスルの心の回復
 ・いつか一緒にの誓い
以上の三つの意味をエロシーンに持たせストーリーに組み込もうとしたわけです。ただ、最後の「一緒に同じ道を歩く」と「一緒にこの村の未来を生きる」っていう台詞は、二人でW死亡フラグを立ててしまったのかと思ってしまいましたがね(笑)。

★エリカの年齢
ト書き:私とエルのやりとりに、子供たちがキャッキャと笑った。
ト書き:十数年前、感情と記憶を失くした私とは違う、本当にいい子達……。
 ⇒エリカは、感情と記憶を失くしていたのか。正確には15年前だけどね。ディアナと出会った時の絵で、ディアナとの身長差からエリカの身長は110cm前後(5歳前後)と判断できたので、現在のエリカは19~21歳ってところでしょうか。絵では、顔つきや髪の毛の長さから、少なくとも8~10歳くらいには見えるのですが……ただ、23~25歳まで処女ってことは、この世界観ではあり得ないだろうし。

★エリカの旅立ちシーンの絵の構図が変
ト書き:――正午を知らせる鐘の音を聞きながら、私は改めて見送りに来てくれた人達に向き直った。
ト書き:お世話になった村のみんなに挨拶をして、私とエルは幌馬車に乗り込んだ。
 ⇒このシーンの絵、幌馬車だったのかよ。体験版の時から自宅のベランダから皆にお別れの挨拶をしているシーンなのかと思っていました。幌馬車だったら、もっと全体を描いて欲しかったです。後ろの開け口だけ拡大して描かれても分かんないですよ。そもそも幌なんか描き方が拙くて、家の壁みたいな厚みがあるように見えるのですから、とても幌には見えないですよ。幌馬車後部の描写だと判明しても、幌馬車の一部分に見えないのが、なんとも奇異です。そもそも、地の文では、挨拶をしてから幌馬車に乗り込むとなっているのに、挨拶時から幌馬車に乗り込んでいる絵なのですから、幌馬車の後部拡大描写だって認識するわけないよね。

★ハンター協会アイゼンランド支部へ行く道中の記述が好き
街に着いて、ハンター協会に行く前に先に一杯引っ掛けにいこうと話すモン、ジン、ゼンの三人。
エル「……なんだか、あの三人、楽しそうだね」
エリカ「ふふ、せっかく街にいるんだもの。ちょっと羽目を外すくらい、いいんじゃない?」
ト書き:キャッキャ言いながら楽しそうに狭い路地を歩いていく三人を追いかけていく。
ト書き:すると裏通りの、少し猥雑な雰囲気の漂う区画にやってくる。
ト書き:整然と区画整理された通りと違い、誰しもが好き好きに家を立てたかのような雑然さを感じた。
 ⇒誤字:「家を立てた」は「家を建てた」でしょうに。
ト書き:少しぬかるんだ道は、轍や足跡……馬のフンなんかが敷きつもっていて、かなり人の行き来が多いことを物語っていた。
 ⇒この場面の文章内容は好き。特に「馬のフンなんかが敷きつもって」という所がリアルで(笑)。中世ヨーロッパって感じですよね。
 :
ト書き:街の中央にそびえ立つ大きな塔のような建物へ三人を追って入っていく。
エリカ「ここがハンター協会……」
 ⇒ここまでの流れで、案内役の三人が、真面目にハンター協会に行くとは思わなかったよ。てっきり一杯引っ掛けに行くものだとばかり。そもそも、街の中央にそびえ立つハンター協会が裏通りにあるっていう設定自体が変でしょうに(一杯引っ掛けずにハンター協会に行くのなら、そもそも裏道を通る意味がないしね。事前の下見ってこと!?)。このライターさん、話の進行が、良く言えば意外性の追求、悪く言えば支離滅裂。読み手を弄んでいるのでしょうか。ほ~ら、私の手の平の上で踊れって。

★文章が変
ト書き:モン、ジン、ゼンの三人は適当に紹介されたことをやや不満そうにしながらも、倒れこんだままのゼンを助け起こした。
 ⇒この文章の主語は「モン、ジン、ゼンの三人」なのに、その一人である「ゼンを助け起こした」となるのは不自然。読点の前後で整合性がとれるような文章にするのなら、
 「モン、ジンの二人は適当に紹介されたことをやや不満そうにしながらも、倒れこんだままのゼンを助け起こした」
 または、
 「モン、ジン、ゼンの三人は適当に紹介されたことをやや不満そうにしながらも、モンとジン(の二人)は倒れこんだままのゼンを助け起こした」
になるでしょうね。それにしても、久しぶりにおかしな文章を読んだな。

★アリーナでのルビーとの模擬戦シーンのテンポがとろい
音楽はテンポ良いのに、シナリオが冗長すぎて、音楽のテンポに合わず、ぜんぜんのれない。戦闘シーンの一つ一つの文章は短くしないと。物語の最後まで、戦闘シーンがこんな感じなのが、この作品の残念な点ですかね。

★モン、ジン、ゼンとの別れ
エリカはルビーのチームに加わることになった。そのためモン、ジン、ゼンの三人は役割を終えたので、明日村に帰ることになり、紳士の嗜みってやつで夜の街に――で、さっさとお別れ。この辺の人の切捨て方は、ライターに感心。さっさと切り捨てないと、登場人物が多くなってわけ分からなくなるからね。ルビーに、
 ルビー「……やれやれ、あっさりした別れだべな」
と言わしめているところが、なんとも笑える。いやいや、分かるよ、ライターさん。物語の展開上、さっさと人員整理したかったんだよネ!  後のシーンで、ルビーの相棒二人(カッパーとコンゴー)も怪我でサッサと退場させていたし、このあたりの割り切りの良さは上手いと思いました。

★第一、第二、第三段階
 エリカがチームに馴染むための段階があるらしい。
ルビー「あはははっ、まずは醜態を晒すことで、心の垣根を取っ払うもんだべ? どーやら、早くも第一段階突破って感じだべな~」
ルビー「さーてとぉ! それじゃあ第二段階に進むとすっぺ」
カッパー「お? 飲み会っすか?」
ルビー「それは段三段階だべ。まんず、お互いの力と信頼関係さ結ぶため、早速クエストを受けることにすっべぇな!」
エリカ「…………!!」
ト書き:初めてのクエスト……和やかな雰囲気が一瞬で消えた。
 ⇒本当に、このライターさん、違和感なく、テンポ良く、さくさく進行しますね、ストーリーを。なのに、戦闘シーンは、文章が冗長で、テンポ悪なんだよな。本当に不思議。
 ⇒因みに、ルビーの声優さんは、「あはははっ」みたいなのは、書いてあるとおりに読まないで、殆どアドリブですね。「あっははははは、はっ」みたいな感じで読んでます。ここだけじゃなくて、他でもそう。これ、書いてある字数どおりに几帳面に読む声優さんと、回数など数えるのが面倒なのか殆どアドリブで読む声優さんとの違いって、何に起因するんですかね。やっぱり、性格ですかね。それとも声優さんとしての経験? 会話文はその場面でのノリだから、字数どおりになるわけがないという理論?
 :
ルビー「ひゅー!! いい飲みっぷりだべ~~~。で? どうだ? 美味いか?」
 ⇒「あれっ? いきなりの飲み会? クエストはどうなったの?」って思ってしまったじゃないですか。いくらさくさく進行っていっても、限度があるでしょうに。第二段階どうしたのって感じです。と思って暫く進行すると、
 :
カッパー「エリカちゃん、飲みすぎちゃ駄目でやんすよ? 明日の仕事、差し障っちまいますからねぇ」
 ⇒なんだ、第二段階スッ飛ばして、やっぱり飲み会じゃないかよ。しかも、ハンター協会の支部からすぐ近くの、常連で馴染みの酒場ときたもんだ。このライターさん、変化球好きですね。けっこう、個性的ですね。個性で特徴ある文章が書けるのは、良いことですよね。支離滅裂気味だけど(笑)。

★抹香臭い
見張り「はっ……抹香臭ぇ女だぜ……」
 ⇒抹香って香の一種ではあるのですが、それで思い出すのが、マッコウクジラです。マッコウクジラは漢字では抹香鯨と書くのですが、これは当て字ではなく、マッコウクジラの腸からは龍涎香と呼ばれる香料がとれ、それが抹香に似た香りがすることから、そのまま生物学名となったのです。これを知った時は愕然としました。

★平仄
エリカ「なるほど……平仄は合いますね。でも、何か証拠がないと……」
 ⇒平仄(ひょうそく)って言葉、初めて知りました。「つじつま」って意味なのか。というか、普通に「辻褄」って書けよって思ってしまいました。「平仄」なんて言葉、実際の会話で使っている人、見たことないゾ!

★エリカとジェイドの最初のセックス
殆どのエロゲーがそうなのですが、絵が文章に追随しないのは手抜きです。「コンピュータソフトウェア等の特異性に留意」ってのを実践しろよって、いつも思ってしまいます。例を挙げると、次のとおりです。

ト書き:その大きく隆起した胸の膨らみの上を、指の腹で引っ掻いてやる。
ト書き:言いながら、俺はその形の良く、ボリュームのある胸を揉みしだく。
 ⇒全然、胸を揉んでくれない。

ト書き:無言で腰を動かしながら、子ぶりながらも形だけは完全に男のモノとなったクリトリスを軽く扱いてやる。
ト書き:腰を使って膣奥を抉る。その上、クリトリスをいじくり回され、エリカは煩悶するように身体を揺らす。
 ⇒あちこち身体をいじくる記述はあるのに、絵はそうならない。

★大人な文章
ジェイド「……気まぐれに実家に戻ってみた。ほぼ十年ぶりだ。親は老け、小さくしぼんでいるだろう」
 ⇒「小さくしぼんで」って表現が最高。

★パンデミック
ジェイド「俺は、そんな家族を笑ってやるつもりで帰ってみたんだ。すると……家は、更地になっていた」
ジェイド「……みんな死んだ。なんのことはない。流行り病さ」
ジェイド「感染力が強く、同じ町中にいるだけで感染してしまうかもしれない……そんな病気だ。手の施しようがなかったのさ」
 ⇒2020年の時流に合った話。まぁ、開発期間を考えたら、単なる偶然だとは思うけれど。

★うんちネタ
町を襲ったモンスター達。ボスを倒すべく考えた作戦が……。
ルビー「……ちっ、せっかくボスに会えたんだ。あっちから向かってくるようにすんべ!」
エリカ「その作戦、素敵ですね。どうやっておびき寄せますか?」
ルビー「決まってんだべ! ほれ、アレをぶん投げてやればいいべさ」
エリカ「……アレってなんですか?」
ルビー「そんなの決まってんだべ? 汚くて、臭くて、投げつけられたらむかっ腹が立つものだべさ。ああ、もうあたいの口から言わせるなっての」
エリカ「……普段からチンマンチンマン言ってる人が、どうしてウンチって言えないんですか」
ルビー「だあ、もう! 言うなって。とにかく、あいつを怒らせて向かって来させるしかねえべ! ほれ、用意すんべよ」
エリカ「……ええ~~~~? そ、それってつまり……今、ここで……ですか?」
ルビー「大丈夫だぁ! こんな状況だべな! ケツ丸出しにしても誰も気にしねえべ」
エリカ「無理! むりむりむり絶対無理です!! そんなに言うならルビーさんが出せばいいじゃないですか!」
 ⇒これ、モンスターのボスを退治しよういう状況下で、緊迫感満載の戦闘音楽が鳴り響いているシーンでの会話です。だから、戦闘シーンなんだって、何度言ったら(笑)。ギャグならギャグに徹してくれれば良いのですが、なぜかハードボイルドタッチで大人な世界観なので、どうリアクションすれば良いのか、ちょっと面食らっちゃう作品です。ライターさん、何を狙っているんでしょうか?
 ⇒2020/8/24追記:銭湯で水風呂に浸かっていて思いついたのですが、大人なら真面目な場面とふざけて良い場面の切り替えができなければならないと思いました。真面目な場面でふざけるのは子供だよね。そのため、この作品は、世界観が大人の子供作品に成り下がってしまっているのも、問題の一つだと気がつきました。

★体臭の薀蓄
クォーツ「ふぅ、いい香りだ。知ってるかね? 体臭で遺伝子的に適合するかどうか嗅ぎ分けているという説があるのだが」
 ⇒真実のような嘘なのか、嘘のような真実なのか。調べてみたところ、これは真実らしいですね。ヒトのMHC(主要組織適合性複合体)であるHLA(ヒト白血球抗原)が関係し、HLA遺伝子の異なる相手の体臭を好きな匂いと感じるらしいです。

★おち●ぽ触手が膣に入った瞬間のディアナの目
ディアナ「あっ、あっ、あぁあ! はぁぁぁぁん……♥ 入って、くるぅぅ……んっ、んんんぅ、あ、あへぇぇぇ……」
 ⇒本当にディアナの両目に「♥」マークを表示。この演出には、意表を突かれてしまいました。それにしても、こんな所に気を配るより、胸を揉むシーンで胸を揉んでよ、マジで。

★後だし
ジェイド「後出しは困るな。今更引き返せない」
ディアナ「ええ……でも、引き返してもらいたくなかったの。けど、命まで賭けさせられないから、本当に危険なら逃げてちょうだい」
 ⇒この考え方はどうなんだろうな。結局、選択させるのなら、最初から言えよって思ってしまいます。ずるいよね、これは。ジェイドの言うとおりだと思います。

★降下船
エル「……やっぱり。これ……降下船だ。かなり大型だけど……」
 ⇒やっとSFらしくなってきました。
エル「……これはエルフの乗り物だよ。これに乗って、衛星軌道……ええっと、空のずーっと上から降りて来たんだ」
 ⇒エルフの船だったのかよ。ということは、エリカって? と思っていたら、そのまま投げっぱなしかよ。

★科学とは
ディアナ「ええ、そうみたいね。なんと傲慢な……いえ、科学とは物事の仕組みを理解すること……研究そのものは否定すべきではないわね」
 ⇒科学とは「物事の仕組みを理解すること」だったのか。検索すると、次のように書いてあったのを見ました。
 ①科学のありようは自然が決めていること
 ②科学において重要なことはこの世界を説明し、理解すること

★精液の感触
ジェイド「ふぅ……精液の感触、たまらん……この感触。忘れないようにしなきゃならんな」
 ⇒一回中出し後の二回目のセックスでの、エリカの「精液おち●ちん、気持ちいいですぅ……」発言を受けてのジェイドの言葉。面白いです。この言葉、男のジェイドが言っているのが。

★含蓄のあるジェイドの言葉
ジェイド「歳を取るにつれて、別れは容易になり、出会いが億劫になる……人は寂しさに慣れてしまうのさ」
 ⇒なかなかいい言葉ですね。大人の会話って気がします。

★混合液
ト書き:そのネットリとした体液の混合液は、抽送の刺激を一層まろやかで味わい深いものに変えてくれる。
 ⇒精液の感触と同類の考え方だよね。ジェイドの好みってことですね。カクテルが好きってことですね。大人だ(笑)。

★「ヤベェ」と「ヤベぇ」
ギガンテルツに追いついて
エリカ「ですね……さらに手強くなる前に、なんとか手をうちましょう。ルビーさん、どういう作戦でいきますか?」
ルビー「……まず、どんだけヤベェのか確かめなきゃ、ヤバくて近づけんねぇべ。なんたってヤベぇからな」
 ⇒だ~か~ら~、戦闘シーンなんだってばと何度言えば(笑)。これ、なんの作戦説明にもなっていないような。それに「ヤベェ」と「ヤベぇ」の違いって何ですかね? これが解読できないと、ルビーの作戦は、理解できそうもないですよね。というか、いい加減エリカも、ルビーの指示を仰ぐの止めた方が良いのではと思ってしまいます。戦闘シーンがギャグにしかならないですから。本来の「化け物と災厄」の緊張した世界観、どこ行っちゃったのって感じです。これが、この作品のダメな点ですかね。メリハリの感覚が完全に崩壊しています(笑)。

★最初と最後の戦闘の関連性
本作冒頭での戦闘シーンとラストでの戦闘シーンにおいて、相似構成にしたことは、シナリオとして、しっかり錬った証拠ですよね。全体構成を見ると、きっちりプロットを考えて、設計したことが分かります。ただただ残念なのは、全体的にショボイってことなんですよね。エロシーン以外に力と時間を注ぎ込めたら、もっと満足できる作品になったかもしれないのにと思うと、本当に残念でなりません。

★旅立ちの朝
スワン「うーん……字を書くの、まだ苦手だけど、頑張るよ……じゃあ、元気でね。おとうさん、おかあさん」
 ⇒この文章だけ見ると、爽やかで感動的なお別れの挨拶でしかないのだけれど、早朝までスワンとディアナはセックスしていたのですからね。牧師とディアナは結婚しているのだから、現代社会の常識から考えると、なんなのこのシーンってなってしまいます。『産めよ殖やせよ地に満ちよ』の世界であることを、改めて痛感してしまう場面なのであった。その意味では、アスルの恋人エリカが、ジェイドにお熱なのも、どうなのよって感じですけどね。

★振り返り
ト書き:謎の研究施設、封印されていた巨大モンスター……過去の魔獣大戦との関わり……などなど、身振り手振りで熱弁を奮ってやったべ。
 ⇒そのとおりなんですがね。にも拘らず、実際の演出を含めて、作品全体から醸し出されるチープ臭が……。酒がいけないのか、酒が(笑)。


2020/8/22追記
◇パッケージが凹んでいて、凹んだ
作品内容とは何の関係もありませんが、商品パッケージがAmazonから届いて、封を切った後に、よくよくパッケージを見たら、外から尖ったもので押し潰された跡が……。ちょうどメディアを収める部分の端の内側に盛り上がった部分の空間部分が外側から押されて潰されたために、内側から押して見た目を修復することもできず、とても悲しかったです。売るときの査定が大幅に下がってしまうことに(笑)。返品も考えましたが、手続き面倒だし、封を切っちゃったし、メディアの円盤自体は無事だったから、ゲームプレイ優先にしてしまいました。Amazon購入で、ここまで破損していたのは初めてだったので、ちょっとショックでした。破損状態から考えると、NEXTONに納品された時から破損していた可能性が高そうな気がします。NEXTON嫌いです(笑)。


2020/12/09追記
◇アニメと同梱版の第二弾
なんと、2021年2月26日に『琥珀色のハンター THE ANIMATION ~ルビー編~』(4,950円)とエリカ編・ルビー編・ゲームを同梱した『スぺシャルセット』(10,560円)が発売されるのだとか。前回の同梱版を買った人、馬鹿みたいだろ! それにしても、第二弾が出るとは思わなかったな。まぁ、アニメとゲームは違うしね。同梱版の価格設定だと、エリカ編とゲームをそれぞれ半額扱いにしたってことかな。ゲームは新作じゃないだろうから、今回NEXTONは、単なるお付き合い程度ってことですかね。


◇アンケート調査
本作を起動したトップ画面には、「OFFICIAL SITE、WEBアンケート、NEXTON-PASSPORT」のリンクがあります。ここでは、WEBアンケートに私が回答した内容を、公開したいと思います。
(◎が私が選択した回答)
※私がこの手のアンケートに回答したのは、二回目です。一回目は“WillPlus/とこはな”の『僕と彼女のご奉仕同棲』でした。WillPlusのアンケートの方が、より具体的な質問が多かったような気がします。アンケート調査に対する本気度は、NEXTONよりWillPlusの方が上かな。
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「琥珀色のハンター」アンケートフォーム
この度は「琥珀色のハンター」を購入していただきありがとうございます。
こちらでは、購入していただきました皆様へのアンケートを実施させていただいております。
どうぞお気軽にご回答よろしくお願いします。

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◎世界観
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原画
シナリオ
CG
音楽
世界観
◎ボリューム
価格
◎その他:エリカのルーツの謎を放ったらかしにしたところ。恐らく、第二段など出るわけないのだから、伏線は後腐れなく回収して欲しかったです。

・当製品をお知りになったのはどちらでしょうか?(複数選択可)
雑誌記事・広告
オフィシャルサイト
個人サイト・ブログ
商用サイト
twitter
その他SNS
ゲーム系イベント
知人から聞いて
◎その他:『ErogameScape -エロゲー批評空間-』の発売予定表を見て

・美少女ゲーム作品を購入される際、購入を決める基準として何を優先されますか?(複数選択可)
原画
◎シナリオ
CG
音楽
◎世界観
◎ボリューム
価格
◎その他:ボリュームだけだと分からないので、具体的には小ボリュームはパス。因みに、本作はミドルプライスだけれど、ミドルプライス分のボリュームは無いと断言したい。今のボリュームが、ミドルプライスにおけるNEXTONの標準だとするなら、今後は購入は控えたいと思ってしまいました。他社のロープライス作品、例えば『美少女万華鏡―理と迷宮の少女―』や『QUALIA ~約束の軌跡~』のボリュームを考えると、特にそう思ってしまいます。個人的には、エロシーン以外のシナリオ分量をボリュームの大小と考えています。つまりストーリーの分量が、私にとってのボリュームの基準です。

・美少女ゲーム作品を購入される際、パッケージ版とダウンロード版のどちらを優先されますか?
◎パッケージ版を購入している
ダウンロード版を購入している
先に発売されるほうを優先している
作品によって変えている
◎その他:ただし、今後は、ダウンロード版を主に考えたいです。パッケージ、場所をとるし、後々の処分も面倒なので。

・あなたの年齢を教えて下さい。
10代
20代
30代
40代
50代
◎その他:私は、年齢なんて調べたって無意味だと思っています。

・あなたの性別を教えて下さい。
男性
女性
◎その他:「私は、性別なんて調べたって無意味だと思っています」と書こうとしたら、ここだけ入力欄がなかった。そもそも、「その他」ってなんだよ。ふたなり、おかま、両性具有、トランスジェンダー? それとも人間じゃないのか。アンケートで、ここまで奇妙奇天烈な選択項目、初めて遭遇したゾ!

・あなたの好きなエロゲブランドを教えてください。
◎回答を入力:Nitroplus、tone work's、ωstar

・今後、どのようなグッズが欲しいかお聞かせ下さい。(フリー回答)
◎回答を入力:不要。グッズなどじゃま以外の何物でもない。

・ご質問の方は以上となります。今後M's TOY BOXに対して望まれる事や、その他ご意見がございましたら自由にお書きください。
◎回答を入力:NEXTONにおけるレーベル(エムズトイボックス)とブランド(スカイロケット)の位置づけがさっぱり分からないです。スカイロケットはどういった傾向の作品を制作するブランドなんでしょうか。第一弾と第二弾なんて作品傾向として何の関係性もない感じですし。ところで、このアンケート、性別質問の「その他」だけ記入欄がないのですが、なぜでしょう。男でも女でもない。もっとも興味ある回答だと思いますけど。私は、本当は「私は、性別なんて調べたって無意味だと思っています」と書こうとしたのですが。
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The above is a long impression of shiratori.